Misdirected Energies?(間違った?精力の向け方)

ここは28日の仕事納め、貴音を帰した後の事務所…
小鳥「ふう…何とかなりましたね」
「すみません、こっちがすっかり忘れてて」
小鳥「いえ、私も予定を確認していなかったのがそもそも悪かったんです」
「でも本当に、小鳥さんにも貴音にも悪いことしちゃったなあ…」
小鳥「それなら、まずは私にお詫び…ですよね?」
「いいですよ、今日で一応は仕事納めですから」
小鳥「とりあえず本格的なレッスンは明日からですよね?」
「まあどこまで出来るかは分かりませんが、やるのは損じゃないですし」
小鳥「それならプロデューサーさんには精を付けてもらいましょ」
「…えっ?」
小鳥「明日から3日間は私も休むんでサポートができませんから、その分今日はエネルギーを充填してもらおうかなと」
「なるほど…っていいんですか?明日からお金が要り用でしょう?おそらくですけど…」
小鳥「うっ…何かバレているみたいですね。でもこれくらいなら何とかします」
「それなら今日はどちらの家にしましょうか?」
小鳥「そうですね…私の家でいいですか?体制も整えたいので」
「分かりました、そうしましょうか。でも何をしてくれるんですか?」
小鳥「秘密です。でもせっかくの年末ですし、この前のお歳暮から…ね」
「なるほど、今年も色々と戴きましたもんね」
小鳥「ほら、あの冷凍のやつを食べちゃいましょうよ」
「あれ…ですか。確かに精がつきますけど…」
小鳥「フフフ、ちょっと期待してますからね」
「分かりましたよ。じゃあ必要な物を買って帰りましょうか」
小鳥「そうですね、ちょっと必要な物を調べてみます」
………
ここは小鳥さんのマンション、二人はこたつの中…
小鳥「今年ももう…終わるんですね…」
「そうですね…今年も色々あったなあ…」
小鳥「でもみんな元気に過ごせて良かったです」
「これも、小鳥さんのサポートがあってこそですよ」
小鳥「そんな…プロデューサーさんのお仕事の賜物です」
「でも何だかんだ言って、社長の力の凄さも感じた一年でしたよ」
小鳥「確かに…961プロとの問題も色々とありましたからね」
「それも無事に解決できて、本当に気持ち良く終えられそうですよ」
小鳥「私はまだ明日からが本当の戦いですけど…」
「一般ですか?それともサークル?」
小鳥「友達に貰っているんでサークルで…って何でそういうこと知ってるんですか!?」
「一応業界人なんですから、その辺を知らないわけがないでしょう?」
小鳥「だけど…」
「それに、だいたい明日は買うのは無理でしょう?」
小鳥「えっ…?」
「もしかして…忘れてましたね?アイドルに急に何かあると悪いから、ま〜ちの二人に付いていてくれって言ったの」
小鳥「…あ、あーっ!?うう…買いたいものもあったのにぃ…」
「残念でした、それは友達に頼んでください」
小鳥「はい…後で連絡しないとかあ…」
「ところで例の鍋はまだですか?」
小鳥「そろそろちょうどいい頃かしら、コラーゲンたっぷりですよ」
「まさに小鳥さんのための鍋ですね」
小鳥「…それ、どういう意味ですか?」
背中に冷たい物が走るプロデューサー。
「な、何でもありません!ご、ゴメンなさいっ!」
小鳥「…人が気にしてることを、平気でそう言うんだからあ」
「でもこんなの食べなくても、アイドルに負けないくらい綺麗じゃないですか」
小鳥「そんなことないわよ、お肌の曲がり角なんかとっくに過ぎてるんだから」
「いつもアイドルに接している自分が言うんですよ?」
小鳥「もう、プロデューサーさんったら…」
「…ってお鍋お鍋!」
小鳥「ああっ!忘れてたわ、ちょっと行ってきます」
「やれやれ…」
 
「この味…やっぱり格別ですね」
小鳥「味もさることながら、この身の厚さがもう…」
「本当にこれは貰って良かったですね」
小鳥「はい…これで明日から3日間は乗り切れそうです」
「アレって…やっぱりそんなに戦場なんですか?」
小鳥「闘う気が無いと負けますから」
「なるほど…でも、明日は頼みますよ」
小鳥「分かってます。あ、ちょっと友達に電話とメールを入れますね」
「良く分からない世界の話だな…」
 
「ふう、食べましたね」
小鳥「もう、締めがあるのにそんなにがっつくなんて…」
「締め?」
小鳥「すっぽん鍋と言ったら最後は雑炊でしょう」
と、ご飯と卵を持ってきた小鳥。
小鳥「ちょっと待っててくださいね、今作りますから」
「そっか、雑炊か」
小鳥「これだけ良いスープが出てますから、勿体ないでしょ?」
「そうですよね、ああ良い薫りだ」
小鳥「もちろんまだ食べられますよね?」
「はい、これくらいなら問題ないですよ」
小鳥「じゃあ余すところなく食べましょうね」
 
雑炊も食べ終えて…
「…さすがに満腹満腹っと」
小鳥「もう、プロデューサーさんって食べさせ甲斐があって困っちゃう」
「そうですか?」
小鳥「私の料理を何でも美味しいって食べてくれるじゃないですか」
「だって、本当に美味しいんですから。そんな謙遜することないですよ」
小鳥「だったら、精も付きましたし…デザート、どうですか?」
「いいんですか?俺は良いですけど、小鳥さんは明日も仕事ですよ」
小鳥「だって、こんなに身体が火照って…プロデューサーさんのも元気になってる」
「小鳥さんの身体、熱い…ですね」
すっかり抱きしめあっている二人…
「戴いちゃって…いいんですね?」
小鳥「プロデューサーさんこそ、食べちゃいますよ?」
「こうなること分かってて、夕食をこれにしたんですよね?」
小鳥「だって…しばらく他の娘に構いっきりになっちゃうから…」
「じゃ、戴きます…小鳥」
小鳥「○○さん…戴きますね」
二人とも…本当にお若いこと(苦笑)
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あとがき
ども、飛神宮子です。今年最後のSSは予告通りの小鳥さんです。
年末…やっぱりこうなったら二人はこうなりますでしょうね。
あ、それで冒頭がなぜ貴音なのか?真相は来年最初のSSで明らかになります。
では皆さま、良いお年を…
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2009・12・29TUE
飛神宮子
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