Unnecessary Necessary Killing Time(不要で必要な暇つぶし)

ここはある日の事務所…
真美「ねえ律っちゃん、ひまひまー」
真美がゲームしながら駄々をこねているようだ。
律子「そんなこと言ってもどうしようもないでしょ?真美」
事務をしながらそれに応じる律子。
真美「でも暇すぎるよー」
律子「じゃあ何で事務所に来たのよ」
真美「暇潰しだよ。家にいても特にやること無いもん」
律子「それで暇は潰れたの?」
真美「ううん暇すぎるよー」
律子「じゃあ何で事務所に来たのよ」
真美「暇潰しだよ。家にいても特にやること無いもん」
律子「それで…ってループしてたわ。だからここは託児所じゃないのよ?」
真美「そんなこと言ったってさー」
律子「そんなこと言ってると、事務所の掃除させるわよ?」
真美「えー、それは嫌だよー」
律子「何ならいいのよ?」
真美「そうだなあ…楽しいことなら何でもいいよ」
律子「じゃあ衣裳部屋の整理ね」
真美「うへー、それも何だか嫌だなー」
律子「そうなると、単純作業しか残ってないのよ?」
真美「単純作業?」
律子「シュレッダー作業よ。要らない書類をシュレッダー掛けるだけっていうの」
真美「どんくらいあるの?」
律子「1時間くらい掛かるくらいね」
真美「んじゃ、それやるよー」
律子「え、いいの?真美」
真美「いいよー、どうせ暇してるしさー。何かやることないとどっちみちまた同じ話になっちゃうもん」
律子「じゃあお願いするわね。第2会議室に破棄書類とシュレッダーとくずを入れる袋はもう用意してあるから」
真美「りょーかいっ。律っちゃん、鍵貸してねー」
律子「はいこれ、じゃあ行ってらっしゃい。30分したらこっちも終わるから見に行くわね」
真美「んー」
………
30分後…
律子「ふーっ…やっと終わったわ。領収書の処理は毎度骨が折れるわね…」
コキコキコキコキ
肩を鳴らした律子。
律子「さて、真美の様子でも見に行くとしますか」
律子は事務室を出て第2会議室へと向かった。
 
コンコン
真美「はーい」
律子「真美ー、ちゃんとやってるー?」
真美「やってるよー」
ガチャっ
律子が中に入ると…
ウィーン ガガガガガガガガガガガガ
真美はシュレッダーくずを入れた袋の一つに座りながらシュレッダーを動かしていた。
真美「律っちゃん、本当にこれ1時間の量なの?」
律子「あれ?そんなに無かった?」
真美「もうこれで最後だよー」
律子「本当ね、思ったよりいつも時間掛けすぎてたかしら」
真美「律っちゃんのことだから、確認しながらやってたんじゃないの?」
律子「言われてみれば…そうかもしれないわ」
真美「でも気持ちいいねー」
律子「え?」
真美「この袋、座ってると気持ちいいよー。ほらほら、律っちゃんもそこにいっぱいあるからさー」
律子「それは座る物じゃないでしょ?」
真美「そんなこと言ってー、座りたさそうだよー」
律子「う…」
真美「ほらほらー、さっき寝てもみたけど結構良かったよん」
たたたっ ぽふんっ
作業が全部終わった真美は、奥に並べてあった袋へと飛び込んだ。
真美「律っちゃんも来なよー。気持ちいいよー」
律子「そ、そこまで真美が言うなら…」
ぼふんっ
律子は真美の横へと身を委ねた。
真美「ね、どう?」
律子「確かに…でもちょっとゴワゴワし過ぎじゃないかしら」
真美「そっかな、でもさっきまで温かかったから気持ち良かったんだよね」
律子「まだ裁断し立てだったんでしょ?」
真美「うん。でも凄い量だったね」
律子「みんなが働いてるって証拠ね。不要な書類がこれだけあるってことは、そういうことなのよ」
真美「真美もちゃんとやってるからね」
律子「分かってるわ。ちゃんと最近は亜美と同じくらいになってきたじゃない」
真美「比べられる人が近くにいるから、つい頑張っちゃうっていうのかなー」
律子「負けたくないってこと?」
真美「そういうことかも。この世界ではもう一人のライバルだもん」
律子「フフフ、期待してるわ」
真美「ありがと、律っちゃん」
律子「さて…っと、これも片付けないとね。ちょっと待ってて、台車を持ってくるわ」
律子は寝ていた袋の上からようやく起き上がった。
真美「うん。真美は最後の分を袋に入れてるね」
………
ゴミ出しも終わり、予定の書いてあるホワイトボードを見遣る律子
律子「さてと明日は…えっと…。珍しいわね、仕事は夜の真美以外入ってないなんて」
真美「明日、兄ちゃんいないって言ってだけど…どったの?」
律子「あ、そうか。小鳥さんと一緒に休むって言ってたわ」
真美「何かあんの?」
律子「誕生日は邪魔されずに過ごしたいって言ってたのよ」
真美「ってことは…」
律子「ええ。明日は私が真美のプロデューサーとして付くわね」
真美「うへぇ、明日は律っちゃんと一緒なんだ」
律子「何よ真美、その不満そうな言い方は」
真美「ううん、今日も一緒だったのに明日もなんだって思っただけだよん」
律子「それならいいけど…明日は何時に来るの?」
真美「んー、学校終わってからだから5時には来れるはずだよ」
律子「分かったわ。遅れるようならこっちから迎えに行くから連絡して」
真美「うん。律っちゃんの運転、久々に乗るから楽しみー」
律子「若葉マークにあんまり期待しないのよ」
その時の真美と律子はお互いを認める表情へと変わりつつあったという…
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あとがき
どもっ、飛神宮子です。
律子と真美、この組み合わせは久々ですね。
普段は興味なくとも暇つぶしとしてなら…真美には何かアンテナが働いたのではないかなと。
それにしてもシュレッダーってやり立ては結構暖かいんですよね…。
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2012・04・30MON
飛神宮子
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