とある金曜日の夜のこと、ここはプロデューサーのマンション。 |
小鳥 | 「んー、そういえばこんなことあまり無かったわね」 |
P | 「何がです?」 |
小鳥 | 「お酒抜きで二人で過ごすなんて無かったでしょ?」 |
P | 「…そうですね、ここのところ二人でいる時は大体お酒入ってましたし」 |
小鳥 | 「でも土曜日がオフなんて本当に珍しいことが起こるなんて…」 |
P | 「本当に社長と律子には感謝ですよ」 |
そう、翌日がオフなのに珍しくお酒が入っていないのである。 |
小鳥 | 「そろそろここを発ってもいい時間ぐらいかしら?」 |
P | 「そうですかね?」 |
小鳥 | 「土曜日ですしけっこう混んでるかもしれませんよ」 |
P | 「それでも夜明けまでけっこうありますし、それにアクアラインは割引関係ないですから」 |
小鳥 | 「それを言ったらお終いでしょう」 |
P | 「そうですけど…夜景と言うより目的は夜明けなんですから」 |
小鳥 | 「う…確かに…」 |
P | 「寒くないように暖かくしないと…海の上ですし」 |
小鳥 | 「さすがにもう今の時期だと冷えますからね」 |
P | 「持ち物に毛布追加…っと」 |
小鳥 | 「それで明けた後はどこに行きます?」 |
P | 「そうですね…館山道と国道通ってアウトレットモールでもどうです?」 |
小鳥 | 「あ、いいですね。久しぶりに何か良い物見つけたいなあ」 |
P | 「おごりは…しないですからね」 |
小鳥 | 「分かってます。ドライブなので昼にちょっと多めに下ろしてありますから」 |
P | 「うーん、でもこんな時間に動くなんて久しぶりかもしれませんね」 |
小鳥 | 「そうですね。普段は疲れてそれどころじゃないですから」 |
P | 「ですよね。この業界は朝も夜もありませんし」 |
小鳥 | 「そこが…んーっ!辛いところなのよね」 |
P | 「ほら、じゃあそろそろ行きましょうか。眠気覚ましも兼ねて…ね」 |
小鳥 | 「そうですね。プロデューサーさん、上着」 |
P | 「ありがとう小鳥さん」 |
二人は夜の街へと向かっていった… |
……… |
ここは行く途中の○ーソン。 |
小鳥 | 「プロデューサーさんは何にします?」 |
P | 「そうですね、これと温かいのも1本欲しいので…これにしようかな」 |
小鳥 | 「それなら私はこれかしら」 |
P | 「あ、この前出た新製品のやつですね」 |
小鳥 | 「ちょっと飲んでみたかったの」 |
P | 「俺にもちょっと飲ませて下さい」 |
小鳥 | 「分かってます。プロデューサーさんのも少し」 |
P | 「はい、小鳥さん」 |
小鳥 | 「じゃあ飲む物はこれでいいわね」 |
P | 「あと、食べる物は要ります?」 |
小鳥 | 「そうですね…少し温まれる物がいいかなと思いますけど」 |
P | 「んー、時期的に中華まんですか」 |
小鳥 | 「それはナイスアイディアね」 |
P | 「小鳥さんはどれにします?」 |
小鳥 | 「そうね…これとこれにしようかしら」 |
P | 「じゃあ俺はこれとこれ…小鳥さん、これも…」 |
小鳥 | 「はい。もちろん半分ずつにしましょう」 |
P | 「それじゃあ会計しちゃいましょうか」 |
小鳥 | 「あ、あとこれも入れて…」 |
……… |
ここは夜中の海ほたる… |
P | 「やっぱり東京は眠らない街なんですね」 |
小鳥 | 「ええ、この時間なのにこれだけ光が溢れているなんて」 |
2人は東京の方を見ながら佇んでいた。 |
P | 「小鳥さん、寒くないですか?」 |
小鳥 | 「大丈夫です、思ったより温かかったくらい」 |
P | 「そんなこと言って…」 |
ギュッ |
プロデューサーは小鳥の身体を後ろから抱きしめた。 |
P | 「こんなに冷えてるじゃないですか」 |
小鳥 | 「プロデューサーさんったら…もう」 |
P | 「もう少しだけこのままで…いいですね?」 |
小鳥 | 「はい…」 |
夜景を見つめながら言葉なくすっかり恋人らしくただただ時が過ぎるのを待っていた。 |
小鳥 | 「…あと夜明けまでは何時間くらいかしら?」 |
P | 「さあ…でも、こうして小鳥さんと過ごせるなら何時間でも…」 |
小鳥 | 「はい…」 |
P | 「小鳥さんの薫り…本当に落ち着けます」 |
小鳥 | 「プロデューサーさんの薫りだって…」 |
P | 「それに、小鳥さんの身体って触り心地がとっても…」 |
小鳥 | 「もう…プロデューサーさんのエッチ…」 |
P | 「エッチでいいですよ、小鳥さんにだけですから」 |
小鳥 | 「私だってこんなのプロデューサーさんにだけですから…」 |
P | 「…今晩、どうします?」 |
小鳥 | 「明日は仕事ですよ?」 |
P | 「小鳥さんが俺をこうさせたんですから…」 |
小鳥 | 「…ん」 |
小鳥は分かったように一つコクンと頷いた。 |
小鳥 | 「少しだけね」 |
P | 「分かってますよ。小鳥さんのペースに任せますから」 |
小鳥 | 「それなら今日は私のマンションにしましょ」 |
P | 「了解…」 |
|
しばらくすると… |
P | 「あっ…」 |
小鳥 | 「んっ…」 |
夜明けの光に目を細める二人。 |
P | 「綺麗ですね、小鳥さん」 |
小鳥 | 「綺麗ね…プロデューサーさん」 |
P | 「こんな景色をこんな綺麗な人と見られるなんて、俺って幸せ者ですよ」 |
小鳥 | 「そんな…私だってこんなに良い人と見られて幸せです」 |
P | 「本当に俺の恋人になってくれて…ありがとう」 |
小鳥 | 「こちらこそ、こんな私を彼女にしてくれて…嬉しい」 |
P | 「小鳥さん…」 |
小鳥 | 「プロデューサーさん…」 |
チュゥッ |
二人は夜明けの寒空の下、全てを温かくするキスを交わした… |