ここはある日の撮影現場… |
あずさ | 「こんな風でいいんですか〜?」 |
笑顔でビキニスタイルの撮影に応じているあずさと… |
小鳥 | 「うう…どうして私まで…」 |
待機場所にいるビキニ姿の小鳥の姿があった。 |
……… |
時は数日前に遡る… |
小鳥 | 「え、えっ…ええーっ!?そ、そんな企画無理ですよっ!?」 |
ある日の事務所に何やら小鳥の大声が響き渡った。 |
P | 「だそうですよ、喜永さん」 |
どうやら喜永さんが何やら企画を持ち込んできたようだ。 |
喜永 | 「うーん、ダメかしら?音無さん」 |
小鳥 | 「ぜ、絶対ダメですっ!私なんか出して、何の意味があるんですか!」 |
喜永 | 「そうじゃないのよ。今回の記事のメインはむしろ音無さんの方なの」 |
小鳥 | 「えっ?」 |
喜永 | 「今回は事務所の裏方さんにスポットを当てるって記事よ」 |
小鳥 | 「裏方さん…ですか」 |
喜永 | 「この事務所は音無さんしかいないじゃない」 |
小鳥 | 「そうですけど…ど、どうしてグラビア撮影まで…」 |
喜永 | 「あら、裏方さんって自分に自信が無くてっていう人が多くて、意外とみんなスタイルが良いのよ」 |
小鳥 | 「でも私なんか…」 |
P | 「小鳥さん、そんなに自信がないんですか?」 |
小鳥 | 「プロデューサーさん…」 |
P | 「俺は正直、小鳥さんの全てが他のアイドルに引けを取らないと思ってますよ」 |
小鳥 | 「そ、そうですか?」 |
P | 「それにこの記事のグラビア、小鳥さんだけってことではないんですよね?」 |
喜永 | 「ええ。事務所から一人出してもらって、その人と一緒よ。だって、音無さんだけじゃどこの人か分からないじゃない」 |
小鳥 | 「なるほど…プロデューサーさん、うちの事務所からは誰を予定しているんですか?」 |
P | 「一応秋のま〜ちとDaybreak以外は全員空いてるんで、その中で小鳥さんに希望を聞こうかなって」 |
小鳥 | 「それなら…はい、ここまで推されたなら仕方ないかしら…はあ…」 |
少し溜息を吐きながら諦めの表情を見せた小鳥。 |
喜永 | 「やっていただけるのね?」 |
小鳥 | 「今回だけですからね、喜永さん」 |
喜永 | 「ええ。好評で続編が無い限りは今回限りでお願いするわよ」 |
……… |
カメラマン | 『はい三浦さんありがとうございましたー、音無さんお願いしまーす』 |
小鳥 | 「はーい、プロデューサーさん行ってきますね」 |
P | 「行ってらっしゃい、小鳥さん」 |
小鳥はカメラマンに言われるままポーズをとり始めた。 |
カメラマン | 『うんうん音無さん。それで右手を頬の方にしてくれるかしら?』 |
小鳥 | 「こ、こんな感じですか?」 |
カメラマン | 『そうそう。音無さんの魅力的なのはその口元のほくろなの』 |
小鳥 | 「…分かりました。それなら…この辺ですか?」 |
カメラマン | 『そこそこ。それで何か考えてる感じで』 |
小鳥 | 「はい…」 |
カメラマン | 『その表情貰うわ』 |
パシャっ パシャパシャっ |
次々とシャッターが切られていく。 |
P | 「あずささん、どうですか?小鳥さんのああいう姿って」 |
あずさ | 「事務員とは思えないほど綺麗ですね〜」 |
P | 「俺もたまに見ますけど…アイドルみんなに引けは取らないですよ」 |
あずさ | 「そうですね。音無さんが今この場でアイドルだって言われても、真偽は分からないでしょう〜」 |
P | 「でもあずささんもありがとうございます。急にこんな仕事を入れちゃって」 |
あずさ | 「いいんです〜。他ならぬ音無さんの頼みですし、でもどうして私だったんですか〜?」 |
P | 「詳しくは聞いてないんですけど、何か自分の身体と比べられても、あずささんだったら最早気にする必要が無いから恥ずかしくないとか言ってました」 |
あずさ | 「あらあら〜。比較対象だったんですか〜」 |
P | 「あずささんに比べたら、誰だって見劣りしちゃいますよ」 |
あずさ | 「フフフ、ありがとうございます」 |
パシャっ パシャパシャっ |
カメラマン | 『あ、そのしゃがんだ子供っぽい感じ良いわー』 |
小鳥 | 「あ、ありがとうございます」 |
カメラマン | 『ホント、色々良い表情見せてくれるわねー。次はそのビーチパラソルの下の椅子に座ってー』 |
小鳥 | 「はーい」 |
カメラマン | 『それで今テーブルに乗ってるグラスの飲み物を飲む感じで』 |
小鳥 | 「手はどうします?」 |
カメラマン | 『ああ…そうね、テーブルに両肘付いて頬を押さえる感じで。そう、それでストローを咥えて…』 |
パシャっ パシャパシャっ |
カメラマン | 『次はその飲み物を片手で持って頬にくっ付けて…それそれその状態で…』 |
パシャっ パシャパシャっ |
段々と撮られ慣れてきたのか、それともすっかり諦めたのか、小鳥の表情もすっかりと柔らかくなっていた。 |
カメラマン | 『はいー、それでは三浦さんもこちらにお願いしますー』 |
あずさ | 「あ、はーい。プロデューサーさん、ちょっと行ってきますね」 |
P | 「はい…いよいよ二人での写真か。ちょっと許可貰って、事務所ので撮らせてもらおうかな」 |
プロデューサーも現場へと向かっていった。 |
|
あずさ | 「フフフ、音無さん綺麗ですよ」 |
小鳥 | 「そうですか…?あずささんに比べたら負けちゃってますよぉ…」 |
あずさ | 「そんなことありません。普段からプロデューサーさんに磨いて貰ってるんですね、フフフ」 |
小鳥 | 「あずささんっ!?!?そ、それは言わないで欲しかったのにぃ…」 |
そんなことを言っている二人は水着の上に浴衣を着て、縁側のセットで撮影を待っていた。 |
あずさ | 「でも、本当に愛されてるのね〜。だって…」 |
ツンツン |
小鳥 | 「ひゃんっ!」 |
あずさは浴衣の上から小鳥の胸を突いた。 |
あずさ | 「前に見せてもらった時より…少し大きくなってませんか〜?」 |
小鳥 | 「えっ…?」 |
あずさ | 「前の夏に同じ水着でしたけど、もう少し余裕があった気がします」 |
小鳥 | 「う…まだ成長しちゃったのかしら…」 |
あずさ | 「プロデューサーさんに愛されてる証拠じゃないですか〜。羨ましいです」 |
小鳥 | 「…あずささんはどうなんですか?」 |
あずさ | 「私ですか〜?フフフ、まだまだ時間が必要かもしれませんね〜」 |
小鳥 | 「あずささんならきっと良い人、見つかると思うわ」 |
あずさ | 「ん〜、でもどうでしょうね〜?」 |
小鳥 | 「何と言っても…」 |
ツンツン |
あずさ | 「んっ!」 |
小鳥はさっきのお返しとばかりに浴衣の上からあずさの胸を突いた。 |
小鳥 | 「優しさとこの魅力的な身体があるんですから…ねっ」 |
あずさ | 「…音無さんにそう言ってもらえて、少し心配が解けたかもしれないです。私、頑張りますね〜」 |
小鳥 | 「あずささんの歳ならまだまだ勝負はこれからでしょ?私なんかもう…」 |
あずさ | 「でもいいじゃないですか〜、あんなに良い人と一緒になれたんですから〜」 |
小鳥 | 「…はい…」 |
小鳥は少し恥ずかしそうに頬を紅く染めながら笑顔でそう答えた… |