ここはある日の事務所… |
亜美 | 「たーいーくーつー」 |
真美 | 「もうヒマヒマ星人になっちゃうよー」 |
P | 「そんなこと言ったってなあ…この状況を見てそれを言うのか?」 |
事務所の中にはプロデューサーと亜美と真美しかいない。 |
亜美 | 「本当にみんな来ないのー?」 |
P | 「律子はやよいと一緒だし、小鳥さんは今日は有給で休みだし、他の人は仕事入れてないからな」 |
真美 | 「みんなお休みなんて聞いてないよー」 |
P | 「それは別にお前たちに言うことでもないだろって」 |
真美 | 「本当にこの事務所大丈夫なの?」 |
P | 「そ、その心配はしなくていいからさ。じゃあ聞くけど、何で来たんだ?二人して」 |
亜美 | 「だって家いても暇なんだもん。ね、真美」 |
真美 | 「うん。家にいてもつまんなくって。ね、亜美」 |
P | 「ここは託児所でも保育所でもないんだからな」 |
亜美 | 「兄ちゃん、そこのゲーム機で遊んでていい?」 |
P | 「いいけど五月蝿くしないようにだぞ」 |
亜美 | 「はーい。じゃあ遊ぼっか真美」 |
真美 | 「そだね」 |
……… |
そんな事務所の昼頃の事… |
♪〜 |
一つの電話が入ってきた。 |
P | 「はいもしもし、765プロダクションです」 |
小鳥 | 『もしもし、あ、プロデューサーさんですか?』 |
P | 「音無さん、どうしたんですか?」 |
小鳥 | 『あのぉ…突然なんですけどお願いしたいことがあってですね…』 |
P | 「お願い…ですか?」 |
小鳥 | 『ちょっと今から電話替わりますね』 |
P | 「え?ど、どういう…」 |
スタッフ | 『もしもし、すみません。○○と申します』 |
急に電話口に聞こえる男の声。 |
P | 「○○さん…その声はもしかして特撮とかでお世話になった○○さんですか?」 |
スタッフ | 『そうです、お久しぶりです。先日は星井さんのドラマでお世話になりました』 |
P | 「こちらこそ。それでどうされたのですか?」 |
スタッフ | 『あのですね…………』 |
P | 「ええっ!?そ、それは…でもどうしてうちの音無と…」 |
スタッフ | 『カフェでバラエティの収録中に、音無さんと偶然お会いしまして』 |
P | 「ちょっと電話を替わってもらっていいですか?」 |
スタッフ | 『あ、はい』 |
小鳥 | 『もしもしプロデューサーさん、そういうことなんですけど…』 |
P | 「あのですね、今日基本的にみんな休みにしちゃってるんですよ」 |
小鳥 | 『そこを何とか…お願いされて断りきれなくて…』 |
P | 「そこまで言われたら…今首根っこ掴まえて2人連れて行きますから待っててください」 |
小鳥 | 『ありがとうございます、もう一度替わりますね』 |
スタッフ | 『すみません…うちの不手際でそちらに迷惑をかけてしまって』 |
P | 「その分は後でお願いしますね、それでどちらに向かえばいいんでしょうか?」 |
スタッフ | 『△△に13時半にお願いできますか?』 |
P | 「△△に13時半、何かこちらから必要なものはありますか?」 |
スタッフ | 『特には無いです、必要ならば替えの服がこちらに無いこともないので』 |
P | 「分かりました。そちらに向かいますので、準備のほうよろしくお願いします」 |
カチッ |
電話を切ったプロデューサーの目が怪しく光った。 |
P | 「さて…二人とも集中してるみたいだから…」 |
すぅっと息を吸い込んで… |
P | 「亜美ー!!真美ー!!」 |
プロデューサーは二人に向かって思い切り叫んだ。 |
真美 | 「ふわあっ!?な、何なの兄ちゃん!?」 |
亜美 | 「亜美たち、折角ゲームしてたのに」 |
P | 「急にお前たちに仕事が入った。これから行くぞ」 |
亜美 | 「ええっ!?亜美たちに仕事なの?」 |
P | 「ああ。ダメか?」 |
真美 | 「ずいぶん急な話なんだね」 |
P | 「小鳥さんが出先で何かあったらしいんだよ。それで誰でもいいからって話でな」 |
真美 | 「うん、じゃあ早く行こうよ。よしっ…って真美たちお腹空いてるんだけど…」 |
亜美 | 「そーだよね。何か集中しちゃってたから全然感じてなかったけど…お腹ペコりんだよー」 |
P | 「大丈夫だ、それについては安心しとけ」 |
真美 | 「え?どうして…?」 |
P | 「それは後で打ち合わせの時に分かるからな…」 |
……… |
ここはとあるお店の前… |
亜美 | 「双海亜美だよー」 |
真美 | 「双海真美でーす」 |
亜美 | 「◇◇さんに期待してた人、ゴメンなさーい」 |
真美 | 「えっと◇◇さんは、こっちに向かう出発先の天気が悪くて来られなくなっちゃったんだって」 |
亜美 | 「だから今日は亜美たちが代理で紹介するよん」 |
真美 | 「今日の美味しいお店は…こちらっ!」 |
カメラが店の看板のほうへと向けられた。 |
真美 | 「ステーキハウス☆☆☆☆☆だよ」 |
亜美 | 「もう亜美、お腹ペコペコだよー」 |
真美 | 「じゃあ早速入ろっか」 |
亜美 | 「うんっ」 |
店の中へと入る二人。 |
真美 | 「うわあ、内装は何か昔の映画に出てくるって感じだね」 |
亜美 | 「うんうん、何かあの保安官が出てくるやつ」 |
真美 | 「それそれ、えっと…あー思い出した、西部劇かあ」 |
亜美 | 「うん、きっとそれだー」 |
二人はカメラが用意してある席へと着いた。 |
オーナー | 『いらっしゃいませ、☆☆☆☆☆へようこそ』 |
真美 | 「こちらが、☆☆☆☆☆のオーナーシェフの□□さんです」 |
亜美 | 「□□さん、このお店のおススメは何ですか?」 |
オーナー | 『こちらの200g○○ステーキセットです、肉もソースもとても美味しいですよ』 |
真美 | 「うわぁ、200gなんて食べれるかな?」 |
亜美 | 「だいじょーぶっしょ、亜美たち育ち盛りだもん」 |
真美 | 「じゃあ、このステーキセットを2人前お願いしまーす」 |
オーナー | 『焼き加減はどうします?』 |
真美 | 「んー、真美はミディアムかなー。亜美は?」 |
亜美 | 「亜美もミディアムでー」 |
オーナー | 『かしこまりました、○○ステーキセットミディアムでお二つ。よっと!』 |
真美 | 「うわわわわ、注文が投げ縄の先に付いて飛んでったー」 |
亜美 | 「面白ーい、オーナーの腕が凄すぎだよー」 |
二人はよほどお腹を空かせていたのか、その後ペロッと1枚どころかお代わりまで食べてプロデューサーや小鳥だけでなく周囲を驚かせていたという… |