One day Landscape in Halloween 02(あるハロウィンの風景その2)

ちょうど貴音と真がハロウィンパーティーの準備をしていた頃…
美希「雪歩の方は大丈夫だったの?」
雪歩「うん、美希ちゃんは?」
美希「これとこれでいいんだよね?」
雪歩「それで…大丈夫だね。あとは…」
メモを見遣る雪歩。
雪歩「あとはアレを買って終わりだね」
美希「でもみんなでこれ全部食べれるのかな?」
どうやら二人…は食べ物の買い出し隊のようだ。
雪歩「どうかな?でもみんなそんなこと言って結構食べるから…」
美希「残ったら最後はハニーに全部食べて貰うの」
雪歩「あれ?そういえばそのプロデューサーがいないですぅ…」
美希「あ、ハニーは千早さん達を迎えに行ってくるって言ってたの」
雪歩「そうなんだ。私達はこれからどうするの?」
美希「そこのフードコートで待っててって言ってたよ」
雪歩「そっか、じゃあ会計済ま…ってうわぁ、凄い並んでるぅ」
美希「今日はハロウィンだもん。ミキ達だってそうでしょ?」
雪歩「そうだけど、予想以上だったから…」
美希「ほら、早く並んでゆっくり休も」
雪歩「そうだね、お金は…あれ?お金って…」
美希「それはミキが預かってるの。これで払ってって」
雪歩「じゃあレジの向こう側で待っててね」
美希「は〜いなの」
………
支払いやら袋詰めを終えてここはその店のフードコート
雪歩「美希ちゃんは何にするの?」
美希「ミキは…んーとね、これにしようかな」
雪歩「えっとすみません…これとこれをお願いしますぅ…」
店員『サイズはどれになさいますか?』
雪歩「美希ちゃん、サイズは?」
美希「んー、真ん中くらいのがいいの。あ、ミキは席取っておくね」
雪歩「うん。じゃあサイズはこれがレギュラーで、こっちがスモールでお願いします…」
店員『ご注文は以上でよろしいでしょうか』
雪歩「はい…」
店員『では420円になります』
雪歩「えっと…あ、ちょうどあったぁ」
店員『ちょうどですね、ではレシートのお返しと…こちら、当店のクーポン券ですので次回からご利用ください』
雪歩「はいぃ…」
店員『はい、こちらです。ありがとうございましたー』
美希「こっちこっちー!」
雪歩「今行くからー」
雪歩は美希が座っているテーブルへと飲み物を運んで行った。
美希「雪歩、ありがとうなの」
雪歩「はい、こっちが美希ちゃんの分ね」
買った飲み物を飲み始めた二人。
美希「でもいっぱい買ったね」
雪歩「こんな買い物カートいっぱいって、私も初めてかも」
美希「最後は押すのも大変で疲れたの」
雪歩「これだけあったのにプロデューサーいなくなっちゃったもん」
美希「いつも律子がやっている気持ちがよく分かったの」
雪歩「フフフ、そうだね」
美希「ここで体力回復…ぱくっ」
雪歩「あれ?そのおにぎりって…」
美希「さっき一緒に買っといたよ」
雪歩「あー、ずるいー」
美希「こういうのはやった者勝ちなの」
雪歩「私も何か買っておけばよかったなぁ」
美希「ごちそうさまなの。あ、そういえば真クンってもう事務所にいるのかな?」
雪歩「どうかなあ?私達が来た時はまだだったよね、真ちゃん」
美希「そのまま小鳥にお使い頼まれたから、時間的にはもう来てるかもなの」
雪歩「そうかもね、普段だともうトレーニングしに来る時間だったし」
美希「電話してみる?」
雪歩「うーんそれは楽しみにしておこう」
美希「んー、そだね。あ、真クンで思い出したけど…」
雪歩「真ちゃんがどうしたの?」
美希「ねえ、真クンの誕生日の日って何かあった?」
雪歩「ブッ!」
思わず飲んでいた飲み物を噴出した雪歩。
美希「キャッ!?ゆ、雪歩っ!?」
雪歩「ゲホンッゴホンッゴホッケホッ…ご、ゴメン、美希ちゃん」
美希「だ、大丈夫なの?!」
雪歩「大丈夫だけど…もう…」
美希「そんなに驚くことだったの?」
雪歩「え…えっと…」
美希「やっぱり…何かあったんだ…」
雪歩「そ、そういうってことは美希ちゃんは…伊織ちゃんだったっけ?」
美希「え、そうだった…かな?なの」
雪歩「美希ちゃん、人の話を聞くときはちゃんと目はこっち向けて」
美希「だって…」
雪歩「何か…あったんだね?」
美希「雪歩だって真クンとそうだったんだってことなの」
雪歩「う…」
美希「あー、誕生日が楽しみなの」
雪歩「美希ちゃんと真ちゃん…これはルールだから仕方ないけどぉ…」
美希「真クンで楽しんでくるの、アハッ」
雪歩「美ー希ーちゃーんー!」
美希「あーんなことやこーんなこと、してもらえるかな」
雪歩「ねえ、行けないようにして…いいかなぁ?」
何やら懐からスコップを取り出そうとしている雪歩
美希「わーー!ご、ゴメンなさいなの、雪歩!」
雪歩「もう…私がそういうの嫌だってこと、美希ちゃんも知ってるはずなのにぃ…」
美希「でも真クンは雪歩だけのものじゃないの!」
雪歩「そうだけどぉ…」
美希「分かってるの…だから一日だけ…許してね、雪歩」
雪歩「うん…これはもう決まってることだから…うぅ…」
♪〜
美希「あ、ハニーからメールだ♪えっと…今こっちに戻ってて、10分くらいで来るって」
雪歩「10分くらいならもう少しゆっくりできるかな?」
美希「うん、ゆっくりここで待ってよ」
二人の間には少し分かり合えたような、そんな空気が流れていたという…
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あとがき
どもっ、飛神宮子です。
ハロウィンの風景その2は雪歩と美希。
どうやらこの二人、真や貴音より来るタイミングが早くて先にお使いを頼まれたようです。
やっぱり真のことになると熱くなってしまう二人…のようですね。
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2012・10・31WED
飛神宮子
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