Take a Step Forward(一歩前進)

真美「兄ちゃん、おっはよーん!」
「おはよう真美…って、そういえばあれ?亜美は?」
真美「今日は真美の担当の日だよー」
「いや、だから亜美はどうしたんだ?」
真美「だーかーらー、この前兄ちゃんが二人構ってられないって言ってたからー」
「お休み…あ、そういえばそうだったな」
真美「どうして今日は二人じゃダメなの?」
「狭い場所に行くからな、二人だと困るんだ」
真美「狭い場所?」
「あ、今日の企画について話してなかったんだっけ」
真美「うん、何も聞いてないよ」
「俺だってこの企画が来た時はどうしようかと思ったんだがな」
真美「早く教えてよー」
「あのアイドルのプロデューサーはどんな家に住んでんの?っていう企画なんだ」
真美「それってもしかして…兄ちゃんの家に真美が行くってこと?」
「ああ、そういうこと。俺の家に二人で来られて暴れられても困るからな」
真美「ふーん…そっか」
「えっと俺の家って来たことある…っけ?」
真美「ん?あのマンションだよね?」
「ああ…あ、思い出した。あの時に来たんだっけか」
真美「うん。あの時は兄ちゃんのベッドの下から、んっふっふー」
「…わー!あのことは忘れてくれ!」
真美「それで今は綺麗なの?」
「一応片付けてきたからな、前に来た時よりは綺麗になってるぞ」
真美「んー了解っ」
「それで今から打ち合わせするからな」
真美「はーい」
 
「…という感じになるがいいか?」
真美「紹介するときは兄ちゃんも一緒なんだよね?」
「まあどこに何があるのかを分かってるのは俺だしさ」
真美「あ、そっか」
「基本的には真美がメインで喋ってくれればいいから」
真美「うん。でもどうして真美たちにしたの?」
「え?何で?」
真美「だって兄ちゃんがプロデュースしてる人って他にもいるじゃん」
「ああ。今回は小学生アイドルの特集だったんだ」
真美「それなら確かに真美たちしかいないもんね」
「まあ普通にレポートしてくれればいいさ」
真美「それが終わった後はどーすんの?」
「あ、今日の仕事はこれだけだぞ。レッスンは二人一緒じゃないとダメだしさ」
真美「そだね」
「まあ取材とかも特にないし、やるとしても衣装合わせくらいかな」
真美「兄ちゃん、兄ちゃんは予定あるの?」
「俺か?俺は今日は特に予定は入れてないけど」
真美「じゃあ兄ちゃんの部屋にそのまま居てもいい?」
「別にいいけど、どうしてだ?」
真美「何となく、今日は一緒にいたいんだ」
「…分かったよ。でもあんまり長居はダメだぞ」
真美「わーい、やっほーい!」
………
スタッフ「カットー!OKでーす!おつかれさまでしたー!」
真美「ありがとうございましたー!」
「おつかれさま、前よりは綺麗だったろ?」
真美「うん、前よりはね」
「ん?何だか不満そうだな」
真美「だって、本当に見つからなかったんだもん」
「まあな、そう簡単に見つけられたらたまらないさ」
真美「じゃあ兄ちゃんの部屋にいる間に見つけちゃおっと」
「まあ探すがいいさ、はっはっは。じゃあちょっとスタッフの人に挨拶してくるから」
真美「んー」
 
数分後…
真美「ん?ここが何か怪しいなー」
ガサガサガサ
何やら本棚の奥を漁り始めた真美。
真美「…あっ、見っけたっと」
「ただいま、真美…え?う…そこを見られるとは思わなかったのに…」
真美「兄ちゃん、何か前よりこれ凄くない?」
「まあ俺だってな、欲求不満くらいあるんだからさ」
真美「やーい、兄ちゃんのむっつりスケベー」
「男は大体誰でもそんなもんだって」
真美「もしかして、真美たちのこともそう思ってるの?」
「思ってると思うのか?」
真美「だって兄ちゃんのあずさお姉ちゃんとかを見る目つき、いやらしいよー」
「そう言われてみれば、胸とかに目が行ってたのは確かだな」
真美「じゃあ真美たちはどうなの?」
「そうだな…可愛いと思って見守ってるって感じかもな」
真美「ふーん…」
「ん?どうした?」
真美「そっか、そうなんだ…」
どことなく寂しそうな横顔を見せる真美。
「何だよ、真美」
ギュっ
急にプロデューサーの胸へと引き寄せられた真美。
真美「に、兄ちゃんっ!?」
その顔は赤みが増してきている。
「バカだな、真美は」
真美「えっ…」
「大切だからこそ、なんだからな」
真美「亜美よりも?」
「…ああ、亜美よりもな」
真美「兄ちゃん、もっとギュってして」
「どうした?今日はいやに甘えん坊さんだな」
真美「だって、兄ちゃんが大好きなんだもん」
「分かったよ」
ボフンっ
真美を抱き締めながらベッドへと寝転がったプロデューサー。
真美「兄ちゃんっ…」
真美はそんなプロデューサーのことを抱きしめながら、その温もりに頬を染めていたという…
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あとがき
飛神宮子です。
何となーく真美で書いていたら自然とこんな展開に。
何で真美かと言いますと…うちにリボルテックの真美が来たからです。
まあこの程度じゃ「あなたへの想い」にはなりません。もっともーっと甘く…ですよ。
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2009・03・12THU
飛神宮子
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