Two Day-Football(蹴球二日)

とある日の、765プロの会議室にて…
「プロデューサー、どうしてボク達が呼ばれたんですか?」
律子「今日はオフだったのにねえ」
「ちょっと急な話でな、すまんなオフに呼び出すことになって」
「そういえば、雪歩はいいんですか?」
「急に集まってもらうことになったから、都合がつかなかったんだ」
律子「うーん、それならしょうがないかしら…」
「それで何なのですか?急に集まるってことはよっぽどのことですよね?」
「ああ、今週末の土日なんだが都合は大丈夫か?」
律子「今週末ですか?急に言われてもねえ…」
「ちなみに雪歩に関してはNGを貰ってるんだが」
「それって遠出ですよね?」
「ああ。金曜日の夜便で飛んで、翌日にイベントをやって帰る形になるからな」
律子「プロデューサー殿、もしかして…サッカーですか?」
「ご名答。よく分かったな律子」
律子「最近ニュースでやってましたから」
「前日入りってことは、近場じゃないんですね」
「ああ、呼ばれたのが長崎でな。打ち合わせとかもあるから、朝一だときついと思ってな」
律子「そこまで詳しくないので聞きますけど、対戦カードは?」
「広島と、えっと…川崎だな」
律子「フフフ…それなら私は行くわよ」
「いいのか?律子」
律子「スケジュール自体は問題ないんでしょ?」
「まあな。雪歩は家の都合で来れないだけだからさ」
律子「真はどう?」
「ボク?プロデューサー、その後の試合って見られるんですか?」
「ああ、一応見れることは見れるはずだぞ」
「それならボクもいいですよ」
「サンキューな。ちょっと昔の知り合いで断れそうに無くて…」
律子「それならそうと早く言ってくれれば」
「でもまずは本人の希望を聞くのが先決だろ?」
律子「確かにそうですけど…断られたらどうするつもりだったんですか?」
「その時はその時で、別の人に頼むつもりだったし」
「いいじゃんか律子、もう話は決まったんだし」
律子「それもそうね。プロデューサー、当日までに準備が必要な物は?」
「それについてだが…」
………
「以上だけど質問はある?」
「と言うことは、それぞれのチームでってことですね?」
「そういうことになるかな、ん?希望があるのか?」
「出来れば、広島が希望です」
「真の方からそう言うのも珍しいな」
「だって…どっちもうちらのイメージカラーでもないですし」
律子「確かに、この色がイメージカラーなのはあずささんと雪歩よね」
「俺もそれは考えたんだけどな、両方に断られたんだよ」
律子「んー、まあ確かにサッカーのイメージは二人とも無いわよね」
「言っちゃ悪いけど、ボクもそう思う」
「でもどうして広島なんだ?真」
「紫の服ってあんまり着たこと無いから、たまにはいいじゃないですか」
律子「…まあ確かに真はそうよね」
「う…うん(だいたい中の人が広島出身だからなんて言えるわけないってば)」
「ん?どうした?真」
「え?な、何でもないです」
「まあいいか。じゃあ律子は川崎の方でいいな?」
律子「いいわよ、私はどっちでも良かったから」
「分かった、先方にはそう伝えておく」
「それにしても、随分遠くでやるんですね」
「確かにな。まあ5回戦はそういうのが結構あるみたいだし」
律子「へえ、そうなんですか」
「ああ、富山とか鳥取とかもあるみたいだからな」
律子「なるほど…」
「まあそれはそうと、1週間無いんだが…」
「歌の方は任せてください!」
律子「いつも歌ってる曲なんだから、問題ないわよ」
「雪歩が居なくても大丈夫か?」
律子「いつもよりはバランスがちょっと悪くなるけど、大丈夫」
「あ、でも音楽は聞こえるんですか?ああいう場所で」
「一応イヤホンはしてもらうけど…事前調節もきちんとする」
律子「分かりました。あ、一ついいかしら?」
「何だ?律子」
律子「選手一覧はもらえるわよね?」
「もちろん。当日は選手紹介もしてもらうからな」
「ええっ!?ボクたちがやるんですか?」
律子「いいんじゃないかしら、面白いわねそういうのも」
「律子はそういうの得意そうでいいよなあ」
律子「真だって…あの声でメロメロにしちゃえばどう?」
「そっか…声だけで見えないからそういうのも出来るんだっけ」
「まあ、その辺はほどほどにしてくれよ」
「分かってますって」
律子「プロデューサー、今日は空いてるんですか?」
「この用件を先方に伝えた後なら空いてるぞ。どうした?」
律子「このまま何も練習させないで本番迎えさせる気ですか?」
「そういうことか。それじゃあそれも今から確保しておくから。二人ともどれくらいまで大丈夫だ?」
律子「私は夜遅くならなければ…真は?」
「ボクもあまり遅くならなければ、そうだなあ…8時までに帰れればいいです」
「分かった、ちょっと行ってくる」
「そっか…2人用の動きも確認しておかないとかあ」
律子「そうね、そこらへんはプロデューサーとも確認してね」
「でもボクも律子も、元々は二人組だったよね」
律子「そういえばそうよね、やよいは元気でやってるかしら…」
「ボクのとこの伊織と一緒だから大丈夫だと思うけどなあ」
律子「でもねえ、亜美が居るのよねえ」
「ああ…ってこんなこと気にしてもしょうがないか」
律子「そうね、うちらはうちらでできることを頑張りましょ」
「OK」
「真ー、律子ー、練習場所確保したぞ」
「プロデューサー、何時からどこですか?」
「いつものダンスのレッスン場で2時から6時までな」
律子「ここ何時に出ます?」
「ああ、とりあえず1時には出るぞ。それまでに着替えとか準備しといてな」
律子・真「「はいっ」」
二人は互いに微笑みながら、一つ返事をした…
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あとがき
ども、飛神宮子です。
律子の中の人結婚&天皇杯広島4回戦突破記念。中の人が結婚している二人で書きました。
SS内でのユニットは第2期にあたります。そういえば久々ですね、このコンビで書いたのは。
この二人ってそういえば意外と口調が似るんですよね…難しい。
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2008・11・05WED
飛神宮子
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