Black Folly(黒き愚行)

※この作品はこちらの画像と合わせてお読みになると一層楽しめる…わけないか。※
 
 
バタンっ
小鳥は見て卒倒した。律子は頭を抱えた。雪歩は穴を掘り始めた。千早は言葉が出なくなった。
「社長、その格好はどういうことなんですか?」
春香は焼いてきたクッキーを落とした。伊織は関してはいけないとあさっての方向を向いた。
社長「試着をしてみたのだが、チェックにはこうして着てみるのが一番だと思わんかね?」
やよいは脅えている。亜美真美は怖いもの見たさに近付いていった。美希は…いないようだ。
「それ…誰の衣装ですか?」
真は近付いている亜美真美を止めている。あずさはなぜかニコニコしていたが額には怒りマークが出ていた。
社長「これかね?これはあずさくんのを借りてみたのだが」
「社長、この状況が分かりますか?」
社長「む、私には似合ってないというのかね?」
「当たり前じゃないですかーっ!小鳥さんなんか卒倒しちゃいましたよ」
社長「君たちが使用中の会議室に入ってくる方が悪いではないか」
「それは…うちのアイドルのじゃない曲が流れてたら気になりますって」
社長「我が社のアイドルには、この曲くらい激しい曲は無いではないか」
「確かにそうですけど…でも」
社長「君は分かっていないようだね、こうやって丈夫なのかをチェックしとるわけなんだ」
「あの…聞きたくはないですが、もしかして全衣装それをやってましたか?」
社長「いや、この衣装だけだが?」
「それってただ、着てみたかっただけじゃ…」
社長「人聞きの悪いことを言うのだね、君も」
「いや…ちょっと社会倫理的に問題なのかと…」
律子「社長!いい加減にしてください。ほら、やよいなんか脅えちゃってるじゃないですか」
やよい「律子さん…社長が怖いですぅ…」
社長「律子君まで…」
律子「当たり前じゃないですか、いい加減に脱いでください!」
社長「…しょうがないね、着替えるから一度退散してくれぬか?」
「分かりました、みんな出るよ。ほら亜美も真美も」
亜美・真美「「は〜い」」
 
と言うわけで、社長はこのあとさらに小鳥と律子とプロデューサーに壮絶に怒られたわけだが…
小鳥「まったく、本当に社長には困ったものだわ」
律子「そうね…本当に社長の行動はどうかしてるわね」
「とりあえずあの衣装どうします?あずささんのやつですけど」
小鳥「確かにあのままあずさちゃんに着せるわけにも…ね」
「経費はありますか?もう一着新しいのを作ってやりたいんですけど」
小鳥「それくらいならまったく構わないわ、あの衣装は社長買取っと」
律子「そうですね。それくらい灸を据えておかないと、次何やらかすか分かったもんじゃないし」
「律子…まあ今回の件は社長も反省しているみたいだからいいとして…」
律子「それにしてもうちの衣装ってけっこう丈夫なのよね、あれだけ踊っても型崩れしないし」
小鳥「そうよ、みんなの身体に合った特注品だもの」
「良い素材じゃないと、伊織が何かとうるさくてな」
律子「あー、どうりで」
「あと、素材が弱いと特に激しく踊る真がな」
律子「なるほど、きちんとできてるんですね」
「でもあくまでも主役はアイドルのみんなで、衣装はあくまでそれを引き立てる役目だから」
小鳥「そうですね、衣装が主役じゃないですものね」
律子「プロデューサー…小鳥さん…」
「俺達もそれと同じ。みんなを引き立てるのが俺や小鳥さんの役目」
律子「小鳥さんはいいとして、プロデューサーはどうかなあ?」
「…俺ってそんなに信用されてないのか?」
律子「冗談ですよ冗談、でもプロデューサーは影の主役って感じだと思うんで」
「俺がか?」
律子「だって、プロデューサーが居なきゃ何もできないに等しいでしょ?私たち」
「そうか?…そう言われたら何も言えないけど…」
小鳥「あらあらいい雰囲気ね、律子さんにプロデューサーさん」
「す、すみません小鳥さん」
小鳥「プロデューサーさん、後でお詫びにアレ…いいですね?」
「…分かりました」
どうやら小鳥とプロデューサーの間で何かが契約されたようである。
律子「そういえば次のうちらの衣装はあれですか?」
「一応そのつもりだけど、どうかしたのか?」
律子「いえ、やよいには似合うと思うけど私にはどうかなあって」
「大丈夫だ。ちゃんと似合うように作ってあるんだから」
小鳥「そうよ、律子さん」
律子「んー、似合わなかったらプロデューサーが責任とってくださいね」
「分かってるって、どうせだったらこの後で衣装合わせでもするか?」
律子「やよいと一緒ですか?それならいいかも。曲での動きも見たいから」
「よし、そうするか」
律子「…って他のユニットは大丈夫なんですか?」
「ああ、今日は基本的に各々に任せるオフ日にしてたから」
小鳥「それにしてもどうしてみんなこんなに揃ってたんでしょうね?プロデューサーさん」
「そういえば美希以外は全員居たからなあ…」
律子「そりゃあ決まってるでしょ、レッスンするに越したことは無いんだから」
「と言うことは律子もか?」
律子「そうですよ、あと備品の買い物も行こうかと思ってたんで」
小鳥「そうね、まさか午前がこんな風に潰れるなんて…」
「本当に社長もああいうことする人だったなんて…」
律子「あー、もうっ。プロデューサー、気分転換に買い物行きましょう」
「そうだな。車出した方がいいのか?」
律子「あ、はい。ちょっと遠い上に多いんで」
「メンバーは俺と律子と小鳥さんと…やよいでいいか?」
律子「それでも荷物が詰めるならそれで」
「よし、じゃあそうするか。やよいー」
やよい「プロデューサー、何ですかー?」
「これから買出しに行くから、ついてきてくれ」
やよい「私でいいんですか?」
「いいんだよな?律子」
律子「はい。一緒に行きましょう、やよい」
やよい「それなら…はいっ」
「まあ車の中で今後の打ち合わせもしたいしな」
律子「そうね。やよい、午後は空いてるわよね?」
やよい「空いてますけど…えっと何かあるんですか?」
「ちょっと衣装合わせするつもりだから」
やよい「新しい衣装ですかー?うっうー、楽しみですーっ!」
小鳥「プロデューサーさん、そろそろ行きましょ」
「そうですね。よし、ついでに昼飯も食べてくるとするか」
律子「ええっ、いいんですか?プロデューサーの給料からだと…」
「おいおい律子、いくら俺でもそんなに窮乏するほどの事はないからな」
やよい「ありがとうございます、プロデューサー」
「よし、それじゃあ車を事務所の前に持ってくるから事務所の前で待ってて」
小鳥・律子・やよい「分かりました」 「はい」 「はーいっ」
三人の返事とともにプロデューサーは事務所のノブに手を掛けた…
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あとがき
怒涛の5本掲載4本目、飛神宮子です。
あの画像からのウルトラC、無茶です。
これが一番どこで使うかで迷いましたよ、画像の設定を。
基本的に、こういう作品は金輪際書きたくないと思いましたよ、はい。
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2008・06・01SUN
飛神宮子
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