Minor Fluctuation(小さな変動)

ある日の事務所でのこと…
じとー
美希に向けられた視線が一つ。
美希「雪歩どうしたの?あむっ…ミキのことじっと見て」
大好きなおにぎりをパクつきながらキョトンとする美希。
雪歩「え?あ、う、何でもないよ何でも」
美希「ミキの顔に何か付いてるの?」
雪歩「ううん、本当に何でもないから…」
美希「変なの…ぱくっ」
雪歩の視線の先には実は…
雪歩「(いいなあ…私もあれくらいスタイルが良かったら…)」
美希「(雪歩、まだミキのこと見てるの…)」
雪歩「(私なんてひんそーでちんちくりんだし…)」
美希「あー、分かったの!雪歩、ミキのここ見てたでしょ」
と、おにぎりを持っていた手で胸を指す美希。
雪歩「え?え…えっ!?そ、それをどうしてぇっ!?」
美希「やっぱりなの。顔じゃなきゃここしかないもん」
雪歩「だって美希ちゃんスタイルいいし…私なんか…」
美希「でも、ミキは雪歩みたいに優しくなんかないよ」
雪歩「だけど…でも…」
美希「ミキは逆に雪歩みたいな性格に憧れちゃうな」
雪歩「えっ…」
美希「優しくて人のことを想ってるって素敵だもん」
雪歩「そ、そっかなあ…」
美希「だからおあいこなのっ!」
雪歩「そうだね…」
美希「でも、確かに千早さんほどじゃないけど、雪歩も体型が貧しいの」
雪歩「ガーンガーンガーン…そ、そんなにストレートに言わなくても…」
美希「んー…食べてきたものが違うのかな?」
雪歩「ど、どうかな…」
美希「雪歩って何が好き?」
雪歩「え?うーん、やっぱりお茶かな」
美希「お茶じゃ栄養にならないの。美希みたいにおにぎりいっぱい食べた方がいいの」
雪歩「ええーっ」
美希「おいしいご飯一杯食べてよく寝れば成長するの!」
雪歩「でも…もうきっと成長なんてしないから…」
美希「むー…雪歩、ちょっとミキと一緒に来るの」
ぎゅっ
雪歩の腕をとって引っ張って行く美希…
 
美希「雪歩って肌、綺麗なの」
雪歩「そうかな?」
美希「ミキと比べたら、ずっときめ細かくて柔らかいもん」
雪歩「ありがとう…美希ちゃん」
シャーーーーー
さてここはどこかと言えば…765プロのシャワールームだ。
ツツツツツ
雪歩「んっ!」
美希「肌触りもいいし、憧れちゃうよ」
雪歩「そ、そっかなあ…」
美希「ほらミキと比べてよ」
雪歩「でも美希ちゃんの肌も綺麗だと思うよ」
美希「…ありがと、雪歩」
雪歩「でもどうしてここに来たの?」
美希「フフフフフ、それはね…」
むにゅっ
雪歩「ひゃんっ!み、美希ちゃんっ!?」
美希「胸って揉んでもらうと大きくなるって聞いたよ」
雪歩「そ、それは迷信だって」
美希「えー、でも試してみたっていいと思うな」
雪歩「ダメだって、そんなことしてたら悪徳記者さんの格好の的になっちゃうし」
美希「むー、一度試してみたかったのに…」
雪歩「それより、そんな長い時間借りてないんだから早く出よ」
美希「それもそだね。もう少し温まったらね」
雪歩「うん…」
 
美希「プハー!」
腰に手を当てて冷蔵庫に入っていたコーヒー牛乳(プロデューサー私物)を飲む美希。
雪歩「だ、大丈夫かな?勝手に飲んじゃっても」
美希「え?ミキ、いっつも飲んでるよ」
雪歩「え?勝手に?」
美希「うん、あれば飲んじゃってるよ」
雪歩「それってプロデューサーの…」
美希「え?そうだったの!?」
雪歩「美希ちゃんもしかして知らないで飲んでたの?」
美希「いっつも冷蔵庫に入ってたから飲んでいいのかなって思ってたの」
雪歩「どうりで最近2本入ってたんだ…」
美希「雪歩も飲まないの?」
雪歩「私はお茶でいいから…」
美希「それじゃあ胸が成長しないよー」
雪歩「そ、そっかなあ…」
美希「ほら、飲んで飲んで」
と、飲みかけを差し出す美希。
雪歩「う、うん…」
ごきゅんっごきゅんっ
美希「いい飲みっぷりなの!あ、でも…」
雪歩「でも?」
美希「これだと雪歩とミキ、間接キスなの」
雪歩「あっ…」
その言葉に少し顔を赤らめる雪歩。
美希「でも…いいの。雪歩のこと嫌いじゃないし」
雪歩「…うん、私も美希ちゃんのことは嫌いじゃないよ」
美希「よーし、じゃあ残りは全部貰うの」
雪歩「はい。と言ってももう殆ど無いけどね」
美希「それなら雪歩の淹れたお茶も貰うの」
雪歩「え?美希ちゃんも飲む?」
美希「うん、だって雪歩の淹れたのなら美味しいもん」
雪歩「分かった、じゃあちょっと行ってくるね」
雪歩は笑顔になって給湯室へと向かっていったという…
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あとがき
お久しぶりです、飛神宮子です。
いやあIRCのダイスはとんでもない組み合わせを要求してきましたよ。
書いていてこれほど難航したのも久々ですよ。
話の展開が決まってもなかなか書けない…なかなかでした。
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2009・01・31SAT
飛神宮子
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