Sudden Festa(突然のお祭り)

Trrrrrr… Trrrrrr…
Pi♪
小鳥「プ、プロデューサーさーん、会場の半分くらいが怒っちゃってますよもう」
『そんなこと言われても、こっちは大渋滞で動けないし…』
今日は765プロアイドルのライブ当日。
小鳥「でももうやるって言ってしまった手前、今更中止とか言っても…」
『小鳥さん、そっちに社長は来てるんですよね?』
小鳥「はい、今ここに居ますけど」
『ちょっと社長に替わってもらえませんか?』
小鳥「あ、はい分かりました。社長、プロデューサーさんからお電話です」
社長「おう、君かね。今どの辺だね?」
『そうですね、あと20kmくらいなんですが…雨で通行止めになってるみたいで…』
社長「迂回とかはできないのだね」
『はい、どうやらこのバスが通れる道は軒並み冠水しかけているらしく…』
社長「まったく動けない状態のかね?」
『はい、前も後ろも車でもうすし詰めと言ってもいいくらいで』
社長「うむ…それはしょうがないな…」
『それでなんですが…小鳥さんに頼めませんでしょうか?』
社長「何をだね?」
『せっかく会場に待たせている人もいるんですから、誰かが出ないと…』
社長「小鳥君にまたそんなことをさせると何を言われるか…」
小鳥「社長、何ですか?」
社長「い、いや…あのだね…聞いてほしいのだが。代役を小鳥君でどうかという話が出ていてだね」
小鳥「社長!嫌ですよ!また歌わせるんですか!」
社長「しかしだね、これ以上会場の人を待たせるとだね…」
小鳥「い・や・で・すっ!」
社長「君の方からも何か言ってやってくれぬかね、そうとう嫌がっているようでな。今代わるから」
小鳥「プロデューサーさん、いくらプロデューサーさんのお願いと言われても…」
『でもこれじゃあ埒が明かないし、それに霙近くになった中にアイドルを徒歩で行かせるわけにも行かないし…』
小鳥「だいたい、衣装とかどうするんですか!」
『え?それは心配ないですよ。倉庫のそのまま送ってあるんで小鳥さんの分も入ってますから』
小鳥「で、でも…そうですよ!会場の皆さんはアイドルが歌うのを待ってるんですよ!」
『あれ?プログラムきちんと見てません?もしかして…』
小鳥「え?プログラムですか?」
と、小鳥がプログラムを見ると…
 
曲名
新曲(当日発表予定)------(当日発表予定)
エージェント夜を往く (REM@STER-A)高槻やよい・秋月律子
First Stage (REM@STER-A)双海真美・音無小鳥
GO MY WAY!! (REM@STER-B)天海春香・如月千早・萩原雪歩
まっすぐ (REM@STER-A)三浦あずさ・双海亜美・星井美希
ポジティブ! (REM@STER-B)菊地真・水瀬伊織
THE IDOLM@STER (REM@STER-A)765プロALLSTARS
 
小鳥「プロデューサーさん、これはどういう…」
『あの、そのプログラムを業者に通したのは小鳥さんですよ』
小鳥「え?え…ええーっ!?!?」
『確認してなかったんですか?あの時もばっちり書いてありましたよ』
小鳥「え…ふ、不覚だわ…」
『だから、どちらにしても2曲は歌ってもらわないといけないんですよ、もともと』
小鳥「…しょうがないですね、もう諦めました」
『それじゃあ…』
小鳥「歌います…歌わせてもらいます、新曲以外は歌えるので…」
『ありがとうございます、すみません出来るだけ早くこっちも向かいたいと思います』
小鳥「分かりました」
『途中で間に合ったら、アイドルの方に交代させますから』
小鳥「了解です、気をつけてこっちに向かってください」
Pi♪
社長「小鳥君、やってくれるんだね」
小鳥「もうこうなったら…しょうがないです。私だって765プロの一員ですから」
社長「ありがとう、そう言ってくれるとは…嬉しいぞ。さすがに穴を開けたら多大な損失だからな」
小鳥「もう…社長ったら…」
社長「ちょっと行ってくるところがあるから、衣装を隣の部屋から選んできてくれたまえ」
小鳥「分かりました、すぐ戻ってこられますよね?」
社長「ああ、確かライブだからって来てくれてたはずだからな」
 
社長「すまんな、遅くなった小鳥君。助っ人を一人連れてきたぞ」
小鳥「まあ、善永さん。今日はどうしてまた?」
善永「あなた方765プロのライブじゃない、それなら来なくちゃ」
小鳥「ありがとうございます、でもどうして社長…」
社長「いや、アナウンスまで小鳥君に頼むと大変かと思ってな」
善永「それにしてもさっき高木さんから聞いたけど、大変みたいね」
小鳥「はい…でもよろしいんですか?」
善永「せっかくだし、こういう機会もなかなか無いしね。あ、ちょっとだけうちの宣伝もさせてね」
社長「それは構わない、ほらこうして善永君も快諾してくれたんだ」
小鳥「本当にこんな急にすみません」
善永「それに小鳥ちゃんのそういう姿も見てみたいかなって…ね」
小鳥「そんな…恥ずかしいです…」
善永「ほらほら、早くしないと。お客さん待たせちゃってるんだから」
小鳥「そ、そうですね。ア、アア、アーーッ…よしっ」
善永「ところで今日放送用の原稿はどれかしら?」
小鳥「あ、はいここに。名前のところだけ変えてください。あと、最初の新曲だけカットで」
善永「分かったわ、それじゃああとはアドリブで言うから行ってらっしゃい」
小鳥「はい、行ってきますっ!」
衣装に身を包んだ小鳥は、楽屋から会場袖へと向かっていった。
善永「高木さん、放送関係の部屋はどこですか?」
社長「おお、そうだな。今案内する」
………
善永「あ…あーあー…はい、長らくお待たせしました。えー、本日は765プロの新曲発表ライブ『infinight!』にお越し頂きましてありがとうございます」
ざわ…ざわ…
聞きなれない声に会場がどよめき出す。
善永「まずここでお詫びがあります、この大雨でまだ765プロのみなさんが会場入りできていません」
ざわざわざわ…ざわざわざわ…
会場のざわめきが一層大きい物になった。
善永「しかし…ここで終わる765プロではありません。ライブ『REM@STER-B』にお越し頂いた方なら分かるかと思いますが…」
ここで静まり返る会場。
善永「会場に先入りしてました765プロ事務員、音無小鳥ちゃんに歌っていただくことになりました!」
ワーーーーーーー! 小鳥ちゃーん! ピヨちゃーん!!
会場のボルテージが急激に高まっていく。
善永「残念ながら新曲は今回はお送りできませんが、それ以外の未発表曲を小鳥ちゃんの歌声でお届けいたします」
小鳥さーん! ワーーーーーーー! ピヨピヨーっ!!
善永「曲目は最初の新曲を除いたプログラム通りにお送りいたします!なお、時間内にアイドルが到着しましたら新曲もお届けいたします」
ピヨちゃーん!! ワーーーーーーー! 小鳥さーん!
どうやら会場のボルテージは最高潮になったようだ。
善永「えー、ここまではアイドル雑誌○○編集長の善永でした!」
ワーーーーーーーーーーーーーー!!!
善永「では『Infinight!』改め、『KOTORI-MATSURI!』を開演いたします!小鳥ちゃん!ファイトっ!」
ワーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
超満員の観客の居るステージへと今、小鳥が飛び出していく…
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あとがき
飛神宮子です。
2日連続で、投稿ネタを昇華させてみました。
よくグループを見ると分かるかと思いますが、全部私のSSでの第1期のグループです。
いやー、ボケ投稿ネタは昇華しやすいことしやすいこと。
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2008・06・23MON
飛神宮子
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