Where are you Dishing out Chocolate?(チョコはどこへ乗せる?)

小鳥「はあ…今日に限って日曜日だったとか…」
「どうしたんですか?小鳥さん」
ここは事務所。プロデューサーのデスクの上にはさっきまでいたアイドル達からの…
小鳥「その机の上にある物を見て言ってるんです」
「………そんなことを言われても受け取らないわけにも…」
そう、チョコレートのプレゼントが積まれているわけで。
小鳥「もう…私という人がいるのにぃ…」
「でも一番は小鳥さんですよ。俺だって他の子達から貰うのは心苦しいんですから」
小鳥「本当にアナタは優しいんだから」
「それで小鳥さんからは…って今日一番に貰っちゃいましたからね…」
小鳥「やったのは私でしたけど今思えば…うう…恥ずかしい」
この二人は昨日は一緒に小鳥の家で何やらしていたようで…
「でもあれは仕込みが大変だったんじゃないですか?」
小鳥「そうね、どうするかとやるかも含めて半月の試行錯誤が掛かったたわ」
「あの味は忘れられないですよ。まさに『小鳥味のチョコ』でしたし」
小鳥「お代わりが欲しいならまた今日も…用意しますけどぉ」
「ど、どうしようかな…。本当に言ったらまたやってくれるんですか?」
小鳥「それはアナタのためなら…お姉さんまた一肌脱いじゃうわ」
「あ、でもせっかくだから…………………、中身を見てからになりますけど」
小鳥「ええー…アナタがそんな人だったなんて…」
プロデューサーの提案に少しジト目になる小鳥。
「ダメ…ですか?」
小鳥「でも面白そうだからやりましょ。あ、それならせっかく明日はお休みを頂いてますからアナタも………………ね」
「はあ…まあこっちもダメ元で言いましたし…」
小鳥「きっと全部食べきれなくて一緒に食べることになるんだから、アナタにもやってもらわないと」
「確かに…それに昨日も割と最後は似たようなことになりましたからそれでいいですよ」
小鳥「それならそろそろ帰りましょ、必要なものも準備しなくちゃだし」
「そうですね。あとこれを処理したらこっちも終わりです」
小鳥「それなら先に着替えて待ってますね」
「分かりました。さっさと片付けちゃいますね」
 
「お待たせしました、それじゃあ今日も小鳥さんの家でいいですね」
小鳥「そうね、昨日と同じ準備も必要ですから」
バタンッ バタンッ
Pは小鳥を車に乗せて小鳥の自宅へと向かうために走らせ始めた。
「それにしても今日は風が強いですね」
小鳥「この風で電車も停まったらしいわ、これが春一番なのかしら」
「きっとそうですよ、日中も急激に気温が上がったって聞きましたし」
小鳥「また明日からは下がるとか言ってたわね、みんな大丈夫かしら」
「この時期は本当にアイドルのみんなの体調にも気を使わないとですね」
小鳥「インフルも流行ってるもの、私たちも気をつけなくちゃ」
「予防接種はしてあるとはいえ、罹らないとは限らないのはここ数年嫌というほど感じてますし」
小鳥「去年も一昨年も1人か2人は必ず誰か罹ってるから心配ね」
「現場もやっぱりその辺ピリピリしてますよ。誰か倒れられても困りますから」
小鳥「今日はみんな体調良さそうで良かったわ」
「そうですね。あ、どこ寄ります?」
小鳥「そうね、用意するのはスーパーで買える物ばかりだから近くのとこにしましょ」
「お酒はどうします?明日休みですけど」
小鳥「そうね…明日休みとは言っても今日は量が量なのよね…」
「それなら今日はやめにしときましょう。小鳥さんのスタイルを崩して欲しくはないですから」
小鳥「もう…」
「そういえばみんな中身はどんなチョコか聞いてません?俺も途中は現場とか出てて留守にしてましたし」
小鳥「雪歩ちゃんとかは置いていってすぐに逃げ帰ったりしてたから、中身を聞いてない子も多いわ」
「春香はいつもの通りケーキかなあ。毎年気合の入りが大きくなってるから、胃もたれが心配だなあ」
小鳥「春香ちゃんさらに腕上げてますからね。伊織ちゃんは箱からして高そうね」
「ああ、確かに…真と響と亜美は現場で貰ったんで中身聞いてますけど、亜美はまた今年もなあ…」
小鳥「今年もですか?」
「食べ物で遊ぶなとはあれほど毎年言ってるんですけどね」
小鳥「でも真美ちゃんに聞いた限りは普通な感じでしたよ」
「へ?もしかして亜美と真美、全く別々の中身…でしょうかね」
小鳥「あの子達のことだからどちらかがフェイクとかいうこともありそうだし…難しいわね」
「ま、それは帰って開けてからのお楽しみですか」
小鳥「それで真ちゃんと響ちゃんはどうなの?」
「真は市販品をちょっとアレンジしたとか聞きましたね。響は色んな味のちんすこうとか言ってましたよ」
小鳥「なるほど、やっぱり個性が出るのね」
「毎年楽しみではあるんですけど、食べるのもお返しもやっぱり辛いんですよね」
小鳥「それは事務所でただ一人の若い男性なんですし」
「明日からお返しの分また節約しないとなあ…」
小鳥「フフフ、それはちゃんと私もお手伝いしますから」
「そういえば明日ってどうして俺を休みにしたんですか?強制的に取らされたんですけど」
小鳥「もう…見てられなかったんです」
「えっ…?」
小鳥「毎年2月15日になると苦しいとか言って仕事にならないんだから」
「うっ…身に覚えがありすぎて否定できない…」
小鳥「だから今年から毎年強制ですからね。律子さんも了承済みなのよ」
「どうりで律子から渡される時に『きっちり返してもらう』って言われたわけか…」
小鳥「幸い明日は平日だから律子さんが回せるくらいしか来ないのも織り込み済みでね」
「本当にここまでやって貰えるなら、小鳥さん…いや小鳥にも今日もたっぷりお返ししますから」
小鳥「もう…アナタのエッチ…」
「小鳥を前にしたら誰でも我慢できないですよ」
小鳥「アナタの前でしか…見せないですから」
「信じてますよ。よし、ここ曲がってっと」
小鳥「あ、明日の朝ご飯は軽くでいいかしら?」
「何か買って行くんですか?そうですね、今日のが胃に残りそうですし」
小鳥「和にするにも洋にするにも卵が確か無かったはずだから買っていかないとでしょ」
「それとお酒はさっき買わないって言いましたし、今日は夕飯どうします?」
小鳥「それよね…アナタは食べる?」
「中身見てから判断したいところですけど、箱だけじゃ中身は分からないしなあ…」
小鳥「やっぱり夕ご飯も食べられるようにお惣菜だけ少し買いましょ」
「そうですね。あとは…胃薬って買い置きありますっけ」
小鳥「胃薬ね、食前のなら確か買い置きしてあったはずよ」
「亜美のだけじゃなくてこれだけあると普通に胃が心配ですよ…っと」
車はスーパーの駐車場へと入っていった。
「さて…っと小鳥、もしかして一つ聞いても?」
小鳥「どうしたの?何だかあらたまって」
「俺も小鳥みたいにやらなきゃダメ…ですよね?」
小鳥「…お腹くらいは最低限…ね」
「ああ…逆に一番きついかも…でも小鳥がそこまで言うなら仕方ないか」
小鳥「フフフ、楽しみねアナタ……」
その晩、また二人は色々とお楽しみだったようですよ…
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あとがき
どもっ、飛神宮子です。
2012年年末以来の小鳥単騎のSSになります。さすがにサボりすぎましたね。
小鳥単騎では2009年以来のバレンタインSSです。この頃はまだ唇程度でしたけど…。
二人が何をやっていたかですか?いかにもそうですけど、恋人同士ですからご想像にお任せします。
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2016・02・14SUN
飛神宮子
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