ここはある日の撮影用スタジオ… |
コンコン |
とある人の楽屋がノックされた。 |
真美 | 「愛ぴょーん!来たよーん」 |
愛 | 「あ、真美ちゃん?入っていいですよー」 |
ガチャッ |
真美 | 「おじゃまするねー」 |
愛 | 「いらっしゃーい、真美ちゃんも今日だったんだね」 |
真美 | 「うん。愛ぴょんも?」 |
愛 | 「はいっ。初めてじゃないですけど、やっぱりまだ緊張しちゃう」 |
真美 | 「そうかなあ?真美はそうでもないけどなー」 |
愛 | 「それは真美ちゃんたちはキャリアが長いからだよー」 |
真美 | 「あー、そうかもしんないね」 |
愛 | 「それで今日はどんな撮影なの?」 |
真美 | 「んーと、兄ちゃんが言うには宣材と雑誌グラビアと広告の写真だって」 |
愛 | 「広告ってどんな広告ですか?」 |
真美 | 「○○小学生新聞の広告塔に選ばれたんだー、それの広告用の写真だよ」 |
愛 | 「うわあ、凄いなあ…」 |
真美 | 「ところで愛ぴょんは何の撮影?」 |
愛 | 「あたしも雑誌のグラビアと宣材写真かな。そうですよね?まなみさん」 |
まなみ | 「そうなるわね。大丈夫?」 |
愛 | 「大丈夫ですってもう、心配しないでください」 |
まなみ | 「うーん、そう言われると心配なのよね。愛ちゃんは暴走し易いから」 |
愛 | 「もう、あたしだってそんな子供じゃないですよーだ」 |
まなみ | 「そういうところが子供だって…」 |
真美 | 「でも愛ぴょんも雑誌のグラビアなんだ」 |
愛 | 「うん。でもやっぱりこういう世界って大変だなあって」 |
真美 | 「ん?どして?」 |
愛 | 「季節を少し先取りしたのを着なくちゃでしょ?」 |
真美 | 「そだけど、慣れちゃえばどってことないよ」 |
愛 | 「そんな感じかあ…」 |
♪〜 |
と、真美のポケットに入っていた携帯電話が鳴り出した。 |
真美 | 「ちょっちごめんね」 |
Pi♪ |
真美 | 「ん?兄ちゃん、もうそろそろ時間?」 |
P | 『いや、まだ時間はあるんだけど今どこにいる?』 |
真美 | 「876の愛ぴょんの楽屋だよん。真美の楽屋3つ右の部屋だよ」 |
P | 『そうか…それなら都合が良いな。ちょっとお邪魔させて貰うか』 |
真美 | 「どして?」 |
P | 『話をすれば分かるさ。待っててな真美』 |
真美 | 「んー」 |
Pi♪ |
真美 | 「これから兄ちゃんがこっち来るって」 |
愛 | 「どうしてですか?」 |
真美 | 「よく分かんないけど、何か話があるみたい」 |
愛 | 「そうなんだ」 |
コンコン |
そこに部屋のドアをノックする音。 |
真美 | 「兄ちゃん?」 |
P | 「ああ。入っていいか?」 |
真美 | 「876プロのお姉ちゃん、真美のプロデューサーだけどいい?」 |
まなみ | 「…まだ時間は大丈夫ね、どうぞ真美さん」 |
真美 | 「兄ちゃん入ってきていいよー」 |
ガチャッ |
P | 「失礼します。こんにちは岡崎さん、日高さん」 |
まなみ | 「こんにちは、真美ちゃんのプロデューサーさん」 |
愛 | 「こんにちはー」 |
真美 | 「兄ちゃんどしたの?」 |
P | 「もしかして、そちらもまだ日高さんに話してはいないんですか?」 |
まなみ | 「はい…タイミングを逸しちゃいまして」 |
愛 | 「どうしたんですか?まなみさん」 |
P | 「真美、今日のグラビアは日高さんと一緒だぞ」 |
真美 | 「…ええっ!?ほんとなの?」 |
まなみ | 「そういうことなのよ。真美さんが来てなかったら言うつもりだったの」 |
愛 | 「もう、そういうことは来る前でも良かったじゃないですかー」 |
P | 「ま、そういうことだ真美。撮影内容はもう伝えてあるから分かるよな?」 |
真美 | 「うん。でも一緒かあ」 |
愛 | 「一緒なんだね」 |
真美 | 「…え?じゃあ愛ぴょんもあの格好すんの?」 |
愛 | 「え?え?」 |
P | 「そちらも用意されてますよね?」 |
まなみ | 「はい。ちゃんとこちらに用意しておきました」 |
P | 「じゃ、ちょっと着替えてくるか?」 |
真美 | 「もうそんな時間?」 |
P | 「メイクとかもあるからな。まずは衣装に着替えだな」 |
真美 | 「了解っ、じゃあ愛ぴょんまた後でねー」 |
愛 | 「はーい」 |
……… |
ここは真美のいる楽屋。 |
P | 「…いいのか?俺が居たままで」 |
真美 | 「別に兄ちゃん、真美で欲情するわけじゃないっしょ?」 |
P | 「いや、でも真美も女らしくなったぞ。だから少しだけそういうのはあるかもな」 |
真美 | 「そっかなあ?でもありがと。そう言ってくれて嬉しいな」 |
P | 「まあ真美がいいならここにいるさ。そっちはなるべく向かないようにする」 |
真美 | 「了解。この衣装でいいんだよね?」 |
P | 「ああ。午後前の最後で例のポスターの方も同じ衣装で撮影だからな」 |
真美 | 「ってことは、午後前の最後の服がアレなんだ」 |
P | 「そういうことだ。スケジュールを無理言って合わせてもらったんだよ」 |
真美 | 「大変だったんだねー」 |
P | 「真美の要望があったからな。こっちも何とか応えてやったさ」 |
真美 | 「ゴメンね兄ちゃん。急にあの日に休みが欲しいなんて言っちゃって」 |
P | 「いいんだよ。そこを何とかするのがプロデューサーの役目だろ?」 |
真美 | 「ありがと…」 |
真美は座っていたプロデューサーへと駆け寄り… |
チュッ |
そっと頬に口付けをした。 |
P | 「…どういたしまして、真美」 |
真美 | 「それで、兄ちゃんこのレオタードみたいなのでいいんだよね?」 |
P | 「ああ。あとはこれを付けてっと」 |
何やらついたカチューシャを真美の頭へと載せた。 |
P | 「あとはメイクさんに細かいところをチェックしてもらってな」 |
真美 | 「うんっ」 |
……… |
ここは撮影現場… |
愛 | 「ねえ真美ちゃん、真美ちゃんはこういう内容だって聞いてた?」 |
真美 | 「うん。最初のページはこうなるって兄ちゃんが言ってたもん」 |
そこには某シカっぽいキャラクターのような姿の二人が… |
愛 | 「そんなあ…恥ずかしいよー」 |
そんな愛の嘆きが撮影現場に響き渡っていたという… |