ここは10月の… |
P | 「10月ともなるといいくらいの気温になるもんだな」 |
響 | 「そうさ、この時期は季節外れの台風さえ来なければ気持ちよくていいぞー」 |
P | 「なるほどな」 |
響 | 「あ…プロデューサー、もういいのか?」 |
P | 「もうカメラは回しているからいつでも始めてくれよ」 |
響 | 「了解さー」 |
響は空港が後ろに映るように場所を移動した。 |
響 | 「プロデューサー、大丈夫か?」 |
P | 「大丈夫だぞ」 |
響 | 「はいさーい!!自分、我那覇響だぞ。今日は誕生日ちょっと前だけど旅行に来てるんさ」 |
響はカメラに向けて喋り始めた。 |
響 | 「自分がどこにいるか…画面の向こうのみんなは分かるかな?」 |
プロデューサーは空港の全景が入るように移動した。 |
響 | 「ほら、もう分かったでしょ?沖縄に久々に凱旋したぞー」 |
響の顔は一層の笑顔へと変わっていった。 |
響 | 「それじゃあ今日一緒に旅するパートナーを紹介するぞ」 |
真美 | 「え?もういいの?ひびきん」 |
響 | 「うん、いいぞ」 |
真美 | 「はーい、ひびきんと一緒に旅するのは双海真美だよん!」 |
響 | 「ってことで、自分と真美でこの沖縄ってことで…今回は特別にしてもらったさ」 |
真美 | 「さすがに遠すぎるから、本当は前日入りさせてもらったんだよー」 |
響 | 「だからここ来るのは2回目だぞ」 |
真美 | 「昨日はひびきんの家に泊まったんだー。気持ちよかったよー」 |
響 | 「そっか?そう言われると何か照れちゃうぞ」 |
真美 | 「それで今日はどうすんの?兄ちゃん」 |
P | 「特に決めてないから、ノープランだ。響が案内してくれれはいいよ」 |
響 | 「ええっ、そうなのか?急に言われても困るぞ」 |
P | 「え?昨日ちゃんとメールで連絡したぞ。さては見てなかったな?」 |
響 | 「ちょっと待って…」 |
携帯電話を確認した響。 |
響 | 「うへえ…ごめーんプロデューサー、見てなかったさ…」 |
P | 「そういうことだから、じゃあ頼むぞ」 |
響 | 「うー…分かった。じゃあ行こうか真美」 |
真美 | 「どこ行くの?」 |
響 | 「まずは腹ごしらえだなー、市場の上の食堂で何か食べよっかなって」 |
真美 | 「わーい、楽しみー!」 |
P | 「ちゃんと生放送に間に合うようにしてくれよな」 |
響 | 「プロデューサー、あと時間はどれくらいだ?」 |
P | 「そうだな、打ち合わせもあるから2時間ってところだろうな」 |
真美 | 「りょーかいっ、ひびきん行こっ」 |
響 | 「そうだな、真美」 |
……… |
その夜、ここは那覇市内にあるとあるホテル… |
真美 | 「んーっ!今日はいっぱい遊んだねー、ひびきん」 |
響 | 「でも真美まで響チャレンジに巻き込んじゃってゴメンな」 |
真美 | 「別にいいよー、だってどうせ番組中は暇してなきゃだったじゃん」 |
……… |
それは昼のこと… |
春香 | 『今日のチャレンジは何かな?響ちゃーん!』 |
響 | 「はいさーい!」 |
美希 | 『今日は確か沖縄からだよね?』 |
響 | 「そうだぞー、久し振りの沖縄ですっごく気持ちいいさー」 |
千早 | 『それで今日のチャレンジは…これ、一人でやるのかしら?』 |
春香 | 『え?どんなのなの?千早ちゃん』 |
美希 | 『今日のチャレンジは、番組放送中にサーターアンダギーを作って200人に売り歩く…だって』 |
春香 | 『いいなあ、本場のサーターアンダギー、私も食べてみたいなー』 |
響 | 「生地は用意してもらったからたぶんいけるさー。あ、そうだ…千早ー」 |
千早 | 『何かしら?我那覇さん』 |
響 | 「助っ人一人使ってもいいか?」 |
千早 | 『どうかしら…皆さんどうでしょう?』 |
生放送会場から大きな拍手。 |
千早 | 『大丈夫ね、構わないわ。そういえば今日我那覇さんと一緒に行ってるのは…』 |
真美 | 「こんにちはー!真美だよー!」 |
春香 | 『そっか、真美も一緒だったんだね』 |
響 | 「じゃあチャレンジ始めていいか?」 |
美希 | 『うん。それじゃあ今週の響チャレンジ、スタートっ!』 |
……… |
同じベッドの上、二人で並んで座っていた。 |
真美 | 「揚げ続けるの大変だったね」 |
響 | 「そうだなー、でもみんな喜んでくれて良かったさ」 |
真美 | 「だけど前に食べさせてもらったのより美味しかったなー」 |
響 | 「あー、きっと生地が違うからさ。自分じゃなかなか理想のができないんだ」 |
真美 | 「あれってひびきんのママが作ったの?」 |
響 | 「そうだぞ、あれが自分の家庭の味ってヤツさ」 |
真美 | 「昨日のご飯も美味しかったよ」 |
響 | 「真美にはうちの味付けとかどうだったんだ?」 |
真美 | 「ちょっと独特だったかなー、でも前に事務所でご馳走になったじゃん。あれと味は近かったなー」 |
響 | 「自分もまだまだだと思ってるさー」 |
真美 | 「でも沖縄っていいとこだね」 |
響 | 「そうだな、やっぱり温かい感じがするぞ」 |
真美 | 「東京に来てやっぱり寂しい?」 |
響 | 「そうだなー、動物はいっぱい飼ってるけど…沖縄と比べたらそうなるさ」 |
真美 | 「そっかー」 |
響 | 「でも765プロも沖縄に負けないくらい温かくていい場所だぞ」 |
真美 | 「………」 |
響 | 「ん?どうしたんだ?真…」 |
ぎゅうっ ぼふんっ |
真美は響の身体をベッドへと押し倒した。 |
真美 | 「ひびきんって案外小さいけどおっきいよね」 |
響 | 「へ?…ってうわあっ!?」 |
真美は響へと覆いかぶさった。 |
真美 | 「ひびきんの身体、締まってるけど柔らかいよー」 |
響 | 「真ー美ー…」 |
真美 | 「ねえねえ…どうして真美だったの?」 |
響 | 「え?」 |
真美 | 「ひびきんが真美を選ぶなんて…思ってなかったんだ」 |
響 | 「どうしてって…」 |
真美 | 「ひびきんのことだからきっと…やよいっちかまこちんだと思ってたんだ」 |
響 | 「やよいも真も競争率…高かったみたいだな」 |
真美 | 「ってことは真美は3番目だったんだ…」 |
響 | 「確かそうだったはずだぞ…でもな」 |
ぐるんっ |
真美 | 「うあっ!」 |
響は上手く身体を返した。 |
響 | 「真美と亜美で最後迷って貴音と相談したんだ。それで自分と貴音で分け合ったんだ」 |
真美 | 「そうだったんだ…」 |
響 | 「でも真美とで良かった気がするぞ」 |
真美 | 「どして?」 |
響 | 「何か真美のこと…ちょっとずつ…」 |
チュッ |
響は真美の唇へと口付けした。 |
響 | 「色々魅力が発見できて、好きになった気がするからな」 |
真美 | 「ひびきん…」 |
チュッ |
真美もお返しとばかりにキスを返した。 |
真美 | 「真美のこと…もっと発見する?」 |
響 | 「…いいのか?こんな自分がそうしても」 |
真美 | 「ひびきんなら…うん」 |
ぎゅうっ |
その抱擁は沖縄の温もりを発見する夜を始める合図となっていった… |
HAPPY BIRTHDAY!! Hibiki GANAHA.