Curiosity is a sign of youth.(好奇心は若い証拠)

ここはある日の876プロ事務所…
「おはようございまーす!」
「あ、おはよう愛ちゃん」
「おはようございます、涼さん。今日は早いんですねっ」
「うん。愛ちゃんも今日は早いね」
「はい。今日は衣装合わせがあるからつい早く出ちゃいました」
「え?衣装合わせって…愛ちゃんだけ?」
「???え?ライブの衣装合わせって…」
「……愛ちゃん、また?」
「涼さん、それで本当の日付って…」
「○○日だから来週だよ」
「あー!またやっちゃったあ…」
「また?」
「この前もそれで絵理さんに笑われちゃって…」
「絵理ちゃんが言ってたの、そのことだったんだ」
「あー、でも暇になっちゃったなー」
「あれ?今日はもしかしてそれだけ?」
「はい。むー、でも家に帰っても何もやること無いですし…」
「そっか…」
「そういえば涼さんは今日は何をしてるんですか?」
「僕?僕は…家にいてもやることないからレッスンでもしようかなって」
「それなら一緒にやろうかなあ」
「いいよ、愛ちゃんはどれくらいで準備できる?」
「何のレッスンですか?」
「ダンスと表現力だからジャージが必要だと思うよ」
「それならちょっと取ってきますね」
「よしっと、じゃあ僕も行く準備して来よっかな」
………
そしてレッスン場…と言っても実は765プロの物を借りているだけなのであるのだが…
「いつ来てもやっぱり設備がいいなあ…」
「そうですね。これも律子さんとやよいさんはじめとした皆さんが凄いからですよね」
「うん、律子姉ちゃんは尊敬に値するよ」
「でも涼さんだって今となっては人気のアイドルじゃないですか」
「そ、そっかな?」
「男性アイドルとして再デビューしたのに、全然人気が衰えなくって」
「あ…あれは約束だから」
「約束ですか?」
「うん。もしちゃんと女の子アイドルとして活躍できたら、男性アイドルとして再デビューさせてくれるって」
「へー」
「だから頑張ったよ…スカートとか恥ずかしかったけどね」
「あ…そっかあ。涼さんって男なのにスカート…たまにその………してませんでした?」
「うわあぁ、それは思い出させないでよ…」
「ああっごめんなさいっ。でも男の人がスカートってどうなんですか?」
「んー、女の人って思ってた以上に気を使ってるんだって感じさせられたよ」
「それでも涼さんって…」
さわさわさわさわ
「ひあっ!」
愛は涼の腕を撫ぜた。
「腕とかスベスベですよね」
「元々毛はそんなに濃くなかったのもあるけど、アイドルするようになって気を使うようになったからかな」
「え?でももう男性アイドルとして活動してるのに…」
「うーん、癖なのかな。こうしないと落ち着かなくって」
「もしかして脚の方も…」
「ええっ!?あ、愛ちゃん…」
「涼さん、ロッカーで見せてくださいっ」
「あ、愛ちゃんもっ!?」
「え?あたしもって…どういうことですか?」
「絵理ちゃんもそう言って僕の見たんだよ…」
「それならあたしもいいですよね?」
愛はもう見る気マンマンのようだ。
「…そんなに見たいの?」
「はいっ!」
「…愛ちゃん、交換条件を飲んでくれる?」
「交換条件ですか?」
「絵理ちゃんとの時も…その…見せてもらったんだ」
「…へ?」
「絵理ちゃんの…………」
「え?え?ど、どうしてですか!?」
「あの時はその、今度のライブの時の着替えでお互い恥ずかしくならないようにするためだよ」
「???」
「あれ?聞いてない?今度のライブ、3人とも一緒の控え室だって」
「???え?あたしは個別の部屋って聞いたんですけど…」
「ええっ!?」
「確かまなみさんにも社長にもそう言われた気がします」
「もしかして僕、騙されたのかな?」
「そうだと思います。だって、確かに言ってましたよ」
「うー…もしかして絵理ちゃんは単に僕の裸が見たかっただけとか…」
「え?裸を見せたんですかっ!?」
「う、うん…パンツ一枚までね…交換条件にだからその…さっき言ったけど…」
「それで絵理さんのをですか?」
「うん。何て言うか、綺麗だったな…」
「りょ、涼さんっ!」
「な、何だい?愛ちゃん」
「あたし、あんまり自信は無いですけど…それならあたしのも見てくださいっ」
「あ、愛ちゃんっ!?」
「似たような格好ならもう水着で見られてますし…その、涼さんならいいですよ」
「無理しなくたっていいんだよ」
「無理なんか言ってないです、こんな機会なんてなかなか無いですから」
「…いいんだね?」
「はい。あたしも涼さんのことがもっと知りたいですから」
「…分かったよ。じゃあロッカールーム行こうか」
「はいっ!」
………
ロッカールームでお互いを見せ終わって…
「ふー…何だかレッスンする前に疲れちゃったよ」
「アハハっ、でも良い物見せてもらいましたっ」
「でも愛ちゃんは…絵理ちゃんと違って可愛かったよ」
「えっ…あ、ありがとうございます…」
何だか少し顔を赤らめた愛。
「よしっ、じゃあ気合入れてレッスンしよっか」
「…はいっ!」
少し顔を赤らめたまま笑顔で答えた愛なのであった…
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あとがき
どもっ、飛神宮子です。
いや、すみません…実は個人使用PCが再起不能になりまして…。
実はこれ、本当は小鳥さんのSSの前に予定していたのですが、まあ仕方ないです。
前回の涼×絵理の事実上の延長戦。好奇心は若いから…ですよね。
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2011・09・20TUE
飛神宮子
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