Costume Pit In(衣装のピットイン)

小鳥「んー、どうしたい?律子さん」
律子「予算もそんなに掛けられないし…ねえ」
ここは律子と小鳥が居る事務室の中。
小鳥「まったく…社長も、毎月衣装を作ること無いっていうのに」
律子「でも新鮮さっていうのも必要なのよね…」
小鳥「来月の衣装を今からねえ…律子さんはいい案はあるかしら?」
律子「それが浮かばないから小鳥さんに一緒に考えてもらってるんですよ」
小鳥「そう…だったわね。それでプロデューサーさんは何と言ってたの?」
律子「え?あ、プロデューサーも悩んでたみたいで…」
小鳥「そうなの…むー…」
律子「毎月のほとんどを考えてたのは、プロデューサーと社長だったらしくて」
小鳥「思いつかなかったから律子さんに丸投げしてきたと」
律子「そういうことらしいけど、でもせっかくの機会だから考えてみるのもいいかなって」
小鳥「そうね、今月は何種類くらい作るつもりなのかしら?」
律子「えっと、CSとCFとCGが各1種類と、あと2つ出せですって」
小鳥「まあ基本的に前者は配色替えだからいいとして…後者よね」
律子「そうですね、誰にでも受け入れられるような衣装がいいけど…」
小鳥「なるほど、そうね…今までのはどんなのがありましたっけ?」
律子「あ、はい。ここにリストアップしてますからどうぞ」
小鳥「ありがとう…ってそうとう色々やってるのね」
律子「まったく、プロデューサーの考えることは分からないです」
小鳥「トレーニングウェアとか言って、アレなんてただの体操着だったじゃない」
律子「そうですよね…って、あの時やっぱり着てたんですか?」
小鳥「…あれから何回かで全部着たの…勿論プロデューサーさんの前で…」
律子「…社長の予算の使い方、間違ってるんじゃないかしら」
小鳥「でも、やっぱりいい素材なのね。腕の通りとか動き易さも良かったわよ」
律子「予算の範囲内でいい素材は使ってるらしいんで…ね」
小鳥「んー、でもどうしようかしら」
律子「難しいですね…一応過去に没になったアイディアは貰ってるんですけど」
小鳥「まずはそれから検討してみるのもいいかもしれないわね」
律子「そうですね、えっと…あった。これなんですけど…」
小鳥「これね…んーけっこう色々アイディアは出てたのね」
律子「プロデューサーもこんなの考えないで、もう少しスケジュールとかを考えて欲しいなあ」
小鳥「まあまあ律子さん。あ、このアイディア使えないかしら?」
律子「え?どれですか?」
小鳥「ほら、これこれ」
と、小鳥が指したのは…
律子「マ○オっぽいオーバーオール…ですか?」
小鳥「うん。マ○オっぽいはいいとして、オーバーオールは面白そうだと思わない?」
律子「んー、でもあれはけっこう身体の線がシビアに分かっちゃうし…」
小鳥「…そうね、特に胸の膨らみにどうしてもかかっちゃうし…」
律子「でも、予算的にはいいんですよねこれ。私もこの中ではいい方だなって思ってましたから」
小鳥「え?予算的って…」
律子「割と他の衣装と比べたら、素材の使いまわしができるからいいかなって思ってたんです」
小鳥「ああ、みんな同じ素材が使えるのね…なるほど」
律子「中のシャツで色を変えれば誰のか分かるから、同じのがあっても迷わないですし」
小鳥「そうね、シャツ自体はそんなに予算もかからないわね」
律子「フフフ、やよいとか亜美は似合いそうかな」
小鳥「そうね、可愛い元気な女の子って感じになりそうね」
律子「でも、他の人に似合うかなあ?」
小鳥「似合わないことはないと思うわよ。律子さんに緑のシャツにオーバーオール…」
律子「…小鳥さんの妄想力は凄いのよね…」
小鳥「うん、元気な曲なら大丈夫。いけるわ!」
律子「そ、そうですか?」
小鳥「そうよ、とりあえずこれは候補にしておきましょ」
律子「分かりました、これで一つ決まりっと」
小鳥「これで予算は少しは抑えられたかしら」
律子「まあだってねえ…あのメイド服や宇宙服の予算と比べたら…」
小鳥「先月とあの月、本当にギリギリになっちゃったのよね」
律子「その時ばかりは本当に社長に怒りましたから」
小鳥「そうよね…あ、学生服…応援団でもやらせるつもりなのかしら?」
律子「んー、こっちはスーツに女性警察官なんて…どれだけコスプレさせるのよ」
小鳥「あとバスガイドとかキャビンアテンダント…本当にプロデューサーさんって…」
小鳥・律子「「エッチ(です)ね」」
律子「やっぱり小鳥さんもそう思いますか?」
小鳥「律子さんだってそう思うのね」
律子「これだけ見たら当たり前じゃないですか、まるでそっち系のビデオから選んでるようにしか…」
小鳥「そうよね、忍者服とか巫女服とか…」
律子「白衣とか警察官とか…うがーっ!」
小鳥「り、律子さん落ち着いて落ち着いて!」
律子「だ、だって…酷すぎじゃないですかこんなの!」
小鳥「確かにそうだけど…こういうのは気にしたら負けよ」
律子「…はあ…はあ…すみません、つい取り乱してしまって…」
小鳥「…そうだ…向こうがそう来るなら女将みたいな着物はどうかしら?」
律子「でもそれだとダンスができなくなっちゃいますよ」
小鳥「そっか…難しいわね…そこも考慮しなくちゃなのよね」
律子「だからやっぱり袴くらいがどうしても限界になるかなあ…脚が拡がらないと困るダンスもあるし」
小鳥「あ、だったら…コレ、どうかしら?」
律子「ああっ!それは考えてませんでした!さすがは小鳥さん」
小鳥「でも、宇宙服と若干イメージが被らないかしら?」
律子「大丈夫ですよ、それらしくすれば…このアイディア、いけます!」
小鳥「…そうね、スポンサーを集めれば、さらにそれらしくなりそうね」
律子「そこまで…やってみますか?」
小鳥「面白そうじゃない?予算もそれで浮くかもしれないわよ」
律子「なるほど…ありがとうございます、この2案、とりあえず通してみます」
………
そして製作した衣装が到着した日…
律子「…面白い出来になりましたね、11組11様の」
「募集したらけっこう集まってな、断る方が大変だったくらいだからな」
律子「でもみんな個性が出てますね、雪歩はお茶関係で、千早は音楽関係でほとんどね」
「あずささんは下着メーカー、春香はお菓子関係、真はスポーツ用品関係が乗ってくれたよ」
律子「やよいは…なるほど、食べ物の括りなのね。亜美真美はおもちゃ関係で美希は寝具なのかしら」
「伊織はブランドメーカー、律子のは学習関係で、小鳥さんのも結局作ったのね…事務用品か、納得」
律子「本当にこれは…やってみるものですね」
「まあな、それらしく業者の方がうまくやってくれたよ」
律子「それに通気性の良い素材も使ってくれたみたいで、動きやすさも他の衣装と変わらなくていいですね」
「そこのところだけは何度も相談したからな。これらしく見せた上に、それはなかなか大変だったぞ」
律子「ありがとうございます」
「でもどうしてこんな『レーシングスーツ』なんかを思いついたんだ?」
律子「プロデューサーがエッチだからです!」
「ど、どういうことだ?」
律子「あまりにもそういうのが没リストに多すぎて、逆の発想してたらそうなっただけです」
「…納得した。そういうことか…」
律子「これからはもっとまともなのを頼みます。今までのスクール水着とかけっこうアレだったんですから」
「善処するよ、たぶん」
律子「たぶんじゃなくて、善処してください!」
「分かってる…巫女くらいで抑えるから」
律子「…もういいです、諦めました。あ、それでこの衣装はどうすればいいのかしら?」
「そうだな、ちょっと春香を呼んできてくれ。衣装の見本写真を撮らないとだから」
律子「あ、外部発表用の写真も撮っちゃうの?」
「そのつもり。いつも発表用は春香の写真だから統一しないとだからな」
律子「春香も難儀ね…分かった、今こっちに連れてくるわ」
「頼んだよ、律子」
そのままプロデューサーは撮影の準備へと入っていた…
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あとがき
飛神宮子です。
投稿ネタの昇華もこれで3日目。まったく、楽しいこと楽しいこと。
ちなみに投稿ネタ…どんなDLCが欲しいかということでここに希望をぶち込みました。
いやー、1つ目(投稿した方)は簡単に思いつきましたが2つ目が全然思いつかないこと。
まあ、自らエロいのを除外したせいですが(苦笑)
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2008・06・24TUE
飛神宮子
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