ここは夏の夕方の海、水着に着替えたあずさと律子がそこには居た。 |
律子 | 「プロデューサー、どうして私とあずささんの写真集なのかしら?」 |
P | 「ちょっと思うところがあってな、律子」 |
あずさ | 「ウフフ、律子さんとの撮影…楽しみです」 |
律子 | 「何だかなあ…うちの事務所でのバストトップ2でしょ?うちらって」 |
あずさ | 「そうですね、私たちそれで選ばれたんでしょうか〜?」 |
律子 | 「でもその割にプロデューサーが真面目なんですよねえ…」 |
あずさ | 「そういえばそうですねー」 |
律子 | 「うーん、何か裏がありそうなそうでもないような…」 |
P | 「何だ?律子。悩んでるみたいだな」 |
律子 | 「私たちユニットとして組んだことも無いのに、どうして選ばれたのかが分からなくて」 |
P | 「ああ、そのことか」 |
あずさ | 「プロデューサーさん、どうしてなんでしょう?」 |
P | 「本当は言いたくは無かったけど、これは写真集のタイトルにも関わってるから」 |
律子 | 「そうなの?あ、そういえばタイトルすら聞いてなかったなあ…」 |
P | 「じゃあヒント、確かにバストサイズは関係してる。あと夕暮れ以降の写真を多く使うのも理由の一つ」 |
律子 | 「…なるほど、そういうことですか」 |
あずさ | 「律子さん、どういうことですか?」 |
律子 | 「これはプロデューサーが考えた案ですか?」 |
P | 「ああ、一応大元は俺だ」 |
律子 | 「…今回ばかりは尊敬させてもらいます」 |
あずさ | 「ええーどういうことなんですかー?」 |
律子 | 「あずささんには後で私から教えます。プロデューサー、まずは?」 |
P | 「あ、ああ。二人の心の準備次第で始めようかは思ってたんだが…いいか?」 |
あずさ | 「私はいいですけど、律子さんはどうかしら?」 |
律子 | 「私も納得したんでいいですよ」 |
P | 「それじゃあ3日間よろしくな」 |
律子・あずさ | 「はいっ」 「はい〜」 |
律子 | 「でも、人関係が多いでしょ?それはどうするの?プロデューサー」 |
P | 「それは考えてるから大丈夫だ」 |
律子 | 「あと、水着である必要が無いのもある気がするけど…」 |
P | 「撮影は水着だけじゃないぞ、水着だけじゃ枚数稼げないしな。制服とかも一応な」 |
律子 | 「それならいいけど…」 |
あずさ | 「え?水着だけじゃないんですかあ?」 |
P | 「もちろんです、夏らしく浴衣とか色々とありますよ」 |
律子 | 「まあしょうがない、やりますか」 |
あずさ | 「まずはどんな写真ですか?」 |
P | 「まずは水関係の生物との写真を何枚か…だったな」 |
律子 | 「分かりました。それじゃああずささん、ちょっと暑いですし泳いで待ってましょう」 |
あずさ | 「はいー。んー久しぶりの海、楽しみです」 |
律子 | 「プロデューサーは準備とか頼みます」 |
P | 「おう、準備できたら指示出すからな」 |
……… |
あずさ | 「そういえば律子さん、どうして私たちの写真集なんですか?」 |
律子 | 「あ、それは………………ってことだと思います」 |
あずさ | 「なるほど…何だか幻想的でいいですね」 |
律子 | 「私は単なる理由付けだと思うんですけどねえ」 |
あずさ | 「そうかしら?でも素敵じゃないですか」 |
律子 | 「うーん、まあ理由付けにしては良い方だと思いますけど…」 |
あずさ | 「そういえば…次にやるみたいな、この瓶って何なのかしら?」 |
律子 | 「それはたぶん……プロデューサーっ!」 |
P | 「な、何だ?律子」 |
律子 | 「いくらなんでもこれだけは無理です!」 |
P | 「…文句は昔の人に言ってくれよ、これは俺も悩んだんだからな」 |
律子 | 「でも…あ、じゃあ………するのはどうなんですか?」 |
P | 「…でもそれで伝わるかな?」 |
律子 | 「いくら何でもこれに私たちを関わらせたいですか?プロデューサーは」 |
P | 「そうだな、ここは律子の案を通そう。さすがにそれは考え付かなかった」 |
律子 | 「ふう…何とかなって良かった…っと」 |
あずさ | 「どうしたのでしょうか?律子さん、そんな血相を変えててびっくりです」 |
律子 | 「これだけは私たちは無理です、ああもうっ…虫とどうやって関われって…」 |
あずさ | 「む…虫ですかっ!?」 |
律子 | 「そうですよ、それもどう考えても害虫でしかない虫ですよ。昔の人が88の中に入れちゃったから…」 |
あずさ | 「ヘビの他にそんなのも居るんですかあ…もう…」 |
律子 | 「確かに、もうちょっといいの考えられなかったのかしら」 |
あずさ | 「でもありがとうございました、律子さん。これ以上そういうのが来たら私、たぶん卒倒してました」 |
律子 | 「私だってここで撮影班をどうかしてたかと…プロデューサー、じゃあ次は何になるの?」 |
P | 「ああ、そうか。これが無くなったから次は…」 |
……… |
P | 「最後は思いっきりくっ付いた感じの写真でお願いな」 |
律子 | 「え?え、えーっ…」 |
P | 「何だ?律子、ダメか?」 |
律子 | 「プロデューサー、そんな写真撮るの?」 |
あずさ | 「あら、いいじゃないですか」 |
P | 「最後に残ったのがこれなんだからしょうがないだろ?」 |
律子 | 「ですけどお…私とあずささんじゃ全然似てませんよ」 |
P | 「まあそこは気にしないでくれよ、それを前提にしてるわけじゃないんだから」 |
あずさ | 「それでどんな感じにすればいいんですか?」 |
P | 「えーっと、双子っぽく仲がいい感じであれば」 |
律子 | 「じゃあくっつく必然性なんか無いじゃない」 |
あずさ | 「でも、仲がいいのを表現するならいいんじゃないかしら」 |
律子 | 「まあ…うーん…」 |
P | 「ほら、これで最後なんだからさ」 |
あずさ | 「ほらほら律子さん、最後くらい…ね」 |
律子 | 「そこまであずささんが言うなら…たまにはこういうのもいいわね」 |
ぎゅうっ |
二人の身体は双子のように仲良く密着した。 |
パシャッ パシャッパシャッ |
P | 「…はい、OKだって。二人とも3日間お疲れさま」 |
あずさ | 「ふう…おつかれさまでした、プロデューサーさん」 |
律子 | 「おつかれさま、プロデューサー」 |
P | 「いい写真ばかりでこれからまた悩むことになりそうだな」 |
あずさ | 「いい写真集に仕上げてくださいー」 |
律子 | 「そうですよ、ところでこの写真集はいつ出るの?」 |
P | 「ああ、えっと7月の22日だな。海の日の翌日になる予定だ」 |
あずさ | 「イベントはあるんですか?」 |
P | 「えっと、23日と24日ですね。律子は学校大丈夫か?」 |
律子 | 「大丈夫、その日ならもう夏休み入ってるから」 |
P | 「よし、じゃあきっちり仕上げるからな」 |
そして出来た写真集、そのタイトルは… |
『The 88 Modern Constellations〜八十八の繋がり〜』 |