The 88 Modern Constellations(八十八の繋がり)

ここは夏の夕方の海、水着に着替えたあずさと律子がそこには居た。
律子「プロデューサー、どうして私とあずささんの写真集なのかしら?」
「ちょっと思うところがあってな、律子」
あずさ「ウフフ、律子さんとの撮影…楽しみです」
律子「何だかなあ…うちの事務所でのバストトップ2でしょ?うちらって」
あずさ「そうですね、私たちそれで選ばれたんでしょうか~?」
律子「でもその割にプロデューサーが真面目なんですよねえ…」
あずさ「そういえばそうですねー」
律子「うーん、何か裏がありそうなそうでもないような…」
「何だ?律子。悩んでるみたいだな」
律子「私たちユニットとして組んだことも無いのに、どうして選ばれたのかが分からなくて」
「ああ、そのことか」
あずさ「プロデューサーさん、どうしてなんでしょう?」
「本当は言いたくは無かったけど、これは写真集のタイトルにも関わってるから」
律子「そうなの?あ、そういえばタイトルすら聞いてなかったなあ…」
「じゃあヒント、確かにバストサイズは関係してる。あと夕暮れ以降の写真を多く使うのも理由の一つ」
律子「…なるほど、そういうことですか」
あずさ「律子さん、どういうことですか?」
律子「これはプロデューサーが考えた案ですか?」
「ああ、一応大元は俺だ」
律子「…今回ばかりは尊敬させてもらいます」
あずさ「ええーどういうことなんですかー?」
律子「あずささんには後で私から教えます。プロデューサー、まずは?」
「あ、ああ。二人の心の準備次第で始めようかは思ってたんだが…いいか?」
あずさ「私はいいですけど、律子さんはどうかしら?」
律子「私も納得したんでいいですよ」
「それじゃあ3日間よろしくな」
律子・あずさ「はいっ」 「はい~」
律子「でも、人関係が多いでしょ?それはどうするの?プロデューサー」
「それは考えてるから大丈夫だ」
律子「あと、水着である必要が無いのもある気がするけど…」
「撮影は水着だけじゃないぞ、水着だけじゃ枚数稼げないしな。制服とかも一応な」
律子「それならいいけど…」
あずさ「え?水着だけじゃないんですかあ?」
「もちろんです、夏らしく浴衣とか色々とありますよ」
律子「まあしょうがない、やりますか」
あずさ「まずはどんな写真ですか?」
「まずは水関係の生物との写真を何枚か…だったな」
律子「分かりました。それじゃああずささん、ちょっと暑いですし泳いで待ってましょう」
あずさ「はいー。んー久しぶりの海、楽しみです」
律子「プロデューサーは準備とか頼みます」
「おう、準備できたら指示出すからな」
………
あずさ「そういえば律子さん、どうして私たちの写真集なんですか?」
律子「あ、それは………………ってことだと思います」
あずさ「なるほど…何だか幻想的でいいですね」
律子「私は単なる理由付けだと思うんですけどねえ」
あずさ「そうかしら?でも素敵じゃないですか」
律子「うーん、まあ理由付けにしては良い方だと思いますけど…」
あずさ「そういえば…次にやるみたいな、この瓶って何なのかしら?」
律子「それはたぶん……プロデューサーっ!」
「な、何だ?律子」
律子「いくらなんでもこれだけは無理です!」
「…文句は昔の人に言ってくれよ、これは俺も悩んだんだからな」
律子「でも…あ、じゃあ………するのはどうなんですか?」
「…でもそれで伝わるかな?」
律子「いくら何でもこれに私たちを関わらせたいですか?プロデューサーは」
「そうだな、ここは律子の案を通そう。さすがにそれは考え付かなかった」
律子「ふう…何とかなって良かった…っと」
あずさ「どうしたのでしょうか?律子さん、そんな血相を変えててびっくりです」
律子「これだけは私たちは無理です、ああもうっ…虫とどうやって関われって…」
あずさ「む…虫ですかっ!?」
律子「そうですよ、それもどう考えても害虫でしかない虫ですよ。昔の人が88の中に入れちゃったから…」
あずさ「ヘビの他にそんなのも居るんですかあ…もう…」
律子「確かに、もうちょっといいの考えられなかったのかしら」
あずさ「でもありがとうございました、律子さん。これ以上そういうのが来たら私、たぶん卒倒してました」
律子「私だってここで撮影班をどうかしてたかと…プロデューサー、じゃあ次は何になるの?」
「ああ、そうか。これが無くなったから次は…」
………
「最後は思いっきりくっ付いた感じの写真でお願いな」
律子「え?え、えーっ…」
「何だ?律子、ダメか?」
律子「プロデューサー、そんな写真撮るの?」
あずさ「あら、いいじゃないですか」
「最後に残ったのがこれなんだからしょうがないだろ?」
律子「ですけどお…私とあずささんじゃ全然似てませんよ」
「まあそこは気にしないでくれよ、それを前提にしてるわけじゃないんだから」
あずさ「それでどんな感じにすればいいんですか?」
「えーっと、双子っぽく仲がいい感じであれば」
律子「じゃあくっつく必然性なんか無いじゃない」
あずさ「でも、仲がいいのを表現するならいいんじゃないかしら」
律子「まあ…うーん…」
「ほら、これで最後なんだからさ」
あずさ「ほらほら律子さん、最後くらい…ね」
律子「そこまであずささんが言うなら…たまにはこういうのもいいわね」
ぎゅうっ
二人の身体は双子のように仲良く密着した。
パシャッ パシャッパシャッ
「…はい、OKだって。二人とも3日間お疲れさま」
あずさ「ふう…おつかれさまでした、プロデューサーさん」
律子「おつかれさま、プロデューサー」
「いい写真ばかりでこれからまた悩むことになりそうだな」
あずさ「いい写真集に仕上げてくださいー」
律子「そうですよ、ところでこの写真集はいつ出るの?」
「ああ、えっと7月の22日だな。海の日の翌日になる予定だ」
あずさ「イベントはあるんですか?」
「えっと、23日と24日ですね。律子は学校大丈夫か?」
律子「大丈夫、その日ならもう夏休み入ってるから」
「よし、じゃあきっちり仕上げるからな」
そして出来た写真集、そのタイトルは…
『The 88 Modern Constellations~八十八の繋がり~』
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あとがき
飛神宮子です。
こちらは投稿ネタ昇華のSSです。
ちなみにあずささんが91、律子が85なのでちょうど中間がこの数字なのです。
それにしても、な~つで~すね~(CV:チョー)
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2008・07・21NAT/MON
飛神宮子
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