とある晩秋の朝のこと… |
やよい | 「あずささーん、あずささーん」 |
ゆさゆさ ゆさゆさ |
ベッドで眠っているあずさの身体を揺らしている一人の少女。 |
あずさ | 「ふわぁ…あらあら、やよいちゃん朝早いのねえ…」 |
やよい | 「おはようございます、あずささん」 |
あずさ | 「おはよう、もう朝ご飯なのかしら?」 |
やよい | 「はいっ、もうあと15分くらいですよー」 |
あずさ | 「そうね…それじゃあ起きるわね〜」 |
やよい | 「今日も一緒にがんばりましょー!」 |
さてさて、どうしてこの二人が一緒のホテルに居るかといえば… |
……… |
あずさ | 「スパリゾートのリポートですかあ、プロデューサーさん」 |
P | 「はい。あずささんにぜひって向こうも言ってくれまして」 |
あずさ | 「いいですね〜、この時期なら気持ち良さそうです〜」 |
P | 「それでなんですが…一ついいでしょうか?」 |
あずさ | 「はい、なんでしょう?」 |
P | 「もう1人中学生以下の人が、同行していいということでして」 |
あずさ | 「もう1人ですね…うーん、誰にしましょう?」 |
P | 「その日程で空いているのは、やよいと美希ですけど…」 |
あずさ | 「それなら、そうですねえ…やよいちゃんちゃんがいいかしら」 |
P | 「分かりました。ちょっと頼んでみますね」 |
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やよい | 「ええーっ!わ、私ですかっ!?」 |
P | 「そうだけど…ダメか?」 |
やよい | 「私でいいんですか?」 |
P | 「ああ、あずささんがやよいが良いって言ってくれたんだ」 |
やよい | 「それなら…はいっ、分かりました」 |
P | 「ありがとうやよい。それじゃあちょっと来てくれる?」 |
やよい | 「はいっ」 |
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P | 「それでなんですが、行くのは再来週の金・土・日になります」 |
あずさ | 「あら?やよいちゃんは学校じゃないんですか?」 |
P | 「はい。それでなんだが…やよい、一つお願いしていいか?」 |
やよい | 「何ですか?プロデューサー」 |
P | 「本当に悪いんだけど、今週末の土日で準備して持ってきて欲しいんだ」 |
やよい | 「準備って、何を持ってくればいいんですか?」 |
P | 「それは今から説明するから、ちょっと待ってな」 |
やよい | 「はいっ」 |
P | 「それでやよいは、金曜日に学校が終わる時間に俺が直接迎えに行くから」 |
やよい | 「ええっ!?いいんですか?」 |
P | 「親にちゃんと了承は貰っておくからさ」 |
あずさ | 「プロデューサーさんの車で取材先に向かうんですかあ?」 |
P | 「あ、いえ。事務所で取材班と合流なんで」 |
あずさ | 「分かりましたあ。じゃあ私は事務所で待っていればいいんですね〜?」 |
P | 「そういうことになります…ね。そしてその取材班の車で現地へ向かいます。で、その日は宿泊してメインの取材は土曜と日曜午前になります」 |
やよい | 「プロデューサー、小田原ってどこなんですか?」 |
P | 「小田原は神奈川県だな。東京からだと一つ南の県だぞ」 |
やよい | 「遠くに行くんですかー、今からワクワクしてきました」 |
P | 「まあとりあえず詳しいことは近くになったら話すからな」 |
やよい・あずさ | 「分かりましたー」 「分かりました〜」 |
……… |
コンコン |
P | 「やよいー、あずささーん、起きましたかー?」 |
カチャッ |
借りてあるルームキーを使ってそのまま中へと入るプロデューサー、そしてその先には… |
P | 「あずささん、やよ…いっ!?」 |
あずさ・やよい | 「キャー!プロデューサーさんっ!」 「プ、プロデューサーっ!?」 |
そこにはお約束のごとく着替え途中の二人が居たわけで。 |
P | 「ご、ごめんっ!」 |
ガチャンっ |
P | 「(二人ともイメージ通…いや、何を考えてるんだ俺!)」 |
そのままいそいそと外へと出たプロデューサーであった。 |
あずさ | 「プロデューサーさん、あと五分待ってもらえますか〜?」 |
P | 「は、はいっ(五分で収まればいいんだけど…)」 |
やよい | 「プロデューサー、もう朝ご飯ですか?」 |
P | 「ああ。今日は朝からだから、やよいもあずささんも頼みますよ」 |
やよい・あずさ | 「「は〜い」」 |
あずさ | 「あ、やよいちゃん。ほら、髪型おかしいわよ」 |
やよい | 「ほんとですー、ありがとうございます」 |
あずさ | 「ちょっと待って…ん、これでいいわ〜」 |
やよい | 「はいっ。あ…あずささん、ブラジャーに引っかかってますよ」 |
あずさ | 「えっ?あ、やよいちゃん直してくれるかしら?」 |
やよい | 「…っと、はい!これで大丈夫です」 |
P | 「(二人して何だか…うん、でもこの二人でもいいかも…)」 |
あずさ | 「プロデューサーさん、もういいですよ〜」 |
P | 「あ、はい。じゃあ入りますね」 |
ガチャっ |
P | 「おはようございます、やよい、あずささん」 |
やよい・あずさ | 「おはようございますっ!」 「おはようございます〜」 |
P | 「とりあえず今日のことは朝食の時にお話します」 |
あずさ・やよい | 「分かりました〜」 「はいっ」 |
……… |
撮影も無事に終わり、帰りの車の中で… |
やよい | 「こんな高級な所に来たの、初めてだったです。本当にありがとうございましたっ」 |
あずさ | 「結婚式はこういうところでやってみたいわね〜」 |
P | 「本当にいいところだったなあ…俺ももう一度来てみたいですよ」 |
あずさ | 「でも何て言うのかしら、今日はやよいちゃんの元気さに引っ張られちゃいました〜」 |
やよい | 「私も、あずささんの雰囲気にとても癒されちゃいました」 |
P | 「うん。二人とも本当に良かったよ、まるで前からデュオだったみたいに息もぴったりで」 |
あずさ | 「デュオですか〜…やよいちゃんとならやってもいいかも〜」 |
やよい | 「あずささんとですか?はいっ!」 |
P | 「(これはいい感じにできそう…いや、きっとやれるな)」 |
あずさ | 「プロデューサーさん、ダメですか〜?」 |
やよい | 「プロデューサー、お願いしますっ」 |
P | 「分かった。ちょっと社長に頼んでみるよ」 |
あずさ | 「やよいちゃん、これからも…ねっ」 |
チュッ |
あずさはやよいの頬にそっと口付けた。 |
P | 「あ、あずささん!他のスタッフも居るんですから…って寝てるのか、良かった…」 |
あずさ | 「あら〜いいじゃないですか〜、愛情表現ですよ〜」 |
やよい | 「あずささん…ありがとうございますっ」 |
チュッ |
やよいもあずさの頬へとそっと口付けた。 |
あずさ | 「あら〜やよいちゃん、ありがとう」 |
P | 「やよいまで…まあいいか…」 |
プロデューサーは苦笑のような笑顔で今後のことについて考え始めていた… |