千早とあずさ、この日はどうやら夏の番組の収録のようである… |
スタッフ | 『おつかれさまでしたー、二人とも明日もよろしくお願いしまーす』 |
あずさ | 「ありがとうございました〜」 |
千早 | 「明日もよろしくお願いします」 |
あずさ | 「ふう…緊張したわね、千早ちゃん」 |
千早 | 「確かに、こういうスタッフが多い現場は緊張します」 |
P | 「二人ともお疲れさま、はい飲み物」 |
あずさ | 「ありがとうございます〜」 |
千早 | 「ありがとうございます、プロデューサー」 |
P | 「今日はこのまま近くのホテル泊まりだから」 |
あずさ | 「プロデューサーさん、この衣装の浴衣はどうすればいいんでしょう?」 |
P | 「ああ、そうだった。スポンサーからの意向で頂いて良いそうです」 |
千早 | 「こんなに良い素材の物をですか?」 |
P | 「ああ、ただ一回この衣装で歌番組に出てくれないかだそうだけど」 |
あずさ | 「なるほど〜」 |
千早 | 「それならば、今度の曲ならダンスも少ないので構わないのでは?」 |
P | 「よし、オッケーだな。それじゃあこのまま直行するので、二人とも先に車に乗ってて」 |
千早 あずさ | 「はい」 「は〜い」 |
P | 「俺はちょっと挨拶してくるから、ゆっくりしてて」 |
千早 | 「どれくらいで戻って来ます?」 |
P | 「そうだな、10分くらいみてくれ」 |
……… |
ホテルに着いて… |
P | 「千早とあずささんはこの535号室です」 |
千早 | 「二人部屋ですか?」 |
P | 「ああ、俺は斜め向かいの一人部屋の536号室に居るから、何かあったら呼んでくれ」 |
あずさ | 「プロデューサーさん、夕食とかはどうなってます?」 |
P | 「ルームサービスでお願いできますか?出歩かれると何があるか分かりませんから」 |
あずさ | 「はい〜」 |
千早 | 「明日のことについてはどうなってるんですか?」 |
P | 「あ、そうだな。まあそれは部屋で落ち着いてからでいいんじゃないか?」 |
あずさ | 「確かに、ちょっと疲れちゃいました」 |
P | 「まずはさ、疲れを取っちゃってください」 |
千早 | 「分かりました、あずささん部屋に入りましょう」 |
あずさ | 「はい〜」 |
カチャカチャ ガチャン |
千早が部屋の鍵を開け、二人は部屋へと入って行った… |
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あずさ | 「ふ〜…今日は疲れたわね、千早ちゃん」 |
千早 | 「そうですね、あずささんおつかれさまでした」 |
あずさ | 「私の浴衣姿、似合ってたかしら?」 |
千早 | 「とても似合ってました、本当に羨ましいくらい」 |
あずさ | 「え?何がかしら?」 |
千早 | 「………その…」 |
あずさ | 「うーん、私は千早ちゃんみたいなスレンダーな人の方が浴衣は似合うと思うわ」 |
千早 | 「そんなこと…気にしてるんですから」 |
あずさ | 「でも、それこそが千早ちゃんじゃないかしら」 |
千早 | 「そうでしょうか?」 |
あずさ | 「私はそう思うわよ」 |
スカッ |
あずさ | 「あらあら、空振りしてしまいましたねぇ」 |
千早 | 「あずささんの感覚で、触ろうとしないでください!」 |
あずさ | 「でも、千早ちゃん」 |
ポンっ |
あらためて千早の胸に手を置くあずさ。 |
あずさ | 「私はこの千早ちゃんの胸板が大好きなの」 |
千早 | 「…えっ?」 |
あずさ | 「んー、えいっ」 |
ボフンッ |
千早の身体があずさの力でベッドへと押し倒される。 |
千早 | 「え?あ、あずささん何を!?」 |
ポフッ |
千早の顔の方へ自らの顔を向けるように、千早の胸に片耳を付けてあずさは横になった。 |
トクン…トクン… |
あずさ | 「こうすると…直に千早ちゃんの鼓動が聞けるわね」 |
千早 | 「…そんな…」 |
あずさ | 「こうやって聴いてると…千早ちゃんのリズムが感じられて…」 |
千早 | 「………」 |
あずさ | 「このリズムが、私にとっては気持ち良くて…シンクロさせたいって思うの…」 |
トクントクントクン… |
徐々にではあるが速くなっていく千早の鼓動。 |
あずさ | 「千早ちゃん、千早ちゃんは私のことをどう思ってるかしら?」 |
千早 | 「えっ…?」 |
あずさ | 「そうねぇ…私のことは好き?」 |
千早 | 「…どういう意味でですか?」 |
あずさ | 「ん〜、千早ちゃんの好きに捉えていいわよ」 |
千早 | 「えっと、あずささんのことは…好きです。一人の女性として…」 |
あずさ | 「…良かったわ。私、嫌われては無いのね」 |
千早 | 「そんなこと、あるわけないじゃないですか!」 |
あずさ | 「でも心配なの、私なんかとデュオを組んで千早ちゃんは迷惑なんじゃないかって」 |
千早 | 「それは絶対ありません、だって…」 |
ぎゅっ |
胸の上で寝ていたあずさの顔を腕で包み込む千早。 |
千早 | 「私がここまで成長できたのは…あずささんのおかげですから」 |
あずさ | 「千早ちゃん…」 |
そこに… |
コンコン |
P | 『千早ー、あずささーん、明日のことで話があるのですがー』 |
あずさ | 「えっ!?プ、プロデューサーさんっ!?」 |
千早 | 「は、はい!ちょっと待ってください、プロデューサー。今鍵を開けます」 |
あずさ | 「千早ちゃん、腕を離してもらえるかしら?」 |
千早 | 「え?あ、はい!」 |
あずさはようやく千早の腕から開放された。 |
あずさ | 「ふう…それじゃあ私が開けてくるわね」 |
千早 | 「お願いします」 |
すとととと ガチャンっ |
あずさ | 「プロデューサーさん、どうぞ〜」 |
P | 「おじゃまします…あれ?どうしたんです?二人とも顔が紅くて、まさか風邪でもひ…」 |
千早 | 「大丈夫です!それで明日のことって何ですか?プロデューサー」 |
P | 「大丈夫ならいいけどさ………」 |
二人の仲がそれからどうなったかって?さて、どうでしょうね? |