ここは7月の… |
あずさ | 「こんにちは〜、三浦あずさです〜」 |
プロデューサーが持っているカメラに向かって喋り始めたあずさ。 |
あずさ | 「私の誕生日のちょっと前ですが、旅行に来ています」 |
夏前だというのに割と涼しげな顔をしているあずさ。 |
あずさ | 「ここがどこだか、皆さん分かりますか?」 |
あずさが周りを意識しながら動き始め… |
あずさ | 「はい、こちらの運河の街…北海道は小樽です〜」 |
運河や倉庫群を背にして止まった。 |
あずさ | 「もう7月ですが、北海道はやっぱり涼しいですね」 |
さわやかな風が一つ駆け抜けていった。 |
あずさ | 「では私の旅のパートナーを紹介します〜」 |
千早 | 「もういいのですか?あずささん」 |
あずさ | 「ええ、来てもらえるかしら?」 |
フレームインしたのは… |
あずさ | 「はい、今日と明日一緒に旅をしてくれる…」 |
千早 | 「如月千早です。私の時の映像を見てくださった方は分かると思いますが、また北の方に来てしまいました」 |
あずさ | 「そうね、私も東北だったから今回も北の方よ」 |
千早 | 「それにしても北海道は東京に比べてまだ涼しいですね」 |
あずさ | 「ええ。それに空気もいいわー」 |
千早 | 「こんな空気が良いと歌いたくなってしまいますね」 |
あずさ | 「プロデューサーさん、さすがにダメですよね〜?」 |
P | 「中継の時間だったら構いませんけど…今はさすがにやめてもらえればと思います」 |
千早 | 「今日は大丈夫かしら…春香と美希…」 |
P | 「今日は貴音が千早の代わりだからな、貴音を信じようよ」 |
千早 | 「そうですね…それで中継は午後ですがここでは何をするのですか?」 |
P | 「ああ、そうだったな。小樽だからな、海も近いから海産物も美味しいしな…」 |
あずさ | 「ということはプロデューサーさん…」 |
P | 「はい、その思ったとおりですよあずささん」 |
あずさ | 「そうなんですか〜」 |
千早 | 「それなら中継もありますから早めに行きましょう」 |
P | 「もうすぐ予約の時間だからな、じゃあ…ってああっ!」 |
あずさ | 「どうしたんですか〜?」 |
P | 「二人とも旅程の発表してないじゃないか…」 |
あずさ | 「ああっ!そうでした〜」 |
千早 | 「私も…忘れてましたからおあいこです、あずささん」 |
あずさ | 「では紹介しますね〜」 |
千早 | 「今日の日中はここ、小樽で過ごすことになっています」 |
あずさ | 「明日は札幌市内を巡ります」 |
千早 | 「今日は私たちの番組出演風景の裏側も見ることができると思います」 |
あずさ | 「この映像は私と千早ちゃん関係のところでしか公開されませんからお宝です〜」 |
千早 | 「さて、まず今日のお昼ご飯ですが…プロデューサー、どちらですか?」 |
P | 「あ、ああ…そっちのお寿司屋だぞ」 |
千早 | 「では行きましょう、あずささん」 |
あずさ | 「そうね、千早ちゃん」 |
プロデューサーに案内されるまま二人は歩き始めた。 |
……… |
ここは札幌市の南のほうにある、とある温泉宿… |
千早 | 「ふう…いいお湯でしたね」 |
あずさ | 「そうね〜、汗も取れてさっぱりしたわ」 |
千早 | 「生も何とか無事に…とはいかなかったですが」 |
あずさ | 「ゴメンなさい千早ちゃん」 |
千早 | 「いいんです、私もやってしまったんですから…私もスミマセンでした」 |
あずさ | 「でも本当にどこ探しても見つからないなんて…」 |
千早 | 「近くにいたファンの誰かが持って行ってしまったのかもしれませんけど…」 |
……… |
それは生放送の時のこと… |
♪〜 |
テニスウェアに着替えて歌っていた二人。 |
スポッ スポッ |
歌の最後にお互いのサンバイザーを取って… |
あずさ・千早 | 『えーいっ!』 |
上に投げ上げたつもりが… |
びゅんっ |
不意の風も手伝ってしまい… |
千早 | 「あれ?サンバイザーはどこに…?」 |
あずさ | 「あら〜?どうしたんでしょう〜?」 |
その後スタッフも探したものの結局見つからなかったという… |
……… |
あずさ | 「プロデューサーさんも言ってましたから、また作り直してもらいましょう」 |
千早 | 「そうですね、終わったことは仕方ないですし」 |
あずさ | 「でも千早ちゃんのダンス可愛かったわ〜」 |
千早 | 「あずささんはもう少し意識してください…そのきっと見えてたと思います」 |
あずさ | 「やっぱりそうかしら?危ないって気付いた時にはもう遅くって」 |
千早 | 「ただでさえテニスウェアは短いんです、それに今日は…」 |
あずさ | 「プロデューサーさんもスコートを入れてないなんて〜」 |
テニスウェアの衣装にも関わらず、衣装用の中履きを忘れてきてしまったのである。 |
千早 | 「私のもきっと…少し見えてたと思いますけど」 |
あずさ | 「ファンの皆さんは…特に男の方たちはきっとああいうのも…なっちゃうのよね〜?」 |
千早 | 「写真とか撮られていないのが幸いでしたけど」 |
あずさ | 「でも…」 |
突然に千早へと迫るあずさ。 |
千早 | 「あずささん、どうしたんですか?」 |
チュッ |
そのあずさの唇は千早の唇を捉えていた。 |
千早 | 「…えっ?!」 |
あずさ | 「確かに千早ちゃんは美味しい気がするわ」 |
千早 | 「あ、あずささんっ!しょ、正気ですかっ?!」 |
あずさ | 「あら〜?あの日、春香ちゃんと何をして来たのかしら〜?」 |
千早 | 「そ、それを言うならあずささんだって…亜美の誕生日の時、何して来たんですか?」 |
あずさ | 「それは…ね」 |
なぜか後ろを向いたあずさ、そして… |
チュウッ |
振り向きざまに深めの口付けをした。 |
あずさ | 「フフフ、若いエキスを戴いちゃったのよ〜♪」 |
ごくんっ |
千早は送り込まれた唾をつい勢いで飲み込んでしまった。 |
あずさ | 「今日は千早ちゃんからも…貰っちゃうわね〜」 |
千早 | 「ダメって言ってもダメなんですよね?」 |
あずさ | 「そうね〜…フフフ、それはどうかしら?」 |
千早 | 「え?」 |
あずさ | 「千早ちゃんが嫌だって言うなら…しょうがないわね」 |
千早 | 「あれ…?どうして…身体が……んっ!」 |
あずさ | 「千早ちゃんは強情だから…ちょっと…盛っちゃったの♪」 |
千早 | 「あずささんっ!」 |
チュウッ |
千早はもう抑えきれなくなってあずさに抱きつき… |
バタンッ |
そのまま並べて敷いてあった布団へと押し倒した。 |
あずさ | 「あらあら〜、お薬が強すぎたかしら〜?」 |
千早 | 「あずささんが…悪いんですから…あっ!」 |
身体の火照りの火は千早からそのままあずさへと、あずさからまた千早へと、下火になるまで貰い火をし続けていたという… |
HAPPY BIRTHDAY!! Azusa MIURA.