Sleep Brings up a Child Well(寝る子は育つ)

ここはある日の事務所の…
春香「くぅ…くぅ…」
一人の少女が寝ているようである。そこに…
ガチャっ
誰かがやって来たようだ。
亜美「ふぁ〜あ、ねむー」
春香「ぐぅ…すぅ…」
亜美「あ、はるるんがここで寝てたんだ」
来た少女はどうやら亜美のようである。
亜美「ま、いっか。亜美も仕事まで仮眠しよっと」
ぽふっ
亜美は春香の反対側のベッドへと身を委ねた。
亜美「それじゃ、おやすみなさーい」
亜美は着の身着のまま早速眠り始めた。
………
数十分後…
春香「んーっ!」
春香は目を覚まして伸びをした。
春香「あれ?誰かそっちのベッドにいる…」
スタっ トテテテテ
寝ていたベッドから降りて亜美の寝ているベッドへと近寄った。
春香「亜美だったんだ…」
ぽふんっ
そっとそのベッドへと腰掛けた春香。
春香「亜美もこうしてると静かで可愛いなあ」
ぷにぷに
春香は亜美の頬をそっと突いた。
亜美「んっ!」
春香「あっ、起こし…ちゃってないよね」
つんつん
亜美「あうっ!」
春香「まだ、大丈夫…かな?」
春香のいたずら心に火が点いたようだ。その視線は顔から下へと移っていく。
春香「やっぱり成長期って凄いなあ…こことか特に凄いもん」
ふにふに
亜美「ひゃんっ!」
春香「あっ、これはちょっとヤバいかも…」
亜美「はるるん、気が付いてないって思ってた?」
春香「へ?」
突然目を開けた亜美。そのまま…
ガバッ ギュっ ボフンっ
春香「きゃあっ!?!?」
春香を抱き締めてベッドへと倒し込んだ。
亜美「はるるーん、亜美に何しようとしてたのかなー?」
春香「え?わ、私何もしてないよ?」
亜美「そんなことないよねー、だって亜美のほっぺ突いてたりしてたよね?」
春香「え、えっと…どこから起きてたの?」
亜美「はるるんがこっちのベッドに座った時からかな」
春香「最初から起きてたんだ、やっぱり…」
亜美「よっし、そろそろちょっち起きようかなー」
そのまま二人はベッドに腰掛けた。
亜美「でもどったの?仮眠室で寝てるなんて」
春香「最近ちょっと寝不足でー」
亜美「そーなんだ。どして?」
春香「秋はやりたいことが多いからね、スポーツの秋だし、読書の秋だし」
亜美「はるるんのことだから食欲の秋だと思ってたよん」
春香「むー…そう言われると否定できないけど…」
亜美「分かった!その分を減らすためにスポーツしてるんだー」
春香「う゛っ…」
痛いところを突かれて言葉を失った春香。
亜美「それでさっき何か運動してきて疲れて眠くなったっしょ?」
春香「うう…図星…」
亜美「やっぱりねー」
春香「でも…どうして?」
亜美「だって、はるるんからシャンプーとか石鹸の薫りがするもん」
春香「あ、そっか」
クンクン
身体の香りを嗅いだ春香。
亜美「あれ?でも先週まで使ってたヤツのとちょっち薫りが違う気がする」
春香「あ、そうかも。あずささんが貰ってきた物を入れたって小鳥さんが言ってたから」
亜美「じゃあ後で亜美も使おっと、このままじゃお仕事行けないもん」
春香「うん、何か髪も身体も家で洗うより全然潤うって感じかなあ」
亜美「でもあずさお姉ちゃんはそういうCMが多くて羨ましいよー」
春香「それは分かるかも。亜美はどんなCMやってたっけ?」
亜美「亜美は中学生関係のが多いかな。アクセサリーとか服とか」
春香「この前のCMも面白かったね」
亜美「ありがとっ、でも真美と取り合いになることあるからさー」
春香「そういう時ってどうやって決めてるの?」
亜美「兄ちゃんに決めてもらってるよー、どうしようもないもん」
春香「そっかあ…」
亜美「はるるんは最近どんなのやってんの?」
春香「私?私は最近はお菓子のCMが増えちゃってきたかな」
亜美「はるるん、最近控室で着替え見てるけどー…」
春香「うう…皆まで言わないで…悲しくなるから」
亜美「でもお土産とか来るっしょ?羨ましいなー」
春香「そ、それは事務所の皆でちゃんと分けてるよ」
亜美「でも持ち帰ってるのもあるっしょ?」
春香「それは…試作品とかたまに…」
亜美「ほらほら、やっぱりー」
春香「だから人一倍運動しないと、付いちゃうよね」
亜美「その点はミキミキは凄いよね」
春香「そうだよね、あれだけおにぎり食べて全部胸に行くって言ってるくらいだもん」
亜美「あれくらい…あ、でもはるるんくらいは付けたいなー」
春香「亜美って今いくつだっけ?」
亜美「78だよん」
春香「成長期って凄いなあ…身長は追い付かれちゃったし、このままだときっと追い越されちゃうかもね」
亜美「身長もまだまだ伸びてるから衣装が大変だって兄ちゃんに言われちゃったよ」
春香「そっかー、そうなるよね」
亜美「よーっし、寝る子は育つ!もうちょっと寝よっと」
春香「ええっ!?時間は大丈夫なの?」
亜美「うん。まだ2時間くらいあるし、律ちゃんが起こしに来てくれることになってるもん。はるるんは?」
春香「私も取材は夕方だからまだ時間はあるかな?」
亜美「じゃあ一緒に寝ようよー」
春香「うーん…うん、たまにはそういうのもいいかも」
その後、律子によって二人の寝顔の写真が撮られて掲示されたことは言うまでもなかった…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あとがき
どもっ、飛神宮子です。
春香と亜美、何気に初だったりします。
秋、秋といえば色々ありますね。スポーツ、読書、芸術、食欲…いい季節です。
寝る子は…何か網の場合は本当にまだまだ育ちそうな気がしますね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2012・09・30SUN
飛神宮子
短編小説に戻る