ここはとあるスタジオ… |
スタッフ | 『はいOKです、皆さんお疲れ様でしたー!』 |
そのスタッフの一声に… |
雪歩 | 「ふぅ…終わったぁ…」 |
一人のアイドルが安堵の表情を浮かべた。 |
司会 | 「おつかれさま、萩原さん」 |
雪歩 | 「○○さん、今日はゲストに呼んで戴いてありがとうございました」 |
司会 | 「誕生日に生放送は大変だったでしょ?」 |
雪歩 | 「いえ…番組内で祝ってまで戴いて嬉しかったです」 |
司会 | 「今日はこれからどうするんだい?」 |
雪歩 | 「今日はこれからゆっくりとお休みを戴く予定です」 |
司会 | 「ゆっくりかぁ…こっちはゆっくりできるのは年末まで無いよ、ハハハ」 |
雪歩 | 「フフフ…ご苦労さまです、○○さん。いつも番組は見てますから」 |
司会 | 「どうもありがとう、萩原さん」 |
雪歩 | 「はい…」 |
P | 「おつかれさま、雪歩」 |
雪歩 | 「プロデューサー、今日の私…大丈夫でしたかぁ?」 |
P | 「大丈夫だったぞ。何かあったのか?」 |
雪歩 | 「ちょっとテレビ映りが心配だったんですぅ」 |
P | 「あ…もしかして、何かちょっと顔紅くなってるところだな?」 |
雪歩 | 「はい…」 |
司会 | 「ううん、さすがにプロデューサーとアイドルはそういうところまで見抜けるんですね」 |
思わず唸ったその司会者。 |
P | 「もう萩原のプロデューサーになってから結構経ちましたから」 |
司会 | 「そうか…じゃああとはプロデューサーさんにお任せしますか」 |
P | 「はい、今日はありがとうございました。」 |
雪歩 | 「ありがとうございました…」 |
……… |
そして事務所への車の中… |
雪歩 | 「今日は…その…………ですよね?」 |
P | 「ああ。それがあるから今日は事務所のクリスマスパーティにちょっと出たらすぐに行くぞ」 |
雪歩 | 「いいんですか?」 |
P | 「雪歩と長く過ごしたいからな。それにそこまで近くないしさ」 |
雪歩 | 「ありがとうございますぅ」 |
P | 「礼を言われることはないさ。むしろ雪歩の方こそ良かったのか?」 |
雪歩 | 「えっ…?」 |
P | 「俺がどうしてもパーティに出ろって亜美達が五月蝿くてさ、せっかく遠くの仕事も用意してたのに」 |
雪歩 | 「いいんです…こうして一緒にお仕事するのも…」 |
ぴとっ |
雪歩は身体をプロデューサーの方へとそっと寄せた。 |
雪歩 | 「楽しいですから…」 |
P | 「雪歩…じゃあ今日は着いたらゆっくり…過ごそうな」 |
雪歩 | 「はい…」 |
2人を乗せた車は事務所へと向かって行った。 |
……… |
さてここは… |
雪歩 | 「プロデューサー…今日はもう二人きり…なんですね」 |
P | 「そうだな…すっかり雪も積もってきたな」 |
東京からは少し離れたとある温泉の離れ宿。 |
雪歩 | 「プロデューサーと…二人きりだなんて…」 |
P | 「もう食事も終わったし、宿の人が来るのは次の朝まで無いからな」 |
一風呂浴びて食事を終えた二人は、部屋のコタツに隣同士で寛いでいた。 |
雪歩 | 「ふ、ふつつか者ですが…よろしくお願いしますぅ…」 |
P | 「へ?」 |
雪歩 | 「そ、その…するんじゃないんですかぁ?」 |
P | 「え?あ、ゆ、雪歩が良いのならな」 |
雪歩 | 「そんな…」 |
ぴとっ |
浴衣に着替えた二人、寄り添うと薄い布地を通して相手の熱が伝わってくる。 |
雪歩 | 「みんな…その…し、しちゃったんですよ…ね?」 |
P | 「いや、それはだな、あくまでだな…」 |
何だかしどろもどろになるプロデューサー。 |
雪歩 | 「プロデューサー…私も、お願いします」 |
P | 「いいんだな?」 |
雪歩 | 「はい…」 |
P | 「でもまだちょっとゆっくりしようよ。誰にも邪魔されない時間がまだたくさんあるんだし」 |
雪歩 | 「そうですね…」 |
P | 「なあ、雪歩は今年一年どうだった?」 |
雪歩 | 「とても…楽しかったかなって思います。でも…それは何て言っても…」 |
チュッ |
雪歩はプロデューサーの頬へとそっとキスをした。 |
雪歩 | 「見守ってくれたプロデューサーと音無さん、それと社長が居てくれたおかげだと思ってます」 |
P | 「来年も良い年になればいいな」 |
雪歩 | 「はい…みんな一緒に仲良く成長していければって…思います」 |
P | 「そのためには更なる頑張りが必要になるけどさ。あ、そうだ」 |
雪歩 | 「何ですか?プロデューサー」 |
P | 「来年のことそろそろみんなに言わないとだな」 |
雪歩 | 「来年って…何ですか?」 |
P | 「そのさ、来年の誕生日は一緒に行って欲しい人と二人で旅行に行ってもらおうって小鳥さんと話してるんだ」 |
雪歩 | 「二人で…ですか?」 |
P | 「例えば雪歩は誰と行きたい?」 |
雪歩 | 「えっと…それなら真ちゃんか貴音さんがいいなあ…」 |
P | 「そんな感じで考えててさ。ま、責任者として俺もたぶんついていくことになりそうだけどさ」 |
雪歩 | 「そうですね、それなら心強いですぅ…」 |
P | 「でも来年のことは来年のことさ。それより、もう一度お風呂で温まってから寝ようか」 |
雪歩 | 「はい…」 |
……… |
そして外の露天はさすがに寒かったので内湯に入っている二人。家族仕様だからか、それなりの大きさのお風呂になっていた。 |
P | 「しかしやっぱり雪歩の肌は白くて綺麗だな」 |
雪歩 | 「そうですか…?」 |
P | 「ああ。さっきも露天で見てたけど、白くて艶やかでだから温まるとほんのり桃色になってさ」 |
雪歩 | 「あ…ありがとうございますぅ」 |
P | 「あのさ…」 |
ぎゅうっ |
風呂の中で雪歩の身体を正面からを引き込んで抱きしめるプロデューサー。 |
P | 「そんな雪歩を見てたら…分かる?」 |
下の方で雪歩も何やら当たっている感触が分かっていた。 |
雪歩 | 「プロデューサー…私も火照って来ちゃいましたぁ…」 |
P | 「あのさ、ここで…どう?」 |
雪歩 | 「私も…プロデューサーに抱きしめられたらもう…我慢ができなさそうです…」 |
チュッ… |
冬のとある離れ宿のお風呂、一つの口付けが二人だけの熱いクリスマスの幕を開いた… |
Happy Birthday!! Yukiho Hagiwara.