ここはある日の事務所…のどこか。 |
真美 | 「ミキミキー起きなよー」 |
ゆさゆさ ゆさゆさ |
そこに美希の身体を揺らす一人の少女。 |
美希 | 「まだ食べれるのー…ムニャムニャ」 |
当の美希はまだ夢の中のようだ。 |
真美 | 「もうすぐ兄ちゃんたち帰ってくるよー」 |
ゆさゆさ ゆさゆさ |
美希 | 「あー、海苔持ってかないでー…くぅ…すぅ…」 |
真美 | 「むー、真美じゃもう無理だー。これはもう最終手段出るしかないなー」 |
カパッ |
真美はとある物を開けた。すると… |
美希 | 「ご飯の薫りなのっ!」 |
一瞬にして飛び起きる美希。 |
真美 | 「おはよーミキミキ、ずいぶんとよく寝てたね?」 |
美希 | 「あれー?おにぎりはどこなのー?」 |
真美 | 「何かさっきから寝言で色々言ってたけどそれ?」 |
美希 | 「あー、夢の話だったんだ…それよりミキ、何で仮眠室にいるの?」 |
真美 | 「さっき兄ちゃんが運んだんだよ、だってソファで寝ちゃうんだもん」 |
美希 | 「プロデューサーさんは?」 |
真美 | 「真美にミキミキのこと頼んで、亜美とまこちんとラジオに行ったよん」 |
美希 | 「そっかあ…それでどうしてここに炊き立てのご飯があるの?」 |
真美 | 「ミキミキが起きたらお腹空いてるだろうからって、さっきピヨちゃんが持ってきたんだ」 |
美希 | 「あ、タラコと海苔もある。さっすが小鳥、準備が良いのっ」 |
真美 | 「もうお昼だし、一緒に作って食べようよ」 |
美希 | 「そだね。でもここで作るのもアレだし…給湯室行こ」 |
真美 | 「うんっ」 |
……… |
応接用のソファで食べ終わって… |
美希 | 「ズズズズズ…ふう、食べた食べたなの」 |
真美 | 「ごくっごくっ…食べたねー」 |
お茶を食べながらソファでまったりしている二人。 |
美希 | 「でも何で真美がいたの?」 |
真美 | 「今日は亜美について来ただけだよ、暇だっただけだけどね。ミキミキは?」 |
美希 | 「ミキは今日は衣装合わせだよ。それでプロデューサーさんを待ってたら眠っちゃった」 |
真美 | 「そーなんだー。でもミキミキってどんな衣装着ても似合っちゃうからいいよねー」 |
美希 | 「そっかな?」 |
真美 | 「この前の○○に載ってた悪魔コスと天使コスなんかすっごく良かったよ」 |
美希 | 「ありがと。あれは持って帰ってきたから見てみる?」 |
真美 | 「うんうん、見たい見たい」 |
美希 | 「じゃあ小鳥に鍵借りてくるの」 |
……… |
衣裳部屋にて… |
真美 | 「うあうあ、改めて見てみるとこの悪魔って水着っぽくてやっぱりエッチぃね」 |
美希はまるで水着のような布面積のメタリックな布地の衣装にカチューシャなどを付けていた。 |
美希 | 「あの撮影、とっても恥ずかしかったんだよ」 |
真美 | 「こんだけ布の面積少ないもんね」 |
美希 | 「それもあるけど、セクシーなポーズもかなり要求されたもん」 |
真美 | 「ミキミキって結構そういうの撮られ慣れてない?」 |
美希 | 「それでも…」 |
美希はとあるポーズをとった。 |
美希 | 「こーんなのも撮影されたんだよ」 |
真美 | 「これは男子みんな鼻血ものだね。あれ?でもそんな写真なんて無かったよ」 |
美希 | 「次の写真集にも使うって言われたんだ。あと生写真プレゼント用かも」 |
真美 | 「そっかあ」 |
美希 | 「あ、そうだ。真美ってウエストいくつ?」 |
真美 | 「55だよん」 |
美希 | 「じゃあミキと一緒なんだ」 |
真美 | 「うええ!?ミキミキってそんなにスタイル良かったの!?」 |
美希 | 「だってミキ、これで勝負してきたようなもんだもん」 |
真美 | 「凄い説得力だー」 |
美希 | 「でもウエスト一緒だし、身長も同じくらいだからたぶんこっち着られるね」 |
真美 | 「そっちって天使の方?」 |
美希 | 「うん、着せてあげるからちょっと脱いでね」 |
|
美希 | 「これで完成なのっ」 |
真美 | 「…恥ずかしいよぉ…」 |
真美はパンツ一丁にさせられて、その上からワンピース状の天使の衣装を身にまとった。 |
真美 | 「ほ、本当にブラとかダメなの?」 |
美希 | 「本番はさらしだったけど、ここには無いからダメなの」 |
真美 | 「そんなあ」 |
美希 | 「だけど真美って思った以上にスタイル良いね」 |
真美 | 「そ、そっかな?」 |
美希 | 「ミキよりバストもヒップも少し小さいけど、出るとこちゃんと出てるもん」 |
真美 | 「ミキミキにそう言われると何だか自信付いちゃうよー」 |
美希 | 「でも真美の天使可愛いね。何だか嫉妬しちゃうかも」 |
真美 | 「そう?」 |
美希 | 「ミキが撮影してた時よりもしかしたら可愛いかもしれないの」 |
真美 | 「そんなお世辞言っても何も出ないよー」 |
美希 | 「んーん、ホントの気持ちだもん」 |
真美 | 「ありがとー。でもこんなの着て撮影してたんだ」 |
美希 | 「うん。基本的には悪魔の時と同じようなポーズだよ」 |
真美 | 「え?…ってことはさっきのも?」 |
美希 | 「絶対に見えてるって分かってるけど…お仕事だもん」 |
真美 | 「その時のって自分の?」 |
美希 | 「そだよ。それで良いってカメラマンさんに言われたから」 |
真美 | 「大変だったんだね。真美はまだこういう仕事入ってきたこと無いから分からないなー」 |
美希 | 「いずれ入ってくると思うよ。真美だって魅力的だと思うから」 |
真美 | 「…ありがと、ミキミキ」 |
美希 | 「ん?何か足音が聞こえてきたの」 |
真美 | 「え?あ…本当だ。こっちに向かってきてるね」 |
美希 | 「さっき鍵掛けたっけ?」 |
真美 | 「うん。だって急に開けられたら恥ずかしいじゃん」 |
美希 | 「たぶんこの部屋に来ると思うから、プロデューサーさんを驚かせるの」 |
真美 | 「そだね、じゃあちょっと電気消してくるよ」 |
美希 | 「どの辺に隠れてよっか?」 |
真美 | 「そこの見えない所でいいんじゃないかな?あ、でも兄ちゃんが来た瞬間に飛び掛っちゃおうか」 |
美希 | 「あ、そっちの方が良いかも。じゃあそっち行くね」 |
真美 | 「うんっ」 |
プロデューサーがドアを開けた瞬間、二人の天使と悪魔は笑顔でプロデューサーへと飛び付いていった… |