We Aboard the Keikyu Line...(京急に乗って…)

このSSはこちらにカレンダーと共に掲載された3行のセリフを拡張したものです。
なので、その画像と一緒にお楽しみください。
 
「やっぱり休みだから混んでるな」
美希「でも、こういうの嫌いじゃないの」
ちょうど何もない休み、美希とプロデューサーの二人は東京の下町の方へと来ていた。
「しかしどうしてデートがここなんだ?美希」
美希「今まであんまり来たこと無かったからなの」
「それだけ?」
美希「それだけだよ」
「…まあ美希らしいと言うか何と言うか」
美希「んー、ミキはプロデューサーさんが一緒なら別にどこでも良かったの」
「俺もたまには来たいと思ってたからいいけどさ」
美希「どうして?」
「ここで買いたい物もあるんだ。確か美希も食べたことがあるはずだぞ」
美希「…憶えてないの」
「行けば分かるさ。まあまずは観光しようよ」
美希「そうだね…え?プロデューサーさん案内できるの?」
「そりゃ何回かは来たことがあるからな」
美希「それなら今日は任せるの」
「おう、行くぞ」
二人は腕を組みながら雷門をくぐって行った。
 
美希「でも今日は子供が多いね」
「そうだな。着物姿の小さな子供ばっかりだ」
美希「今日って何かの日だっけ?」
「持っている物で気がつかないのか?美希は」
美希「…あー、そうなんだ」
「美希は七五三はやったのか?」
美希「ミキ?ミキもやったの。でも…」
「ん?何かあったのか?」
美希「似合ってないってお姉ちゃんに笑われたんだよ。だから良い思い出じゃないの」
「似合ってないって…そんなこと無いと思うけどさ」
美希「お姉ちゃんのお下がりで着せられたの、髪の色と合わなかったんだもん」
「もしかしてその茶色の髪って昔からなのか?」
美希「うん」
「なるほどな、そんなこともあったのか…」
美希「プロデューサーさんはどっちが良かった?」
「え?」
美希「金髪の頃のミキと今のミキ」
「そんなのどっちも良いに決まってるだろ?」
美希「えー、何かそれって優柔不断だよ」
「優柔不断じゃないさ、どっちも可愛いんだからさ」
美希「んー、それならいいの」
ぎゅっ
美希はプロデューサーの腕を一層強く抱え込んだ。
「美希、こんな所で恥ずかしいって」
美希「どうしたの?プロデューサーさん。顔、紅いの」
「女性にこんなことされたら紅くなるに決まってるだろ」
美希「変なの…」
そこで美希はようやく一つ気が付いた。
美希「あ、もしかして当たってるから?」
「ああ…そういうことだ」
美希「本当にプロデューサーさんって純情さんなの」
「俺はそんな美希が思っているほど女性と関わったこと無いんだからな」
美希「ふーん…あ、だからミキの触ってくるんだね」
「ちょ、ちょっと美希!」
美希「もう、そんな照れなくたっていくらでも触ってくれてもいいのに」
「ば、馬鹿言うなって」
美希「プロデューサーさんったら純情さんなの」
「そ、それより何か買ってやろうか?」
プロデューサーはどこか焦ったように美希へと聞いた。
美希「え?いいの?」
「もちろんだろ。今日はデートなんだからな」
美希「それなら、どうしようかなあ…」
 
数分後、美希の口から伸びる1本の…白い棒?
美希「甘くて美味しいのっ」
「しかし色んなタイプが売ってるもんだ」
美希「うん。色々な模様があって面白いね」
「昔からの伝統的なものだからな」
美希「こんな模様が作れるなんて凄い職人さんがいるんだね」
「ああ。計算し尽くされた技ってやつだな」
美希「よく分かんないけどとにかく凄いの」
「それにしても今日が七五三だけあって、やっぱり子供も多いなあ」
美希「そうなの。でもいい感じのがゲットできたからいいなって」
「そう言えば聞きたかったんだが美希、どうしてその飴なんだ?」
美希「何だか中の模様が可愛かったの」
「いや、美希が良いならいいんだけどな…(どう見てもなあ…)」
美希「プロデューサーさん、んーっ…」
何やら指しながら美希はプロデューサーへと呼びかけた。
「美希!こんな場所で出来るか!」
美希「むー…でも、確かに無理だね。こんなところじゃ」
「まあ後でな」
美希「え?後でしてくれるんだね」
「あっ…」
美希「約束なの。男に二言は無いんだよね?」
「…仕方ないな、約束する」
美希「やった!後でよろしくなの」
「よし、じゃあ事務所へのお土産を買っていくからな」
美希「お土産?」
「この先にあるから。ほら、前に春香が6本全部一人で食べて大目玉食らったやつだ」
美希「あー、あれってここだったんだ」
「ああ。境内にも出店してるけど本店も近いしそっち行こうかなってさ」
美希「それなら早く行こっ。それで事務所のみんなと食べよ」
「いいのか?今日は一応デートだろ」
美希「だけどみんなと一緒の方がやっぱり楽しいって思うな」
「そうか…よし。でもその前にお参りしてからにするか」
美希「そだね」
「まあまずはその飴は袋に仕舞ってな」
美希「んー」
パキンっ
美希は勢いよくその飴を折って残りを袋へと入れた…
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あとがき
ども、飛神宮子です。
さて11月。この案を出した方か描いた方はどうやら千歳飴と金太郎飴を混同していたようですね(千歳飴が金太郎飴の一種らしいです)。
まあそんなことはどうでもいいとして、ここから2カ月連続で美希の出番となります。
タイトル?Wikipediaで京急本線でも調べていただければ…
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2009・11・01SUN
飛神宮子
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