24cm on the Bed(ベッドの上の24cm)

ここはある日の事務所…
やよい「おはようございまーす!」
元気な少女が一人やってきたようだ。
貴音「おはようございます、やよい」
そこに落ち着いた感じの女性が一人。
やよい「あ、貴音さんおはようございます」
貴音「やよいはいつも元気ですね…」
やよい「はいっ!私、元気だけが取り柄ですから」
貴音「その元気さがファンの皆様方の魅力なのでしょうね…」
やよい「何かそう言われると照れちゃいます…」
貴音「しかし今日はこんな時間にどうされたのです?」
やよい「プロデューサーに朝一で来てくれって呼ばれたんです。貴音さんこそどうしたんですか?」
貴音「わたくしですか?わたくしも実のところやよいと同じでして…」
やよい「貴音さんもなんですか?ということは私たち二人が呼ばれたってことでしょうか?」
貴音「そういうことになりましょうか…」
そこに
ガチャッ
「お、来てたか。おはよう貴音、やよい」
貴音「おはようございます、あなた様」
やよい「おはようございますっ!プロデューサー」
「早速で悪いけど出るぞ、二人とも」
貴音「どういうことなのでしょう?」
「詳しくは運転中に説明するから、まずは車に急いでくれ」
やよい「は、はいっ。プロデューサー、何か持っていく物はありますか?」
「特に無いな。必要なものはもう車に積んであるから」
貴音「分かりました、行きましょうやよい」
やよい「はい、貴音さん」
………
ここはプロデューサーが運転する車の中…
「まずは二人ともゴメンな」
貴音「何がでしょうか…?」
「いや、急遽で貴音とやよいを呼び出したことさ」
やよい「今日ってオフだったですよね?」
「全員オフのつもりだったんだけど、昨日の夜に予定変更の申し入れが先方から入ってな」
貴音「本来はもう少し先のお仕事であったと…」
「そういうことだ。電話で『どうしても3週間前倒しの明日で』ってお願いされてな」
やよい「それで何の撮影のお仕事ですか?」
「昨日撮影とは言ったけど、詳しく言えば雑誌のグラビア撮影だ。急なんだけど…大丈夫か?」
貴音「わたくしは普段から心構えを持っておりますので大丈夫です…やよいは大丈夫ですか?」
やよい「私も大丈夫です。あれ?でもどうして私たち二人なんですか?」
「どうしてって…」
やよい「だって、私と貴音さんは一緒のデュオじゃないですよ」
貴音「確かに…わたくしは雪歩と、やよいは律子と一緒のユニットですが…」
「さっき一緒にいて気が付かなかった?」
貴音「何でしょう?」
「やよい、身長は?」
やよい「え?145cmですよ、プロデューサー」
貴音「な…やよいはそれほどしか無いのですか?」
やよい「うー…身長がなかなか伸びなくって…事務所で一番私が小さいんですよね?」
「そうだな。ま、それがやよいの魅力の一つになってはいるけどな。じゃあ貴音は?」
貴音「わたくしですか?わたくしは169cmですが…」
やよい「ええっ!貴音さん、そんなに身長が高いんですか!?」
貴音「あずさとは僅かの差ではありますが、わたくしが一番高いのですよね…?」
「そういうこと。もう答えは出ただろ?」
貴音「一番の身長差の二人を撮りたいと…」
やよい「そういうことだったんですね」
「せっかく事務所で枠を貰ったから、こういう写真も面白いんじゃないかなってね」
やよい「でもでも貴音さんとお仕事って初めてですよね」
貴音「はい…そうなりましょう」
「おっと、そうだったか。確かにライブとか以外はほとんどがユニット単位だからな」
やよい「うあー、何だか緊張してきましたっ」
貴音「わたくしもですが…楽しみですねやよい」
やよい「はいっ」
………
その撮影中…
カメラマン『うーん、難しいわねえ…』
カメラマンが何やら困っていた。
カメラマン『これだけ身長差があると…フレームに入れるのが難しいわ…』
身長差24cmはやはり困惑させるには充分の材料となっていた。
カメラマン『もう一つ一番の写真が欲しいわね……あっ、そうだわ!』
何やら思いついたようだ。
カメラマン『○○君、今度はあっちの部屋で撮影するから準備お願いね』
スタッフが撮影道具を移動し始めた。
カメラマン『ゴメンなさいね四条さん、高槻さん、今度はあっちの部屋で撮影するわ。準備ができたら呼ぶわね』
やよい「はーい!」
貴音「分かりました…」
 
その部屋に置かれていた物、それは…
カメラマン『さあ、二人ともこのベッドで横になって』
外の海が見える部屋にベッドが置かれていた。つまりは寝室である。
やよい「この水着のままでいいんですか?」
カメラマン『ええ。四条さんは高槻さんを腕枕する感じで、そうそう』
パシャパシャっ
ここまでの心の曇りが嘘のようにシャッターが切られていく。
貴音「やよいの身体…温かいのですね…」
カメラマン『ああっ、その包み込んでいる感じいいわよぉ…』
パシャパシャっ
やよい「貴音さんも…温かいです…」
カメラマン『四条さん、高槻さんのことをもう少し引き込んで、良い感じよ』
パシャパシャっ
カメラマン『今度は二人、もう少し顔を近づけて、ええ、それでちょっと目を閉じて…』
パシャパシャっ
貴音「何だか少し…恥ずかしいですが…」
カメラマン『高槻さん、今度はもう少し四条さんの下の方に行って…』
やよい「どの辺ですか?」
カメラマン『その胸の辺りにそうそう、四条さんはその頭を腕で包み込んで…』
貴音「やよいの顔が…わたくしの胸に…少し恥ずかしく…」
やよい「貴音さんの胸、柔らかくて気持ちいいです…」
カメラマン『そんな…あ、今の良い表情よ』
パシャパシャっ
そんな貴音の胸に寄り添うやよいも、腕で優しく包み込む貴音も、優しい温かみのある表情を見せていたという…
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あとがき
どもっ、飛神宮子です。
やよいと貴音、なかなか接点が無い疎遠と言えば疎遠な二人ですね。
ただこの二人の共通点と言えば、最高と最低の身長の持ち主だということ。
やよいが妹キャラ的なところがあるのは、こういうところが要因なのかもしれませんね。
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2011・06・21TUE
飛神宮子
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