Before a Wave Occurs...(波の立つ前に…)

ここは寮のとある部屋。あるユニットの三人が集まっているようですが…
さくら「うわーん!イズミン、アコちゃん、助けてよぉー」
亜子「どうする?いずみ」
「全く…あれほどちゃんと毎日やるって約束したのに…」
さくら「だってぇ…夏休みはそんなことする時じゃないよぉ!」
「そういえばそう言う亜子は?」
亜子「アタシ?アタシはあとちょこっとだけやで。このワーク残り5ページで終わりなん」
「それくらいなら今日帰ってからでも出来そうだったね。へえ、でも意外かも」
亜子「案外計画立てるのは得意やってん。それにアタシの場合…」
さくら「ねえここ教えてぇ…」
「そこは教科書に載ってるから、自分で確認して。それで?」
亜子「アタシの場合、『やらないとお金が無くなる』と思うようにしたからな」
「あー、それは亜子らしい」
亜子「アタシもちょっと最後のやらせてもらうわ。それでいずみは?」
「私はもうここに片付いてるのがあるから。じゃあ今、麦茶持ってくる」
さくら「イズミン、助けてぇ…」
「ダーメ。まずは自力でやりなさい」
さくら「じゃあアコちゃん助けてよぉ…」
亜子「アタシはいずみに言われている以上、手伝うのは無理なんや」
さくら「そんなぁ…」
亜子「大体な、この夏休み最後の何日かで夏の最後を楽しむのに出掛けたい言うたのはさくらなんやで?」
さくら「そうだけどぉ…みんなちゃんとやってたんだぁ…」
亜子「まさかさくらが全然やってへんとは思わなかったけどな」
「ほらこれ飲んで。最低でも今日明日中には仕上げて、明後日は一緒に出掛けるつもりだから」
亜子「さくらが終わんなかったら、アタシら二人だけで行こうか」
さくら「えぇ…うう…分かった、やるよぉ…」
亜子「そんならアタシは残りやる前に上から昼ご飯持ってくるわ。この部屋の冷蔵庫空いとる?」
「空いてるけど…え、亜子が作ったの?」
亜子「いや、この前みちるちゃんと真尋ちゃんとの食事会で余ったのがあるんよ」
「いつもの食事会?」
亜子「それでちょっと多く余ったからおすそ分け用に取っといたん。温めるだけやからさ」
さくら「楽しみだなぁ…いつも見てると美味しそうだもんねぇ」
「ほらさくらは早くやって」
さくら「ふぁーい…」
 
数時間後…
「さくら、あとどれくらい?」
さくら「もうどれくらいか分かんないよぉ…」
亜子「どれどれ…これで多く見積もって2/5ってとこやな」
「今日中に最低でも2/3は終わらせてもらうよ」
さくら「うえぇぇぇ…もうやだよぉ…」
亜子「それは宿題するのサボったさくらが悪いんやからな」
「亜子は終わった?」
亜子「うん。もうさっきの時間でバッチリ終わらしといた」
「それなら一旦休憩してお風呂入ろうか。このさくらもリフレッシュさせた方が良さそうだし」
亜子「そうやな…オーバーヒートしそうやし…」
さくら「頭の中で文字が踊ってるぅ…アハハハハ…」
「じゃあ10分後に私の部屋に集合ね」
………
亜子「ふぃー…昼からこうやってお湯たっぷりのお風呂に入れるのも贅沢やなあ…」
「何でそんなおじさん臭くなってるの、亜子」
さくら「でも分かるよぉ…毎日こうやって全身伸ばして入れるのって凄く気持ちいいからねぇ」
「家のお風呂だとなかなかそうはいかないものね」
亜子「アイドルになって良かったわー。家族じゃなくてもこうして毎日一緒に入れるんやもん」
さくら「うんうん。これって寮とかで一緒に居ないとできないことなんだよねぇ」
「そっか…うん。それは考えたことなかったかも」
亜子「それもこれも、アイドルにしてくれたプロデューサーちゃんのおかげなんやけどなあ」
「私達3人をアイドルにしてくれたプロデューサーに感謝だね」
さくら「そうだねぇ…」
亜子「それにアタシ達のアイドル活動を許してくれた両親にも感謝やな」
「確かにそれも言えるね。いくら合格してもダメって言ったらお終いだし」
さくら「今度はいつ帰ることにしよっかぁ」
亜子「そうやなあ、アイドル活動にもよるところあるしなあ」
「次はそろそろ私かな」
さくら「わたしは最後は4月だったよぉ。トークバトルショーの応援行きましたぁ」
亜子「アタシは3月やね、山菜で作った料理、美味かったなあ」
「あれは美味しかったよ。私は2月に同じドリフェスだったけど、スノボは難しかったね」
亜子「あれもうそんな前やったか。あのボブスレーの写真面白かったわー」
「あれはもう…思い出させないでよ…大変だったんだから。そんなこと言ったらあの泥だらけの顔は…」
亜子「いずみ、それはアカン!あれで電車に乗ってたと思うと今でも恥ずかしいんやから…」
さくら「ねぇ、わたしはぁ?」
亜子「言うてもさくらのはスタジオ内ですっ転んだだけやもんなあ…」
「あの瞬間誰が撮ってたの?」
さくら「あれはプロデューサーさんが偶然撮ってたみたいでぇす」
「さくらがドジなのはいつものことだから、特に何とも…ね、亜子」
亜子「そうなんよなあ、普通の光景やからね…いずみ」
さくら「もぉ〜!二人ともぉ〜!」
「さて、そろそろ上がって軽くミストサウナ入ったら、続きするよ」
さくら「えぇ〜…もうするのぉ…」
亜子「そう言ってもしょうがないやんか。これはさくらのためなんやから」
さくら「はぁい…」
………
さらに夕食を挟んで数時間後…
さくら「うぅ…もう眠いでぇす…」
もうさくらの眼は閉じかけていて、船を漕いでいるのも目に見えてわかった。
「これはもう限界かしらね」
亜子「そうみたいやね…んで、あとどれくらい残ってるんや?」
「ちょっと待って…あと1/4ってところかしら」
亜子「予想よりだいぶ進んだなぁ。これは明日午後からもう出掛けられるやろか」
「それはさくらの気合次第かしらね…あ、でも読書感想文もあるからやっぱり明後日かな」
亜子「それもあったかぁ…ま、こうなったらしょうがないわ」
「出掛けた時に何かおごってもらうくらいはして貰わないとね」
さくら「アコちゃん、置いてかないでぇ…くぅ……すぅ…」
亜子「本当にこんな時はキュートやからズルいわ。それじゃあ荷物はここ置いてってええか?」
「明日もここでやるだろうし片付けておくから。あ、亜子が連れてってくれるの?」
亜子「さくらくらいなら大丈夫やと思う…本当に寝たら最悪おんぶやな」
さくら「イズミンもぉ…待ってぇ…あうぅ……」
「じゃあお願いできるかな」
亜子「着いたら雪菜さん居るはずやし、後はそっちに任せるつもりで行くかな」
「それじゃあおやすみ、亜子、さくら」
亜子「おやすみな、いずみ」
さくら「んん…おやすみぃ…くぅ……」
亜子と泉はその寝言?に少し苦笑しながら、めいめいに行動を開始したという…
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あとがき
飛神宮子です。
今月は4本とも百合百合系の予定だったのですが、デレマス通算100本目なので予定を変更しました。
そして意外にも亜子以外の二人は当サイト初登場となりました。せっかくこういう機会ですから。
宿題は三人だと泉はさっさと終わらせて、亜子は特にお金でも掛かっていると思えばまだ毎日計画立ててやりそうな気がしますは、さくらはどうでしょうねぇ…。
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2017・08・31THU
飛神宮子
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