Flat-footed Mystery Bag(不意の福袋)

年も明けて最初の顔合わせの日のこと…
未央「そっかー、そういえば私もしぶりんも同じユニットの人はみんな関東かー」
「未央は多いのに珍しいね。卯月みたいに遠くの子が混ざってないなんて」
未央「そうかも、ニュージェネ含めて3つ全員っていうのはね」
「ん…加蓮が呼んでるからそっち行ってくる」
未央「うーん、私も向こうの集まりに行くからゆっくりしてていいけどねー」
未央は凛と離れてポジパとサンノスの集まりへと合流した。
未央「みんな、久しぶり!あらためて明けましておめでとうっ!」
「おめでとうございます!未央ちゃん」
藍子「おめでとうございます、未央ちゃん」
久美子「おめでとうね、未央ちゃん」
美羽「おめでとうっ…って私は今年もう未央ちゃんに会って挨拶してました」
久美子「でも私達はみんな実家が関東だから、仕事始めはもう終わってるのよね」
未央「そうだよね、茜ちんはあーちゃんのラジオに出たんでしょ?」
「はい!いつもとは違ってラジオ局の周りもガラーンとしてましたね!」
美羽「久美子さん、正月のアレは寒かったですよね」
久美子「ええ、私たちがいくら神奈川と千葉だからって、うみ○たるで初日の出の中継なんてねえ」
藍子「未央ちゃんも元日から中継大変でしたね」
未央「いやー、ショッピング好きな未央ちゃんもあの福袋の中継は大変だったなー。くみねぇ達ほど寒くはなかったけどね」
久美子「まさか未央ちゃんが別仕事なんて、一緒にお仕事できなかったのが心残りよ」
未央「あー!そうだった!これこれ、忘れてた」
美羽「この袋は…何だろう?」
未央「その正月の中継の時に同じユニットの仲間にって福袋を貰ってきたんだ」
藍子「朝から大荷物だったのはこれだったんですね」
「何だかこれは見ててワクワクしますね!」
未央「はいまずは茜ちん、スポーツ関係のとこだったかなー?」
「未央ちゃん、開けてみてもいいですか!」
未央「うん。それは茜ちんのために貰ってきたヤツだからね」
「では!…これは…っ!」
茜が開いた袋の中には…
「ジャージの上下!…と、あとはスポーツタオルとかですね、これはありがたいです!」
未央「サイズは茜ちんに合うのにしたはずだから、たぶん合ってるよ」
藍子「茜ちゃんさっそく走りに行っちゃいそうですね」
未央「あと食料品のとこからこれも茜ちんにって」
「なんと!飯の友袋!あとで美味しくいただきます!」
未央「じゃあ次はあーちゃん…あーちゃんには写真関係だからこれだったかな」
藍子「私もここで開けてみますね」
藍子が袋から取り出したのは…
藍子「わあっ、ネコさんの写真立てに動物の入ったアルバムと…これは何でしょう?」
久美子「○ェキ…ってことはインスタントカメラかしら」
藍子「インスタントカメラですか?あの撮った写真がすぐに出てくるって…」
久美子「そうね。昔は可愛い形の写真機だったのだけれど、まだ発売していたのね」
藍子「フフフ、今度はこのカメラでも色々撮ってみたいです」
未央「それ用のフイルムも結構入れてあるって」
藍子「後でみんなで1枚試し撮りさせてもらいますね。説明書は…」
未央「次はくみねぇ…えっと、楽器関係だからこの音符模様だったはず」
久美子「楽器と言っても私はピアノ専門だけれど大丈夫かしら?」
未央「それはピアノ関係だって言ってたよ」
久美子「でも何かしら…」
久美子が袋の中を探ってみると…
久美子「ピアノのお手入れ用品とこれは…スコアねえ…何かしら?」
美羽「どんな曲ですか?久美子さん」
久美子「これは…演奏したことが無さそう、それも海外のスコアね。聴いたことはありそうなんだけど…」
未央「くみねぇにはあと楽器屋の店長さんからこれだって」
久美子「これは…えっ、こんなの貰っていいのかしら?」
未央「うん。急にキャンセルがあったけど、もう期間も無くてプレゼントとかにも回せないからって言ってたんだ」
久美子「ありがとっ、やるわね未央ちゃん。これはありがたく行かせてもらうわ…これ仕事の予定が決まってなかったからチケット取れなかったの」
未央「喜んでもらえて良かったー。よーし、最後はみうみうだね」
美羽「みんな趣味に合ったのをもらって来たんだねっ」
未央「いやー、正直一番悩んだのってみうみうだったんだよねー。ダジャレの福袋なんて無いもん」
美羽「苦労して福袋うを選んだってことだね」
未央「…やっぱりあげなくていいかなー?」
美羽「ああっ!未央ちゃんゴメンなさい!私も福袋が欲しいですっ!」
未央「いやあみうみうはまずこれ…だね。確かお笑い関係のDVDって言ってたかな?」
美羽「うわわ、ずっしりってことは結構入ってそうだねっ」
未央「あと…こっちは家に帰ってから開けてみてね」
美羽「え?今じゃダメなの?」
未央「恥ずかしくなければ今でもいいのかな?でも後で開けた方がきっと身のためだと思うなー」
美羽「うーん、未央ちゃんがそこまで言うなら家に帰ってからにしてみますねっ」
………
美羽「でね、これだけは後で開けた方が良いって言われたんだよっ」
加奈「そうなんだー。でも未央ちゃんがそこまで念を押してたんだね」
顔合わせの日、美羽は加奈を家に呼んでいた。
美羽「じゃあせっかくだしそろそろ開けてみようかな」
ペリペリペリペリペリ
封をしてあったテープを取っていく美羽。
美羽「あれ?そういえばこれだけ閉じてあって中身が見れなかったのはどうしてだろう?」
加奈「他の人の袋は中が見えてたんだね」
美羽「うん。そこにもう一つもらった袋も口は開いてたなーって」
テープを剥がすとそこに1枚の手紙がくっ付いていた。
美羽「何だろう?ちょっと読んでみよう」
『みうみうへ この手紙を読んでいるってことはこの袋を開けたんだね。この手紙以外は貰った時のままだよ』
加奈「そうみたいだね、うーんどうしたんだろう?」
『この袋はみうみうの恋人に渡してあげてね。私だけじゃなくてくみねぇもあーちゃんも茜ちんも応援してるから! みおより』
美羽・加奈『えっ…!?!?』
二人は顔を見合わせた。
ガサガサガサ
美羽が袋の中をよく見るとメモ帳やら筆記用具の類が入っていた。
美羽「未央ちゃん…うう…」
加奈「そういえば未央ちゃんは私たちのこと知ってるんだよね…」
美羽「久美子さんとか藍子さん、茜さんも知ってると思うよ…」
加奈「美羽ちゃん、ちゃんと未央ちゃんにお礼言わなくちゃいけないね…」
美羽「うん…」
………
数日後のアイドルルーム…
未央「くみねぇ、どうだった?週末に行ったんだよね」
久美子「ええ、とっても素晴らしいコンサートだったわ。あのレベルの演奏をライブで披露できたら最高かしら」
未央「またピアノやっちゃう?私はくみねぇのピアノ好きだなあ」
久美子「もし二人が許してくれるならまたやろうかしら。歌声を乗せてもらえると弾きがいがあるのよね」
未央「大丈夫じゃないかな、みうみうも良いって言ってくれると思うけどなあ」
ガチャっ
美羽「おはようございまーす」
未央「おっはようっ!」
久美子「おはよう美羽ちゃん」
美羽「未央ちゃん、ありがとう…あの袋はそういう意味だったんだね…」
未央「え?あー、あの袋かー。うん、どうだった?」
美羽「恥ずかしかったですっ!一緒にいるところで開けちゃって」
未央「ええーっ!あの後で二人一緒だったの!?」
久美子「あら何かしら、その話は私も詳しく聞きたいわね」
美羽の惚気話に聞いている二人の方が恥ずかしくなってしまうのは時間の問題だったらしい…
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あとがき
飛神宮子です。
今更ですが福袋ネタ。でもせっかくこの組み合わせで久美子さんの誕生日なのでこの日に合わせました。
そういえばもうここ数年買いに行ってないなあ…あまりこういうの興味ないんですよね。
さて話は変わりますが実はよく見るととある未央のセリフに「いま…い…かな」と入っています。暇なら探してみてください。
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2016・01・21THU
飛神宮子
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