The 1st Kana's Meeting(第一回加奈ちゃん会議)

美羽「二人一緒のオフって久しぶりだね」
加奈「うん。休日でも私は寮で美羽ちゃんは自宅だからそれも難しいよね」
美羽「それで今日は…プロデューサーさんもいないから特にできることもないし…」
加奈「美羽ちゃんのプロデューサーは台湾?」
美羽「そうだよ。参加する人も多いから、いの一番に選ばれたみたい。加奈ちゃんのとこは?」
加奈「私のところは今日はノーブルの収録だったかな。それで確かいないはずだよ」
美羽「それならどうしよう。このまま加奈ちゃんの部屋にいるだけっていうのもね」
加奈「でも洗濯も掃除も終わってるし…」
スッスッスッ
加奈「レッスン場も埋まってるかあ…」
美羽「本当?うわっ、夕方まで誰かしら入ってるっ」
加奈「トレーナーも台湾に行った人がいるから仕方ないよ」
美羽「うーん…それならいっそのこと一緒に出かけちゃう?」
加奈「そうだね、何もしていないのももったいないもんっ」
美羽「…あ、そうだっ!それなら練習にもなるかもだからカラオケとかどうかなっ?」
加奈「それいいかも…それでも近くのカラオケ店は今日はいっぱいかもね」
美羽「確かにそうかも。それじゃあちょっと聞いてみた方がいいかな…」
 
藍子「それでは、第1回加奈ちゃん会議を始めますっ」
美羽・肇『ワーー!』
パチパチパチパチ
加奈「えっ…?えっ??ど、どういうことなの美羽ちゃん」
美羽「それがね…」
 
☆ポジ☆ノス☆ (5)
藍子さん今大丈夫ですか

藍子 美羽ちゃんどうしました?

事務所の寮の近くのカラオケって知りません?
加奈ちゃんと行こうかなって話で

藍子 カラオケ屋さんですか、ちょっと待ってください
藍子 少し遠くなってもいいですか?

どれくらいですか

藍子 歩いて30分くらいの所に、前に未央ちゃんが言ってた

あの事務所の色んな人が常連だって

藍子 はい
藍子 確か地図もありますから後で送ります。
藍子 何時くらいですか?

11時くらいから入りたいなーって

藍子 分かりました
 
藍子「そういうわけなんです」
加奈「それじゃあどういうわけか分からないよ、藍子ちゃん。それに肇ちゃんまでっ」
「私は藍子ちゃんに誘われて…特に用事もありませんでしたし」
美羽「藍子さんが時間を聞いたのはそういうことだったんですね」
藍子「加奈ちゃんと一緒って聞いたからビビカラで集まれたらなーって思ったんです」
加奈「もう、それなら言ってくれれば良かったのに」
「それで藍子ちゃん、加奈ちゃん会議とは何をするんですか?」
藍子「そうですね、私は茜ちゃん主催で『藍子ちゃん会議』をされた時は着せ替え人形にされましたけど…」
加奈「ええっ!?私そんなことさせられちゃうのっ!?ここカラオケ屋だよっ」
美羽「それはちょっとカラオケしてからにしましょうっ」
加奈「そうだね、美羽ちゃん」
「では誰から歌います?」
加奈「ここは…提案した美羽ちゃんからでいいと思うよっ」
美羽「私から?分かったよ加奈ちゃん、一番年下でもあるし切り込み隊長させてもらいますっ」
………
加奈「ここですか?藍子ちゃん」
藍子「はい。私が着せ替え人形させられた時はここでした」
加奈「そ、それで私は何をされちゃうの?」
美羽「藍子さん説明お願いします」
藍子「そうですね、今から3時までで加奈ちゃんに似合いそうなコーディネートを一人一組選びましょう」
加奈「私はどうしてればいい?」
「加奈ちゃんも自分らしいのを一組選んでみたらどうです?」
加奈「うーん、自信ないなあ…でもちょっと頑張ってみようかな」
美羽「その意気だよっ、加奈ちゃん」
藍子「それでは3時に1階の…そこにある試着室の前に集合しましょう。加奈ちゃんのサイズは……」
 
藍子「ではまずは加奈ちゃん自身のチョイスで…どうぞ〜」
シャーーッ
加奈「どうかなっ?」
「これは…攻めましたね」
美羽「うーん…」
藍子「どうしたんです?美羽ちゃん」
美羽「ちょっと違うかなって」
加奈「里奈さんをイメージしてみたんだけど…ダメだったかな?」
藍子「そうなるとお化粧でしょうか」
「確かに里奈さんははっきりした顔にしていますもんね」
美羽「だから服の方が目立っている感じがすると思いませんか?藍子さん、肇さん」
「さすがユニットの相方はよく分かっていますね」
藍子「それなら私のもダメかも…次、私でいいですか?」
「美羽ちゃんはどう?」
美羽「私もいいですよ、肇さん」
藍子「じゃあ次は私のをお願いします、加奈ちゃん」
加奈「うん、じゃあ着替えるね」
 
藍子「では今度は私のチョイスです…どうぞ〜」
シャーーッ
加奈「これって藍子ちゃん…とは違うよねっ」
「何だか見たことはあるような…誰でしょう」
美羽「ん?もしかして…これって夕美さんですか?」
藍子「美羽ちゃん正解〜、少しお姉さんっぽくなるようにしてみたんですけど」
「なるほど…シンプルながらも少し大人なイメージになりますね」
加奈「あっ、そういえばこれがポイントなのかな?」
藍子「夕美さんってウエストを締めるのが好きみたいなんです」
加奈「こういうの着たこと無かったから新鮮だったよ」
美羽「確かにいつ見てもこういうのは着てなかったね」
加奈「うん。こういう腰をキュッと絞るのもアリかな」
「じゃあ次は私でいいですか?」
美羽「はい、肇さんお願いします」
 
「では続いては私のチョイスです…どうぞ」
シャーーッ
美羽「うわぁ…ボーイッシュだっ。でも何だか晴ちゃんとかとは違うね」
藍子「これは誰をイメージしたんですか?」
「ハイティーンなボーイッシュという感じで、アヤさんです」
加奈「あー、そっか。誰だっけってずっと考えてたよ」
藍子「アヤさんはシンプルなのをかっこよく着こなしますよねぇ」
「着飾らないのにそれがカッコ良さを出しているのが素敵だと思います」
加奈「なるほど、着飾らないカッコよさ…メモメモっと」
美羽「加奈ちゃんの服ってフリルとか色々付いてるの多いよねっ」
加奈「お母さんに買ってもらってた時からのイメージなのかな」
「そういうのはありますよね。私も私服となるとなかなかそうは…」
藍子「あはは…そう言われると私も何も言えないです」
加奈「ところで美羽ちゃんはどんなの選んだの?」
美羽「あ、うん。じゃあ今度は私のだねっ」
 
美羽「では最後に私のチョイスです…どうぞっ」
シャーーッ
藍子「んん?シンプルだけど、模様とかは加奈ちゃんっぽくもありますね」
「ただ腰は締まってて…でも夕美さんほどは派手ではなくて…」
加奈「ねえねえ美羽ちゃん、これって誰なの?」
美羽「難しかったみたいですね。コンセプトはシンプルで可愛くて健やか、ネネさんですよっ」
藍子・肇『あーっ!確かにっ』
美羽「加奈ちゃんより年下だけど、似合いそうかなって」
藍子「これは普段一番よく見ている美羽ちゃんだからこそですね」
「そうですね、内助の功とでもいいましょうか」
加奈「そんなこと…恥ずかしいよぉ…」
美羽「あ、ありがとうございます…でいいのかな…?」
藍子「でも皆さん選んだのはそれぞれ加奈ちゃんに似合ってましたね」
「やはり皆さん加奈ちゃんのことが好きですから」
加奈「えへへ、そう言ってもらえると嬉しいよ」
美羽「今日は楽しかったね」
加奈「うんっ、ありがとう美羽ちゃん、藍子ちゃん、肇ちゃん」
そんな加奈の表情は一切の曇りのない満点の笑顔だった…
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あとがき
飛神宮子です。
この作品は当初『はぴ☆かむ』のLilySSになる予定だったのですが、面白くなりそうだったので方針転換しました。
LI○Eのところですが、考えてみたら話の流れから普通に未央が出てきそうですよね(サンノスとポジパの共用グループという設定)。
こんな場末の片隅のような場所ですが、これでも加奈ちゃんの総選挙応援SSです。
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2018・04・23MON
飛神宮子
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