ここは12月も最終週水曜日のとあるラジオ局… |
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アヤ | 「レッドバラードのRED NIGHT BALLAD。水曜日はアタシ、桐野アヤが担当だ」 |
オープニングの音楽が少し落ち着いたところで、ラジオのパーソナリティが話し始めた。 |
アヤ | 「今日は久しぶりに放送日の録って出しなんだ。ゲストに来てもらう人が冬休みに入るまで待ってたんだ」 |
ブースの中にはアヤ…ともう一人いるようだ。 |
アヤ | 「今年ももう年末だな。アタシは今日で納めさせてもらって、早めに地元に帰省になった。向こうでも仕事があるけどさ」 |
こずえ | 「ねー…まだしゃべっちゃ…ダメー…?」 |
アヤ | 「…紹介する手間省けたからいいか。今日のゲストはアタシの相方、遊佐こずえさんだ」 |
こずえ | 「こずえは…遊佐こずえだよぉ」 |
アヤ | 「今日はよろしくな、こずえ」 |
こずえ | 「うんー…頑張るのぉ…」 |
アヤ | 「ま、この子のこっちでの保護者担当も兼ねてるからな。早めの帰省なのもこずえのとこに寄ってからってのもあってさ」 |
こずえ | 「いっしょに帰るの、楽しみー…」 |
アヤ | 「高知から地元に帰るのも大変だけど、これもアタシ達のプロデューサーとかに頼まれてのことだし」 |
こずえ | 「いつもありがとぉ、アヤー…」 |
アヤ | 「いいってことだ。それじゃあCM挟んで1曲掛けてから、こずえに来た質問に答えてもらうぞ」 |
こずえ | 「うんー、どんなのがあるか…わくわくー…」 |
……… |
アヤ | 「お聴きいただいたのは『ハルク・ホーガンのテーマ』でした。ああ、今から楽しみだな」 |
こずえ | 「どうしたのぉ…?」 |
アヤ | 「年明けは3日にこっちに戻る予定なんだ。4日は行く場所があってさ」 |
こずえ | 「そうなんだー…こずえはゆっくりしてくるねー」 |
アヤ | 「ああ、ゆっくり帰って来いよ。リスナーの人はアタシがどこ行くか分かっただろ?思った通りだよ」 |
こずえ | 「もどったらしゅくだいするのー…」 |
アヤ | 「書初めはちゃんとあやめに頼んどいたから」 |
こずえ | 「ありがとー」 |
アヤ | 「じゃあこずえに来た質問に答えてもらおうかな」 |
こずえ | 「はーい」 |
アヤ | 「よし、いい返事だ。まずは…『遊佐さんが一番好きなお仕事は何ですか』だって」 |
こずえ | 「おしごとー?何でも好きだよぉ…」 |
アヤ | 「そうだよな。何でも一度覚えたら器用にこなせる天才型だしさ」 |
こずえ | 「台本おぼえるのは得意だよぉ…」 |
アヤ | 「そうなんだよなー。こずえは本当に覚えるのが早くて、アタシの方が感心するくらいでさ」 |
こずえ | 「アヤはー…ダンスが得意ー」 |
アヤ | 「アタシのことはいいんだって」 |
こずえ | 「こずえが好きなのは…一つあるよー…」 |
アヤ | 「え、あるのか?」 |
こずえ | 「アヤといっしょのおしごと、大好きー…」 |
アヤ | 「まったく…本当に嬉しいこと言ってくれるじゃないかこずえ」 |
こずえ | 「えへー…」 |
アヤ | 「ということで、そういう感じだってさ。じゃあ次のお便りだな」 |
こずえ | 「はーい…」 |
アヤ | 「次は…『遊佐さんはオフの日はどんな風に過ごしてますか』だって」 |
こずえ | 「オフの日ー…?」 |
アヤ | 「オフの日ったって、基本は寮生だもんな」 |
こずえ | 「部屋で本とかー…台本を読んだり…アヤと遊んだり…他のアイドルと遊んだりしてるよぉ」 |
アヤ | 「レッスンが無い時は大体そんなことしてるな」 |
こずえ | 「アヤが見てるテレビ…よこで見たりもするー」 |
アヤ | 「アタシがテレビで格闘技の中継とか録画見てると、いつの間にか横に来てるんだよな」 |
こずえ | 「アヤのよこー、ポカポカだよぉ…」 |
アヤ | 「お、おう。何か急に言われると照れるな」 |
こずえ | 「エヘヘー…」 |
アヤ | 「あとはまあ用事があったらアタシとか、アタシが居なければ他の大人の誰かと一緒に出掛けるとかくらいかな」 |
こずえ | 「お出かけは楽しいねー…」 |
アヤ | 「この前出かけた時に、一緒に食べたパフェは美味しかったな」 |
こずえ | 「甘くてすっぱくて…おいしかったー…」 |
アヤ | 「また今度、志保に教えてもらうからな」 |
こずえ | 「しほの作るパフェもー…おいしいよぉ」 |
アヤ | 「昔取った杵柄ってヤツで、志保は盛り付けも得意なんだよなあ。そっちも今度頼んでみるか」 |
こずえ | 「こたつで食べるのー」 |
アヤ | 「ああ。でもそれも全部年明けな」 |
こずえ | 「おおー…」 |
アヤ | 「さてこの一通を読んだらまたフリートークでもしようか」 |
こずえ | 「どんなのー…?」 |
アヤ | 「えっと…『遊佐さんにとって桐野さんはどんな人ですか?』かあ…」 |
こずえ | 「んーと…アヤはねぇ……」 |
……… |
その後の寮の… |
アヤ | 「ふぃー…今年もこっちでの仕事終わったなーっ!」 |
こずえ | 「アヤとラジオ、楽しかったよぉ…」 |
アヤ | 「千夏さんとか千秋さんがゲストを呼んだことあったからさ、アタシも一度はやってみたかったんだ」 |
こずえ | 「アヤ、すごく楽しそうだったねー」 |
アヤ | 「それはそうさ。結構長く続けてる大切な仕事だから」 |
こずえ | 「そうなんだぁ…」 |
アヤ | 「それにしても…今日はもう地元帰ってる人もいるからちょっと少ないな」 |
こずえ | 「だから広いねー…」 |
アヤ | 「混んでると足伸ばしにくいもんな」 |
こずえ | 「んんー…」 |
アヤ | 「ご飯も済んでるし、お風呂上がったら帰省の最後の準備するぞ」 |
こずえ | 「ふぁーい…」 |
アヤ | 「なんだもう眠いのか?」 |
こずえ | 「ねむくないよぉ…あったかいからー…」 |
アヤ | 「もう蕩けちまってるな。早めに済ませないとか…」 |
こずえ | 「アヤー…ミストサウナ入ってねてくるー…」 |
アヤ | 「分かった…っておいっ!寝てくるなこずえ!」 |
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アヤ | 「荷造りもこれで終わりっと」 |
こずえ | 「おわったぁ…」 |
アヤ | 「帰省前の掃除と洗濯はしてあるし、電気関係も大丈夫だ。あとゴミは明日の朝に捨てればいいな」 |
こずえ | 「お部屋がぴかぴかー」 |
アヤ | 「歯磨きもしてるし点呼も無いから、あとは寝るとするか」 |
こずえ | 「今日はアヤといっしょにねるのー」 |
アヤ | 「うーん、そうだな…明日は一緒に出るしそうしよう」 |
こずえ | 「アヤの部屋のベッドに、れっつごぉ…」 |
アヤ | 「おいこずえ、ちょっと待てって…まあいいけど」 |
こずえ | 「アヤー、はやくー…」 |
アヤ | 「明かりとか消してから行くから、先に布団に入ってろって」 |
こずえ | 「ふぁーい…」 |
帰省前の寒い一夜、二つの寝息が一つのベッドから聞こえ始めるのもそう時間は掛からなかった… |