ある日の寮の談話室… |
珠美 | 「これは…これを全てフェイフェイちゃんが作られたのですか?」 |
菲菲 | 「そうダヨー、でもミユキやナホにも手伝ってもらったヨー」 |
美由紀 | 「フェイフェイちゃん、凄い腕さばきだったんだよ。あっという間に出来ちゃった」 |
菜帆 | 「これはここでいいですか〜?フェイフェイちゃん」 |
菲菲 | 「ウン、それはみんなで分けて食べるんダヨ」 |
珠美 | 「すみません、珠美は稽古が忙しく手伝うことができなくて」 |
美由紀 | 「いいのっ、珠美ちゃんはみゆきと違って部活もやってるんだからねっ」 |
菜帆 | 「そうね〜、こういうのはやれる子がやればいいんですよ」 |
珠美 | 「かたじけない。しかし本当に美味しそうで喉から今にも手が出そうです」 |
菲菲 | 「タマミ、喉から手が出るとは雑技団ミタイネ!」 |
珠美 | 「いえフェイフェイちゃん、今のは物のたとえですから」 |
菜帆 | 「それじゃあ始めましょうか〜」 |
菲菲 | 「ソウダネ、こういう時はどうすればイイノ?」 |
珠美 | 「この中では年長者は菜帆さんですので、菜帆さんお願いできますか?」 |
菜帆 | 「あらそうですね、それじゃあ皆さん飲み物はコップに入ってますか〜?」 |
3人 | 『ハーイ』 |
菜帆 | 「では…からぱれのライブお疲れさまでした〜、カンパ〜イ」 |
3人 | 『カンパーイ』 |
チンッ |
これはどうやらライブのささやかな打ち上げのようだ。 |
珠美 | 「そういえばプロデューサーはどうされたんですか?」 |
美由紀 | 「今日は来れそうに無いって言ってたよ」 |
菲菲 | 「プロデューサーさんも忙しそうネー、また新しいお仕事が決まるカモとか言ってたんダヨー」 |
菜帆 | 「これは美由紀ちゃんしばらくこっちにいることになりそうかしら〜?」 |
珠美 | 「しかし今回のライブの成功の一番の功労者でもあるプロデューサーが来られないとは…」 |
菜帆 | 「こればかりはしょうがないですね〜、それならあとでこの料理を届けましょうか〜?」 |
珠美 | 「それはいいですな。…と、珠美たちまだ頂いてなかったですね」 |
菲菲 | 「みんな食べてヨー、ふぇいふぇいとミユキやナホとの自信作ダヨー」 |
菜帆 | 「これはカニ玉ですよ〜」 |
美由紀 | 「みゆきが家から送ってもらったカニで作ったよっ」 |
菲菲 | 「そしてこれがふぇいふぇいの得意料理!チャーハンネー」 |
珠美 | 「あむっ…んっ…ごくんっ…ご飯がパラパラで味もまるでプロですよ!」 |
菲菲 | 「そう言ってもらえると嬉しいヨー」 |
美由紀 | 「やっぱり本物のカニを使うと美味しいね、菜帆ちゃん」 |
菜帆 | 「そうですね〜、ちょっと身を出すのは大変でした〜」 |
珠美 | 「この新鮮なカニの旨みは素晴らしいですよ!」 |
菲菲 | 「カニ玉は中華料理っぽいケド、実は日本で作られた中華料理なんダヨー」 |
珠美 | 「そうだったんですか!てっきりあのCMの印象で中国のものかと思っていました」 |
菜帆 | 「私もさっきフェイフェイちゃんに聞いて驚いちゃったんです〜」 |
美由紀 | 「みゆきも『カニ玉作れる?』って聞いたけどフェイフェイちゃん苦笑いしてたね」 |
珠美 | 「これは面白い話ですな」 |
菲菲 | 「最近はあっちの方で日本人が多いトコロとかにも入ってるとか言ってタヨ」 |
菜帆 | 「そうなんですか〜」 |
そこに… |
P | 「お、美味しそうだな」 |
菲菲 | 「プロデューサーさん、来てくれたノネー」 |
美由紀 | 「あれっ?今日は来れないって言ってたよねっ?」 |
P | 「せっかくお呼ばれしたから何とか片付けて来たんだよ」 |
菜帆 | 「あらあら〜、それじゃあプロデューサーさんの分のお皿も用意してきますね〜」 |
珠美 | 「プロデューサーはこちらへどうぞ。飲み物は何を飲まれますか?」 |
P | 「それならお茶をもらおうかな。それにしてもこれは誰が作ったんだい?」 |
菲菲 | 「これはミユキとナホとふぇいふぇいで作ったヨー。カニはミユキが持ってきたからネー」 |
P | 「またこれは美由紀の親にお礼しておかないとな」 |
菜帆 | 「はいプロデューサーさん、このお皿に取ってください〜。あとこれがプロデューサーさんのチャーハンです〜」 |
P | 「ありがとう菜帆。中華料理は…うん、美味しい…菲菲の得意分野だな」 |
菲菲 | 「ありがとネー、ついつい気合入っちゃったんダヨー」 |
菜帆 | 「本当は揚げ物も作りたかったんですけど、それは止められちゃいました〜」 |
P | 「寮だしなあ…それは仕方ないさ。こっちの焼売も食べていいの?」 |
菲菲 | 「いいケドー、プロデューサーさん食べ過ぎないデヨー。デザートもあるんダヨー」 |
P | 「お、そうなのか。菲菲が言うってことはデザートも中華かな?」 |
美由紀 | 「ちょっと味見したけどすっごく美味しいよ」 |
P | 「それは楽しみだな、美由紀も一緒に作ってたってことか」 |
菜帆 | 「皆さんが食べ終わったら冷蔵庫から持ってきますね〜」 |
……… |
デザートの杏仁豆腐も食べ終わり… |
P | 「それはそうとこれだけご馳走されたらこっちもプレゼントしないとな」 |
珠美 | 「何かあったのですか?」 |
P | 「ここに来る前の電話とかメールのやり取りで粗方内容が決まったから伝えておこうか」 |
菲菲 | 「次のお仕事決まったノネー?」 |
P | 「そういうことだ。ちょっと美由紀には悪いけどな」 |
美由紀 | 「どうしたの?プロデューサーさん。みゆきはどんなお仕事でも行くよっ」 |
P | 「次のお仕事は九州なんだ」 |
菜帆 | 「九州ですか、実家に帰れますか〜?」 |
P | 「もしだったらそれができるように調整はするけど、会場は長崎だから」 |
珠美 | 「長崎ですか!それなら珠美は帰れそうです」 |
P | 「菜帆の熊本だと若干遠いかな?」 |
菜帆 | 「特急乗るのは慣れているので大丈夫ですよ〜」 |
美由紀 | 「菜帆ちゃんが良ければ菜帆ちゃんの家に一度お泊りさせてもらおうかなっ」 |
菜帆 | 「そうですね〜、それもいいかもしれません」 |
菲菲 | 「それならふぇいふぇいは…」 |
菲菲はチラリと珠美の方へ視線を向けた。 |
珠美 | 「え?あ、珠美の家ですか?んー…珠美の家で良ければフェイフェイちゃんをご招待しますよ」 |
P | 「何だかまた丸く収まったな。でもこれで了承も貰えたみたいだし、話は正式に通しておくよ」 |
菲菲 | 「プロデューサーさん、長崎だと春節祭のイベントになるのカナー?」 |
P | 「お、さすが香港出身だけによく分かったな菲菲。それ関係のイベントの予定だぞ」 |
菲菲 | 「それなら中華街で食材買って珠美の家族にも料理をご披露スルヨー」 |
珠美 | 「そんな、客人にそれは悪いですよ」 |
菲菲 | 「お礼だからイインダヨー、ふぇいふぇいが無理にお願いしたことなんダカラー」 |
珠美 | 「うう…」 |
P | 「まあ珠美もありがたく気持ちを受け取っておいたらいいさ」 |
珠美 | 「分かりました、しかし地元が近いとなると楽しみですな」 |
菜帆 | 「そうですね〜、頑張りがいが出てきます〜」 |
美由紀 | 「プロデューサーさん、次は北海道の仕事も欲しいなーっ」 |
P | 「それは鋭意努力するから、今回はまず頼むよ。あ、美由紀のプロデューサーにもまた調整お願いしないとだなあ」 |
美由紀 | 「それはお願いしますっ!みゆきからもお願いしておくねっ」 |
P | 「ありがとう美由紀。さーってと、そろそろ俺はおいとましないとかな。残りの雑務も少しあるし」 |
珠美 | 「そろそろ食器とかも片付けましょう」 |
菜帆 | 「フェイフェイちゃんそれはこっちにね〜」 |
菲菲 | 「はいヨー、プロデューサーさん事務所に戻るんデショ?これチヒロにお土産ヨー」 |
P | 「お、ありがとな。じゃあ今日明日中にメールで日程とか連絡入れるから待っててな」 |
4人 | 『はい!』 |
この4人なら大丈夫、それを確信したプロデューサーであった… |