ここはとあるプロデューサールーム… |
あずき | 「プロデューサー、ちょっと行ってきてこんなの見付けちゃった」 |
P | 「…中華街行ってきたのか?」 |
あずきにとある衣装を差し出されて戸惑い気味のプロデューサー。 |
あずき | 「うん。お仕事の前に見てこようかなってこの前あいさんと一緒にねっ」 |
P | 「行ってみてどうだった?」 |
あずき | 「楽しかったけど、美味しすぎて食べ過ぎちゃったかも」 |
P | 「スタイルは維持頼む。横に伸びるとあずきにお仕事取れなくなるぞ?」 |
あずき | 「分かってるよっ、そこはお土産持ってった穂乃香ちゃんに扱かれたもん」 |
P | 「でもこれレポートの時に着る気か?」 |
あずき | 「んー、ダメかな?」 |
P | 「一応デートスポットとしてのレポートだからなあ…下手にそういうのは着ない方がいいかもな」 |
あずき | 「じゃあこれ勿体無いなあ、せっかく買ったのに…」 |
P | 「でもあずきが着れる物なんだろう?」 |
あずき | 「むしろ…あずきしか着れないよ。だって…」 |
あずきはそのチャイナドレスを身体にあててみた。 |
P | 「…結構ミニなんだな。あの公演の時の中野さんくらいか?」 |
あずき | 「分かってくれたよね?小さすぎて他のみんな着れないんだっ」 |
P | 「着れないわけじゃないけど…見えちゃうだろうさ。次に小さい忍でも10cm近く違うもんな」 |
あずき | 「あー、プロデューサー妖しい眼してるっ」 |
P | 「ま、そりゃそうなるだろうって。まあ当日の衣装についてはまた後で相談だな」 |
あずき | 「うんっ」 |
P | 「じゃあちょっとこれから俺は他の子の様子見に行ってくるから」 |
……… |
あずき | 「んー、でもせっかく持って来たんだし、一度は見てもらいたいなー」 |
スマホを取り出して何やら思案中のあずき。 |
あずき | 「でも魅せ方が分からないなあ…こういうのは柚ちゃん達よりも…他に実際に着てみた人の方が参考になるよねっ」 |
あずきは昔のイベントで一緒になったある人へと連絡を取り始めた。 |
あずき | 「もしもーし、今時間大丈夫ですかー?」 |
早苗 | 『あら久しぶりね、大丈夫よあずきちゃん。イベント以来関わり無かったから忘れられちゃってると思ったわ』 |
あずき | 「そんなことないですっ、お久しぶりでーす早苗さん」 |
早苗 | 『それでどうしたの?電話してくるってことは何かあったのね』 |
あずき | 「早苗さんって功夫公演に出てましたよね」 |
早苗 | 『ええ、ちょっと懐かしいわー』 |
あずき | 「その時って確かチャイナドレスだった気がするんですけどー」 |
早苗 | 『そうよー。あのスリットがガバッて入ったのね』 |
あずき | 「それでご相談がありまして………」 |
早苗に電話口で事情を説明したあずき。 |
あずき | 「………そういうことなんですけどっ…」 |
早苗 | 『それは見ながらの方がやりやすそうねー。それならそっち行こうかしら』 |
あずき | 「いいんですかっ?」 |
早苗 | 『ええ。もう一人公演で着てた子と一緒に行くから待ってて』 |
あずき | 「はーい、お待ちしてますっ」 |
Pi♪ |
あずき | 「えっとそれなら有香さんも呼んだ方がいいかな…あ、でもどうやって連絡…!!」 |
あずきは周囲を見回して、とある人の姿を見つけた。 |
あずき | 「都さーん!」 |
都 | 「あずきちゃんでしたか。どうしました?」 |
あずき | 「あのお願いがあるんですけど…加奈さんと一緒のユニットでしたよねっ」 |
都 | 「りるすたーの方ですね。はい確かに」 |
あずき | 「あのその加奈さんに連絡って取れますかー?」 |
都 | 「なるほど…分かりました、ちょっと連絡入れてみましょう。加奈さん今の時間は……大丈夫そうですね」 |
あずきにスマホのL○NEを見せる都 |
都 | 「どうぞ、使ってください。しばらくはこのルームを出ない予定ですので」 |
あずき | 「ありがとうございますっ。えっと…『加奈さん、都さんのをお借りしているあずきです。あの…有香さんはお近くにいますでしょうか?』っと」 |
♪〜 |
あずき | 「あ、都合も大丈夫みたいだっ。『すみませんが功夫公演の衣装のお話が聞きたいので、こちらのアイドルルームに来ていただけませんか?』」 |
♪〜 |
あずき | 「……うん、こっちもOKみたいだねっ!よしっと、都さんありがとうございましたー」 |
都 | 「いえいえ」 |
……… |
早苗 | 「へえ、紫色なのね」 |
有香 | 「これ自分で買ったんですか?凄い度胸ですね…」 |
あずき | 「中華街のリポーターをするならどうかなって」 |
清良 | 「あずきちゃんはどういう路線だったかしら?」 |
あずき | 「アタシですか?んーと特にはっ!」 |
有香 | 「ユニットの中では確かセクシー系ですよね」 |
早苗 | 「小さいのにプロポーションがいい、まるであたしみたいね」 |
あずき | 「そうですか?エヘヘっ」 |
清良 | 「まずは私たちみたいに一度着てみたらどうかしら」 |
早苗、清良、有香の3人は公演の時と同様に衣装に身を包んでいた。 |
あずき | 「じゃあちょっと着替えてみてきまーす」 |
|
ガチャっ |
あずき | 「ただいま戻りましたーっ」 |
清良 | 「あら、かなり似合ってるわ。私たちみたいなロングじゃなくて、有香ちゃんみたいなミニね」 |
有香 | 「あたしよりも似合ってる気がします」 |
早苗 | 「短いのは短いのでかなりセクシーになるのよね」 |
有香 | 「長いのは大人が着る物の感じがしますね。あたしにはまだ早い気がして公演の時は短いのでお願いしたんです」 |
清良 | 「武闘家役だと長いとやり辛いかもしれないかしらね」 |
あずき | 「でも清良さんや早苗さんみたいなロングも憧れちゃいますっ」 |
早苗 | 「あらあずきちゃん、それ以上妖艶になってどうするの?」 |
有香 | 「そうですよ。今のあずきちゃんでも充分魅了されてしまうと思います」 |
あずき | 「でももうちょっとセクシーにキメてプロデューサーさんを驚かしてみたいんですっ」 |
清良 | 「そういうことね…そうなるとポーズかしら」 |
早苗 | 「そうねえ…顔立ちも体形も良い物持ってるから、あとオトすなら表情とポーズになるわよね」 |
有香 | 「こ、これは分かりかねますのでお二人にお任せします!」 |
早苗 | 「例えば…身体を前に傾けるだけでも変わるわよね」 |
清良 | 「そうですね。ちょっと胸を強調する感じで」 |
あずき | 「こう…かな?」 |
あずきは顔を前に持ってくるように身体を前に曲げた。 |
有香 | 「あたしも最初のシーンの方でやったんですけど、凄くラインが強調されてしまうんです」 |
清良 | 「いいですね。あずきちゃんは身体のラインが綺麗だからこの方がいいみたい」 |
早苗 | 「それで手は身体をちょっと捻る感じの方がよりいいわね」 |
清良 | 「それなら片方は腰…んー…もうちょっと下の方が良さそう」 |
あずき | 「それなら右に捻って…えっと左はそうなると膝の辺りにしないとっ」 |
早苗 | 「じゃあ右手は腰よりももうちょっとお尻の上くらいね」 |
有香 | 「わわっ!年下なのにとてもあたしが勝てる程では…」 |
清良 | 「有香ちゃんもこういう感じでいけば変わると思いますよ」 |
有香 | 「そうでしょうか…それならば今度あたしのプロデューサーにでも試してみます……」 |
その後、プロデューサーよりも先にフリスクの面々が遊びに来た所で見られてしまい、後々までのネタになるのであった… |