Effect-Efficacy:Develop Friendly ties(効能:友好を深める)

「おつかれさまでしたーっ!」
未央「ありがとうございましたっ!」
藍子「またご一緒できれば嬉しいです」
美羽「次はもっと笑いを取れるように頑張りますっ」
久美子「美羽ちゃん、それは…でもまたこういう機会があればその時はお願いします」
スタッフ『また機会があれば、その時はまた五人ともお願いします。では皆さん今回はこの辺で失礼しますね』
5人『おつかれさまでしたー』
現場から帰るスタッフに手を振っている五人のアイドルがいた。
「いやー、楽しかったですねー」
藍子「本当にもう一泊させていただいていいんですか?プロデューサーさん」
「これは番組側のご厚意だし、それに甘えさせてもらおう」
未央「そっか、本当に一時はどうなることかと思ったよ」
「そうだな…って、二人とも大丈夫だったか?」
久美子「こっちに撮影来るまでかなり時間掛かっていたわね」
美羽「まだちょっとフラフラしますよー」
「温泉に入らずに待っていても良いって言いましたよね…」
久美子「でもここは美人の湯なの。入って損は無いと思ったの」
美羽「露天風呂で景色も良かったんです」
「まあ無事で何よりだった。それじゃあとりあえず一旦中に戻ろう」
………
ここはその一軒宿の中…
「それにしてもここの料理はほんっとうに美味しいですねっ」
美羽「いいなあ、私と久美子さんはお風呂だけだったから茜さんたちが羨ましいです」
久美子「そうね。私たちも早くここの食事を食べてみたいわ」
未央「茜ちん、あーちゃんが残した分も食べたよね」
藍子「でも残してたんじゃなくて私が取っておいた卵焼きまで食べられちゃいました…」
「あれはですね、見ていたらどーしても我慢できなくてつい手が伸びてしまって…」
藍子「もう茜ちゃん、今日の夕ご飯のおかずは分けてあげませんっ」
「藍子ちゃん、申し訳なかったですっ」
未央「それじゃあくみねぇ達はこれからどうするの?」
久美子「うーん、どうかしら。温泉は次は夕食の後でも良さそうね」
美羽「そうですね。温泉半年分くらいは浸かっていた感じですし」
久美子「それは言い過ぎかもしれないけど、もう少し部屋で休んでいようかしら」
未央「私は食事も食べたし、温泉も浸かっちゃったからなー」
「それなら夕食までは…2時間くらいか」
藍子「2時間ですか…茜ちゃんはどうします?」
「私はそうですね、みなさんと一緒なら何でもいいですよっ」
未央「プロデューサーは何か持ってきてたりしないの?」
「俺か?特になあ…仕事関係のもの以外は…ってちょっと待ってくれ。車のトランクに何か入っていたかもしれない」
藍子「それならみんなでプロデューサーの車のトランクを探っちゃいましょう」
久美子「それもそうね。何か面白いものが見られそう」
「おいおい、期待されても困るんだが…」
結局プロデューサーの車のトランクから出てきたトランプやらで遊んで、そしてここは夕食後の大浴場の脱衣所。
「温泉ですねっ、早く入りましょうっ」
未央「私はさっきも入ったけど、露天風呂からはいい眺めだよ」
久美子「何回でも見られる景色よね。夜はどんな景色に見えるのかしら」
美羽「あれ?藍子さんどうしたんですか?」
藍子「皆さんどうしてそんなに…」
未央「またあーちゃんはそういうこと言うー。私とか茜ちんとはもう何回も見あった仲でしょ」
藍子「それでも未央ちゃんだけじゃなくてさらに年下なのに美羽ちゃんにまで…」
未央「みうみうは14歳の子達の中でもスタイルいい方だから!そうだよね?」
美羽「え、えっと…うーん、確かにそう言われたこともあった気がしますね」
「藍子ちゃん、早く入りましょう!」
藍子「うー…分かりました。こうなったら皆さんにも一つだけ恥ずかしがって貰います」
久美子「え、藍子ちゃんその装置は何なのかしら」
藍子「これですか?ラジオ局の人からお借りしてきたんです」
美羽「まさか藍子さん、何か録るってことですか?」
藍子「今週は番組収録で録音放送になってしまったのでラジオで何か使えないかって考えていて、防水耐熱のものをお借りしてきちゃいました」
未央「あーちゃん、この温泉で録るってこと…だよね」
藍子「どんな光景が録れるか楽しみですね〜…うふふ…うふふふふふ」
美羽「わー!藍子さんが壊れちゃいましたー!」
久美子「それならそれでいいじゃない。私は構わないわよ藍子ちゃん」
未央「あーちゃんがそれくらいのことで一緒に入るならいいんじゃない?茜ちんもみうみうもどう?」
「私も大丈夫です。こういうところでも録れるんですね、びっくりしました」
美羽「温泉で音声ん収録ってことですよね?」
久美子「美羽ちゃん、それは寒いわよ…」
美羽「うう…また不発でした。でも私もいいですよっ」
藍子「それならちょっと機材の確認しますね。皆さんは先に入っていてもらえますか?」
………
かぽーん
藍子「音声よしっ…はい、高森藍子のゆるふわタイムです。さてこれはどこで収録しているか、皆さん分かりますか?」
他の4人は声を殺している。
藍子「この音だけでは外だってこと以外は分かりませんよね。さて、まずはここでゲストをお呼びします。私から時計回りで…どうぞ」
美羽「はい。実はちょっと色々あってゆるふわタイムに出る前に少し頭ふわふわになっちゃってました。矢口美羽です、そして…」
「はいっ!ゆるふわタイムを聴いてる皆さんこんにちはっ!」
藍子「茜ちゃん、そんなに大きな声じゃなくても大丈夫ですっ」
「ああ、藍子ちゃんすみませんでした。ボンバー!日野茜です、次どうぞっ!」
久美子「私ね。ゆるふわタイムをお聴きの皆さんこんにちは、松山久美子よ。はい、最後ね」
未央「ゆるふわタイムのリスナーのみんな、お久し振りだね。本田未央です」
藍子「こちらの4人をゲストに迎えてお送りしています。そしてこれをどこで収録しているかというとですね…」
美羽「やっぱり気持ちいいですね、さっきは長く入っていたのでのぼせちゃいましたけど」
「そうですね。この温泉は何に効くんでしょうかっ」
久美子「確か美肌の湯とのことよ。でもいいわよね、この中だと私だけ成人でしょう」
未央「そっか。成人してるのってくみねぇとあとは一緒に来てるプロデューサーくらいだっけ」
久美子「だからみんなの瑞々しい肌が羨ましいわね」
藍子「はい、こういうことなんです。今はもう放送されたかは分かりませんが、温泉の露天風呂で収録しています」
美羽「この露天風呂、遠くに夜景が見えて本当に綺麗なんですよ」
藍子「写真の許可がもらえたら、ホームページに上げておきますね」
久美子「景色の写真だけよ。私たちの姿はテレビの番組で見てもらいたいわ」
藍子「温泉のシーンは未央ちゃんと美羽ちゃん、久美子さんのサンセット組ですからね。私と茜ちゃん、あと未央ちゃんのポジパ組で食事のシーンもあります」
久美子「あ、でも浴衣姿なら1枚くらいはいいんじゃないかしら」
藍子「うーん…そうですね、皆さん後で写真いいですか?」
未央「そんな心配いらないんじゃないかな。ダメって言う人なんていないよあーちゃん」
藍子「ふふっ、そう言ってもらえると嬉しいです未央ちゃん」
美羽「そういえば茜さん、何だかいつもより落ち着いてますね」
「ふっふっふ。私だって温泉の時くらいは落ち着いて…身体は熱くなりますけど楽しみますよ」
久美子「確かにいつもの茜ちゃんよりは少し淑やかな感じね」
「でもやっぱり身体が…うー!」
ザバンっ
茜は温泉から上がって湯船に腰掛けた。
「ちょっと休憩ですっ」
藍子「フフフ、茜ちゃん熱くて全身真っ赤になっちゃてます」
美羽「うう私もっ、ちょっと目がクールクールしそうなのでクールダウンしますー」
ザバッ
美羽も茜の横へと腰掛けた。
未央「みうみう寒いよ、夜だから急に冷え込んだのかな?」
久美子「ええ、しっかり温まりましょう」
美羽「もー、未央ちゃんも久美子さんも酷いですよー!」
藍子「アハハハハ、それで今回のこの録音はこの前収録放送にしたお詫びも兼ねています」
「どうしても藍子ちゃんの番組だけダメだったんですよね」
藍子「このテレビ番組の収録が重なってしまって、それで収録放送になってしまいました」
未央「あーちゃん本当に残念がってたよね。それで機材借りてきてたんだ」
藍子「お詫びに何を録ろうかなって、それなら何やっていたかが一番かなって思ったんです」
美羽「でもこの藍子さんと茜さんの姿がテレビだと見られないんですね」
藍子「うう、見せたくもないですよぉ」
久美子「一度グラビアで水着を見せたんだから、もうこれくらいで怖気づかないでいいじゃないかしら」
藍子「どうなんでしょうか…それとこれとはちょっと、うう…」
ブクブクと口元を湯へと沈めていく藍子。
未央「ほら、あーちゃんが喋らなきゃ。あーちゃんの番組でしょ」
久美子「あら、藍子ちゃんもすっかり赤くなっちゃって」
未央「でも本当に今回は楽しかったなあ。今回の裏話こっちで話しちゃおっか」
美羽「裏話って何かありましたっけ?」
未央「裏話ってほどじゃないんだけどね。実は番組で肌蹴てちらりと見えているかもだけど、茜ちんのね…」
「わー!わー!そのことですかー!」
久美子「あー、あのこと。ええ、話しちゃっていいわよもう…茜ちゃん準備はしっかりしなさいね」
「はい…反省してますっ」
未央「実はあの茜ちんが浴衣の下に着けてたの、あれくみねぇのなんだ」
藍子「ええっ、そうだったんですか?知らなかったです。茜ちゃんの今回のそれは見たことないと思っていましたけど…」
久美子「そうなの。今回は何かあったらって思って、下ろす前の上下で何組か持ってきていて良かったわ」
未央「帰りのだけじゃダメだよって、撮影用に綺麗なのって言ってたじゃん茜ちん」
「それなら私だって裏話しちゃいます!」
美羽「まだあるんですか?私ずっと風呂の方にいたから知らないですけど」
「その美羽ちゃんなんですけど、ここに来る前のサービスエリアでですね…」
美羽「あっ、それは!それだけは茜さーん!」
藍子「何でしょう、まずは聞いてみましょうか」
美羽「そんな殺生なあ…藍子さーん…」
「美羽ちゃんは寝ぼけていたんですかね。起きた瞬間に隣にいた久美子さんのことを『お母さん』って、それがもうっ!」
久美子「あれは精神的にきつかったわよ…」
未央「私とあーちゃんが戻ってきた時に気まずい感じになってたのはそれでだったんだ」
藍子「あの時に謝っていたの、何でって思ってました」
美羽「うう、じゃあ私は…ってこれ暴露大会じゃないですよね」
藍子「そう…でした。あくまで番組の一コーナーとしてですのでそろそろ1本目の時間もいい頃合でしょうか」
未央「そっか。またあーちゃんの番組出たいなあ」
藍子「またゲストとしてお待ちしてますから、タイミングが合えば来てください未央ちゃん」
未央「うんっ!ぜひぜひ呼んでほしいなー」
藍子「それではまず露天風呂からのゆるふわタイムはここまでです。お相手は高森藍子と…」
「日野茜と!」
美羽「矢口美羽と」
久美子「松山久美子と」
未央「本田未央でお送りしましたっ」
 
藍子「…はい、露天風呂での収録分をほぼノーカットでお送りしました。…ここでお便りを………」
………
久美子「あらためて聴くと確かに恥ずかしいものね」
未央「でもあーちゃんはあれで少し吹っ切れたって言ってたよ」
ラジオを前にしている未央と久美子。
久美子「そうなの?そういえば茜ちゃん遅いわね」
未央「茜ちん、みうみうと一緒に来るって言ってたけど…」
ガチャっ
「おはようございまーす!」
美羽「おはようございます!」
未央「おはよー茜ちん、みうみう。ちょっと遅かったなあ、もうあの時の放送終わっちゃったよ」
「終わっちゃいましたか!でも大丈夫です。プロデューサーに頼んで録音しておいてもらっていますから」
久美子「おはよう、あらそうだったのね。それで茜ちゃん手に持っているのは…」
「美羽ちゃんと悩みに悩みに悩んでこれだっ!ていうのを選んできましたっ」
久美子「茜ちゃんのセンスできっと大丈夫…って信じているわ」
美羽「選ぶのを見ていただけですけど、茜さん私から見ても良いのを選んでたと思います」
久美子「あらそうなの。美羽ちゃんがそう言うなら確かね」
そんなことを話しながら、次の収録の打ち合わせのために4人は藍子を待っていたという…
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あとがき
飛神宮子です。
当初はポジパだけで書こうかと思ったのですが、サンセットも好きなのでくっ付けちゃいました。
誰かで温泉は前から考えていたのですが、しっぽりより楽しい方が書きやすいんですよね。
本当はもうちょっと乳繰り合ったりしようかとも思いましたが…この5人なのでそれは無しってことで。
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2015・09・30WED
飛神宮子
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