ここはとある休日のとある階の談話スペース… |
みちる | 「それでは、始めましょう」 |
真尋 | 「私でいいのかな?」 |
亜子 | 「ええよ。真尋ちゃんお願いするわ」 |
真尋 | 「じゃあみちるちゃん、亜子ちゃん、第X回TOK食事会を始めよっ!」 |
みちる・亜子 | 『ワーー!』 |
真尋 | 「ではいただきます!」 |
みちる・亜子 | 『いただきまーす!』 |
時間はお昼時、テーブルには料理とパンが並んでいる。 |
亜子 | 「みちるちゃん、このパンはまた手作りなん?」 |
みちる | 「はい!醗酵のタイミングとかもきちんと調整して最高の一品を作りました」 |
真尋 | 「何も付けなくてもいいくらい美味しいよ、腕上げたねー」 |
みちる | 「ありがとうございます真尋さん」 |
亜子 | 「しっかしこの階は本当に料理人多くて助かるわー。アドバイス貰えるだけでもいいし」 |
真尋 | 「亜子ちゃんとこは?」 |
亜子 | 「アタシのとこはみんな人並みくらいかもしれんなあ」 |
真尋 | 「私の階はスポーツ系の人が多いからねっ、みちるちゃんの階からはいい匂いよく届くよ」 |
みちる | 「この階はプロ級の腕前の人が何人もいますからねー」 |
亜子 | 「お菓子なら愛梨ちゃん、和食なら葵ちゃん、普通に全般いける響子ちゃん、パンのみちるちゃんもだけど揃いも揃ったなあ」 |
真尋 | 「あ、このお肉美味しいっ」 |
亜子 | 「会費上手く調整できたから、ちょっとお高いお肉にしたんやけど…やっぱり違うわ」 |
みちる | 「このお肉、蕩けますねー。野菜も美味しくてこれがまたパンに合います!」 |
亜子 | 「響子ちゃんに、500近く余るこの肉の残りをお礼にこのビーフシチューの仕込みお願いしたら快く引き受けてくれてな」 |
真尋 | 「やっぱり料理が好きな人が作ると違うんだね」 |
みちる | 「あたし基本はパンだからおかずはそう料理してないですね」 |
亜子 | 「アタシも普段作るとしても節約料理になっちゃうし」 |
みちる | 「真尋さんはどうです?」 |
真尋 | 「私?私はそもそもあんまり作らないなー。うどんは地元だからたまに料理して食べるけどねっ」 |
みちる | 「たまにはパンじゃなくてうどんでもいいかもですね」 |
亜子 | 「みちるちゃんがパン以外でも良い言うの珍しいなあ」 |
みちる | 「そもそも皆さん誤解してるんですよねー」 |
真尋 | 「私達はよーく知ってるんだけど」 |
亜子 | 「そもそもアタシ達はどういう繋がりなのか知らん人多いもん」 |
真尋 | 「知ってるのは料理手伝ってもらってる葵ちゃんとかくらいかな」 |
みちる | 「案外他の人のプロフィールって見ないですよね」 |
亜子 | 「あー、それ分かるわ。真尋ちゃんも同じユニットでよう知ってる春菜ちゃんとかなあ」 |
真尋 | 「うんうん。別にメガネは趣味のとこに書いてないもんねっ」 |
みちる | 「えっ!そうだったんですかっ!?」 |
真尋 | 「はるにゃんの趣味って『猫と縁側でお昼寝』だっけ」 |
みちる | 「言われてみれば確かに…。それだと法子ちゃんも正確に言うと長いですし」 |
亜子 | 「そうなん?」 |
みちる | 「はい。確か…『新作ドーナツの試食』だったはずですね…あむっ」 |
亜子 | 「ただドーナツ食べるだけだと思うとったけどちゃうかったんね」 |
真尋 | 「亜子ちゃんのとこは?」 |
亜子 | 「そうやなあ…泉は普通に『プログラミング』やし、ちょっと変わってるのはさくらの方だわ」 |
みちる | 「さくらちゃんは…あれ?何でしたっけ。趣味らしい趣味は聞いたことないです」 |
真尋 | 「答え教えてよ、亜子ちゃんっ」 |
亜子 | 「漠然としてるん。『ピンクのもの集め』なんやて」 |
みちる | 「へー、そうなんですかー」 |
亜子 | 「寮の部屋行ってみると分かるで。アタシの住んでるとこの3階、雪菜ちゃんとこ」 |
真尋 | 「雪菜ちゃんもピンクの好きそうだね」 |
亜子 | 「鋼鉄公演やってからさらに仲深くなったって言うたもんなあ…」 |
みちる | 「なるほどー」 |
真尋 | 「そういえばこの前の魔界公演だっけ、どうだったの?亜子ちゃん」 |
亜子 | 「マッドサイエンティストって難しかったわ。悪者の気持ちって本当に作るの大変やで」 |
みちる | 「途中で裏切ったんでしたよね。亜子ちゃん出ずっぱりでした」 |
亜子 | 「まあ楽しかったけどなあ。でも公演は前回もチョイ役やったけどこれで連投になったしもう暫くはええわ」 |
真尋 | 「私はそういう公演選ばれてないなっ。最後にやったのっていつだったっけってくらい」 |
みちる | 「あたしはそろそろメインやってみたいけど、まずは選んでもらわないとですからね」 |
真尋 | 「そこはこれからの頑張りだね」 |
みちる | 「はいっ」 |
……… |
ガチャガチャガチャ |
食事会も終わり、洗い物を始めた3人。 |
真尋 | 「やっぱり亜子ちゃんに会計任せて正解だね」 |
亜子 | 「そうか?そう言われると何か照れるわ」 |
みちる | 「今から次の会が楽しみですっ」 |
亜子 | 「任せられるなら次回からもアタシってことでええ?」 |
真尋 | 「うんっ。任せるよ亜子ちゃん」 |
亜子 | 「アタシの目もあるけど、真尋ちゃんの足を使った市場調査も役立っとるんよ」 |
真尋 | 「ランニングしてると結構色んなお店見たりするしねー」 |
みちる | 「真尋さん、商店街の人とも仲良いですよね」 |
真尋 | 「挨拶って大切だよー。最近は行ったら何かくれたりオマケしてもらったりもあるしさ」 |
亜子 | 「あそこの商店街、ええ人柄のおっちゃんたち多い思うわ」 |
真尋 | 「それにみちるちゃんの美味しいパンがやっぱりこの会には必要だよね」 |
みちる | 「ありがとうございます。そう言ってもらえると焼いたパンも喜んでくれると思いますよ」 |
亜子 | 「焼き立てで美味しいだけじゃなくて、腕も確かやもん。洋食の時は本当にメイン持ってくこともあるわ」 |
みちる | 「じゃあ次は小麦粉繋がりでうどんも挑戦してみましょうかっ」 |
亜子 | 「次の主菜と相談にもなるけど、たまにはええかもな」 |
真尋 | 「えっ、みちるちゃんうどん打ってくれるのっ!」 |
みちる | 「真尋さん、さっきたまに食べるって言ってましたし。響子ちゃんとかと相談してみます」 |
真尋 | 「嬉しいなー。何かもう次の会が楽しみになってきちゃったっ」 |
亜子 | 「それやったら今度も寒い時期の開催になるやろし、温かいのがええね」 |
真尋 | 「亜子ちゃんは西系の出汁でも大丈夫?」 |
亜子 | 「アタシ?大丈夫だけど」 |
みちる | 「静岡って東の方のタイプでしたっけ」 |
亜子 | 「そうなんやけどな。まあアタシこういう喋り方で分かる思うけど、親は関西やしな」 |
真尋 | 「そういえば前にそんなこと言ってたね」 |
みちる | 「食べ物のそういうところって難しいですよね」 |
真尋 | 「西の方でみんな大丈夫なら、響子ちゃんとか葵ちゃんでも任せられそうだしっ」 |
亜子 | 「響子ちゃんとか西の方の人やったなあ」 |
みちる | 「作るものはまた追々決めましょう。次はいつくらいにします?」 |
亜子 | 「事務所の周年イベント以降はイベント目白押しやしなあ…良さそうなんは正月明けくらい?」 |
真尋 | 「周年とクリスマスの間よりは正月とバレンタインの間の方がいいかなー」 |
みちる | 「そうですねっ、その方向で決めておきましょう」 |
亜子 | 「それくらいならまたいい具合に予算溜まりそうや」 |
みちる | 「まずはこれで養った英気で年末年始まで乗り切りましょう」 |
真尋 | 「そうだねっ」 |
亜子 | 「また笑顔で集まろうな」 |
美味しい食事、そしてその確かな繋がりに三人の顔からは笑顔がなかなか離れていかなかった… |