5 times 14 Passions(5×14の情熱)

ここはとある芸能事務所。ここはどこかパッションなアイドルが多く所属しているようで…
「このユニットで新曲か…タイアップは特撮物の挿入歌だからアイツだけは喜ぶだろうけどな」
そのプロデューサーは、何やら荷物を抱えて5人の待つ会議室へとやってきた。
コンコン
「5人とも来てるかー?」
上田鈴帆(鈴帆)「プロデューサーしゃん、全員おるとね」
「じゃあ入るぞ」
ガチャっ
プロデューサーがドアを開けて入るとそこには…
矢口美羽(美羽)「おはようございますっ、プロデューサーさん」
鈴帆「おはよーございますっ!」
南条光(光)「プロデューサー!おはよう!」
ナターリア「プロデューサーおはようだヨ!まだ寒いネ」
「ん?もう一人…紗南はどうした?」
三好紗南(紗南)「あ、来てたんだ。おはよ、プロデューサーさん」
「紗南はイヤホンをまず外せ。話はそれからだ」
紗南「えっ?ちょっと待って…セーブしてからっと。いいよ〜」
「まったく、これじゃこの先が思いやられる…」
美羽「プロデューサーさん、それで今日は何で集まったんですかっ?」
「ああ、このユニットの新曲が決まったんだ」
鈴帆「またウチ達、歌うことになったとね?」
「そういうことだな」
ナターリア「ナターリア、また歌えるのネ。今度はどんな曲?」
「それはこれから配る書類を見て欲しい。光から一部ずつ取ってくれ」
「はい、鈴帆」
鈴帆「はい、美羽しゃん」
美羽「ナターリアちゃん、はい」
ナターリア「紗南、パスネ」
紗南「はい、プロデューサーさん」
「あれ?何で戻ってきたんだ…あ、予備の分も入れてたか。まずはこれを軽く読んでからな」
「うぉぉっ!?」
やはり反応したのは南条光だった。
ナターリア「コレ何て読む?美羽」
美羽「『劇場版○○ライダー×××挿入歌』だよっ。タイアップ…ですか?」
紗南「何だ、ゲームじゃないの?」
「そういうことだ。光、少し落ち着いてくれ」
「だ、だって○○ライダーって言えば誰もが知ってる特撮だぞ!それの歌なんて凄いじゃないか!」
鈴帆「これって全国公開の映画かね?プロデューサーしゃん」
「もちろんだ。プロモーションビデオも劇中のテレビから流れる形で使われる予定だぞ」
「うぉぉ!!俄然燃えてきたぁ!」
紗南「それで、どうして今日は集まったの〜?」
「今日集まってもらったのは、カップリングも含めた仮歌を聴いてもらうのとビデオのコンセプトのアイディアを貰おうと思ってな」
ナターリア「さっそく聞かせて欲しいヨ〜」
「じゃあこれから一回聞いてもらおうぞ」
………
一度聴き終えて…
「おぉぉっ!これは燃えてくるぜっ!」
鈴帆「ばり元気になる曲たちばい」
美羽「これを私たちで歌うんですねっ」
紗南「これ歌ったら、ゲームの方もタイアップもらえるかな〜?」
「良ければまた使ってもらえるって話は聞いたけどなあ」
ナターリア「これがDVD化されたらリオでも使える〜?」
「どうだろうな、外国だと何とかコードがあるからな…後で調べておくから」
ナターリア「いい返事を期待してるヨ〜」
「ああ、そうだ。テレビ版だけど、資料としてどんな特撮かの映像は貰ってきたからこれも見て欲しい」
 
「こんな感じの特撮だけど、プロモーションビデオをどうするかアイディアを出して欲しい」
鈴帆「プロデューサーしゃん、使われるのは1曲目と2曲目のどっちばい?」
「1曲目の方がエンディングで、2曲目が劇中で流れる方だな。1曲目もビデオは撮るよ」
美羽「映画の中で流れるってことは、印象に残る物の方がいいですねっ」
ナターリア「そうなると普通に歌うより、何かやった方がいいネ〜」
紗南「光は何かアイディアはあるかー?光の守備領域じゃないか?」
「好きだからこそ難しいんだぞ!アタシだって今一生懸命考えてるんだ」
「そういうもんだよな。一つだけ俺もアイディアはあるんだけどさ」
美羽「プロデューサーさんのアイディアって、どんなのなんですか?」
「いやさ、鈴帆にちょっと頑張ってもらってさ」
鈴帆「ウチが何すれば良いとね?」
「ヒーローの光と怪人鈴帆の特撮風にしようかなって、どうかな?」
「ア、アタシが…ヒーローなのか?!」
「そんなのをやってみたいって言ってたのは光の方じゃないか」
鈴帆「ウチが怪人か?あの鏡餅のをやれば良かね?」
「そんな感じでいいんじゃないかな」
美羽「私とナターリアちゃんと紗南ちゃんはどうするんですか?」
「そこだけど…あとはヒロインとレポーターっぽい人と怪人側に一人欲しいんだよな…」
ナターリア「何だか楽しそうネ〜♪ナターリア、面白いのなら何でもいいネ」
紗南「それならナターリアがやったらいいよっ。あたしはそういうのやるガラじゃないよね」
美羽「もう紗南ちゃんそういうの押し付けちゃダメだよ」
ナターリア「ナターリア、そういうのでも構わないヨ〜?」
「よし、ナターリアがそう言うならそれで行くか。悪役の女王様っぽい感じにしようかな」
鈴帆「ナタしゃん、うったち一緒に頑張るばい」
「アタシの方はどっちがやるんだ?」
紗南「どうする?美羽」
美羽「私はどっちでもいいかな。残った方にでいいよっ」
紗南「でもあたし、ヒロインってイメージでも無いからさ。レポーターの方を貰っていい?」
美羽「うん、それで大丈夫かな?」
「よし、じゃあ次は1週間後までにコンテをまとめてくるから。あとデモテープと楽譜も配っておくからある程度までは憶えて来ること」
ナターリア「また日本語と格闘する日々ネ、頑張ってくるヨ〜」
「おぉっし!やるぞぉっ!」
鈴帆「プロデューサーしゃん、後でどんな衣装がいいか教えてくんしゃい」
「了解。鈴帆には2、3日のうちにメールで連絡を入れるよ」
紗南「プロデューサーさん、来週までは無理ゲーだよ。今週発売の新作予約してあるのにー」
「徹ゲー禁止は今週だけ解いてやるから、頑張って来い」
紗南「それなら…うん、やろっかな」
美羽「プロデューサーさん、役作りって必要ですかっ?」
「どうだろうな、歌がメインだからそこまで必要ないかもな」
美羽「で、でも頑張りますね」
鈴帆「一緒ならきっと大丈夫たい、美羽しゃんはそんな心配しなくてもいいとね」
「よし、じゃあ今日はこれで解散。自主レッスンしたい人は申し出て」
全員「「「「「はーい」」」」」
その後のこの5人『Pierzehn』の新曲は、特撮好きにウケてプロモーションDVD付き版が飛ぶように売れたということである…
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あとがき
どもっ、飛神宮子です。
アイドルマスターシンデレラガールズから処女作です。フロントメンバーが5人までなので5人にしました。
というわけで今回は南条光、上田鈴帆、矢口美羽、ナターリア、三好紗南の5人。
この5人の共通点、それは…属性がパッションで14歳。当初は光と鈴帆、それか+ナターリアで書こうと思っていたらいつの間にか…
でも…この5人の他、あのシンデレラガールズの個性的な面々をまとめられる事務所ってすげえ(苦笑)
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2012・04・25WED
飛神宮子
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