Valentine Duet 2018 -B Part-(バレンタインの二重奏2018〔Bパート〕)

海老原菜帆×柳瀬美由紀

ここは14日夕方、寮の二人の居室…
美由紀「菜帆ちゃん、それなにー?」
菜帆「これはですね〜」
ガサガサガサ
美由紀「もしかしてこれ、チョコまん?」
菜帆「そうですよ〜。帰りのコンビニで買ってきちゃいました」
美由紀「美味しそー」
菜帆「レンジで温めて来たので一緒に食べましょー」
美由紀「はーいっ」
菜帆「その前にちゃんと着替えて手を洗ってきてくださいね〜」
美由紀「じゃあ部屋に行ってくるねー」
菜帆「さて私も着替えてきましょうか〜」
………
美由紀「んー、美味しーっ!」
菜帆「このふわふわの生地もちょっとチョコの味ですね〜」
美由紀「ちょっと茶色っぽいもんね」
菜帆「中からとろーりと溶けたチョコがちょっとビターですね」
美由紀「みゆき、また食べたいなー」
菜帆「今度また買ってき…ううん、今度は一緒に買いに行きましょう。今月いっぱいですから〜」
美由紀「うんっ!」
その笑顔こそ最高のエネルギーになるそんな日…

黒川千秋×佐城雪美

ここは14日夕方、寮の二人の居室…
千秋「雪美、ペロはゲージの中ね」
雪美「ん……」
千秋「さて仕上げましょう。チョコペンは…温まったわね」
雪美「温かい……」
千秋「でもちょっと固いから頑張って押し出して」
雪美「顔……ちゃんと描きたい……」
千秋「そうそう、上手よ」
雪美「千秋の描いたの……可愛い……」
千秋「ありがとう雪美、大きいクッキーは雪美が描く?」
雪美「やりたい……」
千秋「それならはい、私はこっちの小さいのを仕上げていくわね」
………
千秋「クッキーもこうして作ると楽しいわね」
雪美「上手くできた……」
千秋「さっそく食べましょう…と言ってもあんまり食べると夕食が食べられないから程々にね」
雪美「残りは……夕食の後……」
千秋「そうね、そうしましょう」
雪美「あむっ……美味しい……」
千秋「美味しく仕上がって良かったわ」
雪美「一緒にできたから……楽しかった……」
静かでもどこか心が通じ合うそんな日…

喜多見柚×桃井あずき

ここは14日夕方、とあるアイドルルーム…
ガチャっ
「あずきチャンお待たせー」
あずき「待ってないよ。お仕事もないのにこっちに来させちゃってゴメンねー」
「いいのいいのっ」
あずき「そういえば柚ちゃんはテストは?」
「アタシは来週の月曜日からだよ」
あずき「あずきは明後日からなんだ。だからこれ渡したらもう試験勉強しないとだよー」
「そっか、でもいいなー。穂乃香ちゃん達も一緒でしょ?」
あずき「それがね…穂乃香ちゃん達も金曜日からだから見てもらえそうにないんだ…」
「そっかー、それじゃあアタシから糖分補給に使ってっ」
あずき「ありがとっ、じゃああずきもっ。これ食べてねー」
「ありがとー。これってお手製…じゃないのは知ってるケドー」
あずき「一緒に買いに行ったもんね」
「試験とかお仕事とか重なっちゃったもん、仕方ないっ」
あずき「今年は週のど真ん中だから作る機会もねー」
「あ、じゃあ今度試験終わった後の泊まる時に何か一緒に作ろうっ」
あずき「お料理大作戦いいねっ、しよしよっ」
「さーてと、アタシはまだ時間あるから寮に寄ってこーかなー」
あずき「あずきの部屋来る?穂乃香ちゃん達は試験勉強してそうだし…あずきもしなきゃだけどね」
「んー、じゃあ穂乃香ちゃん達のとこもちょっかい出してから帰ろうかなー」
心の通じ合える相手とだからこんなバカもできるそんな日…

荒木比奈×上条春菜

ここは14日昼、寮の春菜と千枝の居室…
比奈「春菜ちゃん、ここはこっちの式っスよ」
春菜「確かにそうですね…これでよしっと」
比奈「その調子っス。そういえば千枝ちゃんは今日は何時に帰ってくるんスか?」
春菜「確か今日は5時間の日なので4時には戻ってきますよ」
比奈「それまでに退散しないとっスねぇ…あぁ温い温い…」
春菜「コタツから抜け出しそうにない体勢で言わないでください」
比奈「そんなこと言っても、春菜ちゃんが寒いから温まってくださいって言ったんじゃないスか」
春菜「それは寒い所を来てもらったからで…」
比奈「テスト期間なのをいいことに二人きりになれる場所を指定したのはどこの誰っスかねぇ」
春菜「うう、だって渡すところって見られたら恥ずかしいじゃないですか…」
比奈「春菜ちゃんはそういう純情なところがあるんスよね」
春菜「はい…そうかもしれないですね」
比奈「じゃあこれ食べたら帰るっスよ」
春菜「そうしてください」
比奈「しかしよく作ったっスね、メガネ型チョコなんて」
春菜「何度か失敗しましたけど、プロデューサーさん用に1個とコレは何とか仕上げました」
比奈「というかこれ、どうやって作ったんスか?」
春菜「それは企業秘密です…あれ?」
比奈「どうしたんスか…ああ、これはこっちじゃなくて次のこっちっスよ」
貴女のためにだからこそと思うことができるそんな日…

藤居朋×依田芳乃

ここは14日夕方、寮の朋の居室…
「芳乃ちゃんお帰りなさい」
芳乃「ただいまなのでしてー」
「外は寒かったでしょ、コタツ入ってて」
芳乃「はいー。それにしてもなにゆえにわたくしをー?」
「注文したのが一昨日届いたのよ。一緒に食べましょう」
芳乃「あのちょこれいとでありますねー」
「さっきちょっと開けてみたけど、アタシもまだ食べてはいないわよ」
トンっ ザラザラザラ ザラザラザラ
芳乃「おおー、一見すると南部せんべいのように見えましたがー」
「どうぞ芳乃ちゃん召し上がれ」
芳乃「朋殿、お先にいただきますー…あむっ」
「それじゃあアタシも一つ…あーんっ」
芳乃「ほぉ…不思議な感じですなー」
「アタシはあんまり南部せんべいは馴染みがないんだけど、お菓子としては美味しいわね」
芳乃「普通のこれはー、少ししょっぱいくらいのゴマや落花生の入った物でしてー」
「そうなのね、でもせんべい好きの芳乃ちゃんにしてみたらどう?」
芳乃「これはこれで美味しいですー」
「良かったわ。まだまだあるからいつでも食べに来てもらっていいわよ」
芳乃「そうですなー…さっそく今日の夜にでもー」
「え?」
芳乃「朋殿に教えていただきたい勉強がありましてー」
「…アタシのできる範囲ならね」
割れているせんべいを前にしても割れない愛が見えるそんな日…
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あとがき
飛神宮子です。
Bパートですが、ここもまだ普通のカップルです。
これでもまだ増やしたいカップルいるんですが、これ以上となると雪だるま式に増えていくわけで…。この話はCパートの方で。
それでは以下に1行ずつそれぞれの後書きというか解説を。
 
海老原菜帆×柳瀬美由紀:この時期はコンビニでもチョコまんが出てますよね。私はピザまんが好きですが…。
黒川千秋×佐城雪美:ネコのチョコクッキーが作れるキットです。一緒に作ったからこそ美味しいものです。
喜多見柚×桃井あずき:フリスクのもう一組。こちらもやっぱり一緒に買いに行ったようで…この二人の仲ですから。
荒木比奈×上条春菜:人生の先輩として高校くらいならは教えられる立場でしょう。それにしても春菜の今年のチョコは…ねえ。
藤居朋×依田芳乃:南部せんべいは作者が個人的に好きなせんべいです。芳乃の倖せが朋にとっても幸せなんです。
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2018・02・14WED
飛神宮子
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