The Beginning of the two Princesses(二人の姫の初め事)

1月3日の夕方の寮の廊下…
アーニャ「ミナミィ、ただいまです」
美波「アーニャちゃんも今日だったのね、おかえりなさい。故郷はどうだった?」
アーニャ「久しぶりでしたね、パパやママにベッタリでした」
美波「ゆっくりできたみたいで良かったわね」
アーニャ「ミナミィも今日帰りでしたね?」
美波「ええ、良いリフレッシュになったかな」
アーニャ「新しいミナミ、見れますね」
美波「そうかもしれないわね、アーニャちゃん」
アーニャ「フレッシュなミナミ、楽しみです」
美波「フフッ、そういえばアーニャちゃんは夕ご飯どうするの?」
アーニャ「ウージン…夕ご飯…ですか?」
美波「明日からだから今日までは出ないのよ」
アーニャ「アー…忘れていましたね…」
美波「それなら一緒に食べよっか。久しぶりに地元に帰ったから、地元の味をご馳走するわ」
アーニャ「ハラショー!ミナミ、優しいです」
………
♪〜
美波「はーい」
ガチャっ
アーニャ「ミナミィ、お邪魔しますね」
美波「どうぞ、入って」
アーニャ「ダー」
バタンッ
美波「ちょっと待ってね、今準備してるから」
アーニャ「焼きそばにイーツォ…卵、ソースに…キャベツ…あと、このボウルはなんでしょうね」
美波「あとはこれとこれも…」
アーニャ「それはお肉とルスツキィパッソリ…もやしですか?」
美波「ええ、あとこの天かすも無いとね」
アーニャ「何ができるか、とても楽しみですね」
美波「じゃあ作るわよ、ホットプレートはもう温まってるから油を敷いて…」
 
アーニャ「ミナミィ、とても美味しいです!」
美波「アーニャちゃんの口に合って良かったわ」
アーニャ「これは何という料理なんですか?」
美波「これが私たち広島で言うところの『お好み焼き』なの」
アーニャ「お好み…焼き…前に食べた物とは違いますね」
美波「お好み焼きは大きく分けると大阪の物と広島の物とあって、作り方も違うのよ」
アーニャ「そうなんですね。前に私が食べたのはミクと一緒の時でした」
美波「みくちゃんは大阪出身だものね」
アーニャ「どっちも違う味で美味しいですね」
美波「そうね、それは認めるわ」
アーニャ「まだ食べられますか?」
美波「おかわり?2枚分あるからもう1枚焼くわね」
アーニャ「ミナミのひっくり返し方、とても上手でした」
美波「ありがとう、これだけはさすがにアーニャちゃんにはさせられないわ」
アーニャ「難しい…ですね」
美波「ええ。この量だもの。綺麗にひっくり返すのはコツが大事なの…」
………
美波「ふぅ…寮のお風呂はこうやって足がちゃんと伸ばせて気持ちいい…」
アーニャ「家のヴァンナ…お風呂は小さい…ですね」
美波「何だかやっと寮に戻ってきた感じがするわ」
アーニャ「人は少ないです、でも色んな人の声聞こえてきます」
美波「まだみんな戻ってきてるわけじゃないけど、知っている人の顔が多く見れて安心するね」
アーニャ「ここはきっと、もう一つの故郷です」
美波「そうかも…安心できる場所だもの」
アーニャ「ダー」
美波「アーニャちゃんって明日はお仕事?」
アーニャ「明日は取材とグラビアの撮影ですね。ミナミは?」
美波「私は明日は無いけど事務所には顔を出そうかなって。お土産も持っていきたいし」
アーニャ「私もお土産たくさんあります。一緒に行きましょう」
美波「そうね、そうしましょう」
 
アーニャ「そういえばミナミに聞きたいこと、ありますね」
美波「何かしら?アーニャちゃん」
アーニャ「実家にいる時、聞きました。ミナミ、ヒメハジメって何ですか?」
美波「ひ…ひめ…その言葉はダメーっ!」
アーニャ「ミナミィ!?」
美波「あのね、後でちゃんと教えてあげるから。人がいるところでは喋っちゃダメな言葉よ」
アーニャ「???わかりました。後で教えてくれますね」
美波「…ええ。ねえ、アーニャちゃん」
アーニャ「ミナミ、どうしました?」
美波「後で教えてあげるけど、絶対に口外しちゃダメよ」
アーニャ「???ダー…」
………
そして風呂上りの後の美波の部屋…
美波「じゃあ教えるわね」
アーニャ「ダー。ヒメハジメってなんのことですか?」
美波「いくつか意味があるの。基本的には新年最初に『ひめ』ということを始めるって意味なの」
アーニャ「プリンセッサ…お姫様…ですか?」
美波「その字の『ひめ』もあるらしいわ。柔らかいごはんのことを姫飯(ひめいい)って言ったりね」
アーニャ「お正月はお米を食べないですか?」
美波「めでたいから赤飯とかおこわ、あとお餅なんかを食べるからじゃないかしら。あと他にも色々あるんだけれど…」
アーニャ「いっぱい意味があるんですね」
美波「ええ。それともう一つ、大事な意味があるの。それは…」
アーニャ「それは…?」
ドサンっ
美波はアナスタシアをベッドへと押し倒した。
アーニャ「ミナミィ、どうしました?」
チュゥゥッ
アーニャ「……ぷはぁっ、ミナミィ急にどうしました!?」
美波「…はあっ…あのね、『ひめ』って秘め事って意味があるの」
アーニャ「秘め事…ですか?」
美波「つまり…エッチするって事よ」
アーニャ「ミナミィ…」
美波「ねえアーニャちゃん、私もう我慢できないの…」
アーニャ「ミナミ…私ももう疼いてますね…」
美波「アーニャちゃん…姫初め…してもいい?」
アーニャ「ダー…ヒメハジメ…しましょう…」
二人は秘める事の無くなるくらいに、会えなかった時間を埋める秘め事が続いていく…
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あとがき
飛神宮子です。
今月のLily枠4発目、ラブライカこと新田ーニャです。
そろそろ帰省組も戻り始める頃。この二人もちょっと早めの3日の帰寮。
結局最後はおっ始めちゃいましたが…好きなんだから仕方ないですね(たぶん)
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2019・01・03THU
飛神宮子
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