Four Big taking in Advance Fruit(先採れの大きな4つの実)

とある休日。学生にとっては休日こそがアイドルとしての主たる活動日である。
沙織「ここまで来たら後には引げねぇべさ、風香さん」
たとえ高卒以上のアイドルでも、高校生以下のアイドルとのユニットならば結果としてそうなるわけで…
風香「まだ慣れてはないですけれど…頑張りましょう、沙織さん」
沙織「ああ、もう着替えちまったんだぁ。あどはカメラマンさ綺麗に撮っでもらうべ」
風香「アイドルですからこういうのも撮られ慣れないと…」
スタッフ『はーい、奥山さん、浅野さん、入りまーす!』
沙織「せっかぐ雑誌の表紙に使って貰うんだぁ、わー達の魅力を存分に出すていごうな」
風香「はいっ…」
………
カメラマン『はい、次は浅野さん後ろから奥山さんに抱きつくカンジでっ』
風香「こう…ですか?」
パシャパシャパシャ
カメラマン『そうよ、それでちょっと奥山さんは驚いた表情できるかしら?』
沙織「難しいけんどやってみます」
カメラマン『それそれ、浅野さんは笑顔…もうちょっと子供っぽくでいいわ』
風香「分かりました…」
パシャパシャパシャ
カメラマン『あとはそうねえ…二人であのスライダーを一緒に滑ってきてもらおうかしら』
沙織「風香ちゃんはあのスライダー大丈夫だか?」
風香「たぶん大丈夫かと思います」
カメラマン『映像たんとー!次はスライダーの撮影行くわよー』
 
ウォータースライダーのスタート地点へと来た二人。
風香「このチューブで二人一緒ですか?」
カメラマン『そうねぇ。んー…浅野さんの方が大きいのよね』
風香「はい」
沙織「わだすの方が年上だすけど、風香ちゃんでっけぇもんなあ」
風香「それなら私が後ろですね…」
カメラマン『それで奥山さんが前で腰辺りで手を回す形でいいわね』
沙織「眼鏡は大丈夫ですか?プロデューサー」
「眼鏡はいくらでも予備があるんだよなあ…好きなだけ使ってくれって言われてるしさ」
風香「春菜さん…ですよね」
「ああ…絶対に二人には眼鏡が似合う。眼鏡の無いグラビアなんて許しませんって…半ば強制されたんだよ…」
カメラマン『確かに二人とも似合うのよねえ…だからプールの撮影とはいえ眼鏡はそのままにしてもらってるけども』
沙織「んなら、まんず風香さん座ってもらえるか?」
風香「こんな感じで…よいしょっ…いいですね」
沙織「そんで足さ広げてくれな。その間にわだすが入るすけ」
風香「はい、どうぞ沙織さん」
沙織「おいしょっと…ああ、風香さんの身体あったけぇなあ」
風香「沙織さんの背中も温かいです」
カメラマン『あとはさっき言った感じでお願いね』
風香「沙織さんいきますよ、えいっ」
風香の腕が後ろから沙織の腰へと回された。
沙織「女同士でもこれはすんげぇしょしいわ。風香さんの当たっとるべな」
風香「うう、そう言われるとこっちまで恥ずかしくなっちゃいます…」
沙織「でもこれは撮影らすけ、ここは落ち着いて撮ってもらわんと」
風香「そうですね…やりましょう」
カメラマン『それじゃあ下の撮影班の確認してからね』
………
カメラマン『はーい、この時間の撮影はここまでよー。後半の撮影の夜まで休憩ねー』
風香「おつかれさまでした」
沙織「おつかれさまです」
撮影が終わり、スタッフの許へと駆けて来た二人。
カメラマン『二人ともお疲れさま。後半は夜の浴衣姿だからそれまでゆっくり休んでてね』
風香「はい。あの…この水着は本当に頂いて良いんですか?」
カメラマン『水着って一度着た物は他の人には着させられないもの』
沙織「ありがとうございます。すんごくめんこくて、わだすこういうのに憧れでたんです」
風香「また何かの機会があったら着たいですね」
カメラマン『プライベートで着てもらってもこっちは全然構わないわよ』
沙織「そんなら大切に使わせてもらいます」
風香「浴衣の撮影もよろしくお願いします」
二人はスタッフと別れてプロデューサーの許へと向かった。
「はい二人とも、とりあえずこれを羽織っておいて」
風香「ありがとうございます」
沙織「タオルのガウン、あったけぇなあ。ありがとうございますプロデューサー」
「この時期だとやっぱりまだちょっと寒いか」
風香「ちょっとまだ寒いですね」
「でもグラビアはどうしても季節を先取りしないとだからなあ」
沙織「大変だぁ。でもこれで水着の撮影終わってほっとしたなあ風香さん」
風香「はい…こうして見せるのは恥ずかしいですけど…」
「二人とも綺麗だったよ。沙織と風香を推薦して間違いなかったって思ってる」
沙織「ありがとな。そう言ってもらえると頑張れる気がします」
風香「そうですね」
「よし…じゃあこのプールを出たら鍵を渡すから、控え室の部屋から着替えを持って家族風呂に行ってくれるかな」
風香「このガウンのままでいいんですか?」
「かまわないよ。タオルとかは用意してあるからそれを使ってもらえればいいよ」
沙織「そんなら風香さん行くべな」
風香「行きましょう沙織さん」
………
沙織「しっかし前半だけでも大変だったなあ」
風香「少しはしゃぎ過ぎちゃいましたね」
二人は借りている家族風呂の湯船へと浸かっていた。
沙織「風香さんがあんなにアクティブにいくとは思わんかったわ」
風香「ちょっとテンションが上がっちゃったのかもしれません」
沙織「それにしてもなあ…」
ツンッ
風香「ひゃんっ!」
沙織「これもわだすより大きいんだべなあ。布越しでなくこうして見るとよく分かるさね」
風香「沙織さんだって同じくらい…」
つんっ
沙織「やんっ!」
風香「大きいじゃないですか。綺麗で理想な形してます…」
沙織「んだども、スライダーのとことか本当にドキドキが早くなったべな」
風香「それは私もです。こんなに密着する機会なんて、今までなかったですから」
沙織「確かになあ…別の部分は密着したことはあったろも」
風香「別の…?」
沙織「ココらすけね」
チュッ
そう言う沙織の唇は風香のそれへと一直線に進んだ。
風香「沙織さん…」
沙織「こういう格好だと恥ずかしいもんだな…」
風香「でも…嬉しいです。もう1回、今度は私からいいですか?」
沙織「いいべな…」
二人きりの家族風呂の湯船の中…熱と熱情で少し紅い風香の顔が同じような沙織の顔へと近付いていく…
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あとがき
飛神宮子です。
今月は百合百合枠多めに。こちらはピュアリーツインのお二人。
こういう職ですと、季節を先取りしてお仕事をしないとというところはありますよね。
タイトルの「4つの実」ですか?何のことでしょうねえ…FとEが2つずつっぽいですけど。
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2017・06・30FRI
飛神宮子
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