8月末の日のこと… |
くるみ | 「くぅ…ふぅ…」 |
雫 | 「くるみちゃんお疲れですね〜」 |
くるみ | 「できたでしゅよぉ…」 |
雫 | 「ふふっ、まだお祭りの夢でしょうか〜」 |
……… |
遡ること数時間前… |
ガチャっ |
くるみ | 「ただいまでしゅ」 |
雫 | 「お帰りなさい」 |
くるみ | 「ふえぇ…終わったよぉ…」 |
雫 | 「くるみちゃんおつかれさま。お祭りはどうでしたか〜?」 |
くるみ | 「色々あったけど、最後は喜んでもらえたでしゅ」 |
雫 | 「それは良かったですー」 |
くるみ | 「太鼓もみんなでがんばったよぉ」 |
雫 | 「お仕事が無ければ、ぜひ聴きに行きたかったですけどー…聴けなくて残念ですー」 |
くるみ | 「はあ…まだ体に音がひびいてる感じがするでしゅ」 |
雫 | 「ふふっ、本当におつかれさま。こっちに座ってくださいねー」 |
くるみ | 「はぁ〜…落ち着くでしゅよ」 |
雫 | 「くるみちゃん、豆乳飲みますか〜?」 |
くるみ | 「持ってきてもらっても、いいんでしゅか?」 |
雫 | 「いいですよぉ。くるみちゃん、頑張ってきましたから〜」 |
くるみ | 「それならおねがいするでしゅ」 |
雫 | 「は〜い」 |
……… |
くるみ | 「それでそれでっ、真奈美しゃんすごく器用で力持ちでしたよぉ」 |
雫 | 「そうなんですね〜、頼りになりましたね」 |
くるみ | 「うんっ。でも…」 |
雫 | 「でも?」 |
くるみ | 「くるみがもっと力持ちだと思うのは…」 |
ぽふっ |
くるみは隣に座っていた雫の膝へと頭を預けた。 |
くるみ | 「雫しゃんですよぉ」 |
雫 | 「そうですか〜?」 |
くるみ | 「今年は一緒においかわ牧場に行ったでしゅよねぇ」 |
雫 | 「くるみちゃん達の自由研究と私の里帰りで行きましたね〜」 |
くるみ | 「牧場のお仕事をテキパキとしてて、たよりがいのあるお姉しゃんでした」 |
雫 | 「そう言われると照れちゃいます。私がやれることをやっていただけでしたから」 |
くるみ | 「でもあんなに重そうな牛しゃん達のご飯とか、すごくラクラクと運んでたでしゅよ」 |
雫 | 「昔から家のお手伝いしてましたからね〜」 |
くるみ | 「雫しゃんにお世話される牛しゃん、幸せそうだったでしゅ」 |
雫 | 「フフフ、くるみちゃんにそう言ってもらえる牛さんは幸せですね〜」 |
くるみ | 「…あっ…」 |
雫 | 「どうしたの?くるみちゃん」 |
くるみ | 「くるみ…まだ体汚れてるかもなのに雫しゃんにくっついちゃって…」 |
雫 | 「それなら…お風呂行きましょうか」 |
くるみ | 「うんっ…」 |
雫 | 「お風呂で汗を流して、それからゆっくり夕ご飯を食べましょう」 |
くるみ | 「そうでしゅね」 |
雫 | 「まずはお部屋に戻って着替えを持ってきてね、くるみちゃん」 |
くるみ | 「………」 |
雫 | 「くるみちゃん?」 |
くるみ | 「もうちょっとだけ…もうちょっとだけこうしてもいいでしゅか…?」 |
雫 | 「…いいですよ〜」 |
くるみ | 「えへへぇ…あったかいでしゅ…」 |
雫 | 「今日はちょっぴり、甘えん坊さんですね〜」 |
そんなくるみを優しく撫でてあげる雫であった… |
……… |
菜帆 | 「あ、くるみちゃんですね。お仕事おつかれさまでしたー」 |
くるみ | 「あれ?菜帆しゃんでしゅかぁ」 |
雫 | 「今日もお一人でお風呂なんですね〜」 |
くるみ | 「でも何だかうれしそうでしゅ」 |
菜帆 | 「はいー。美由紀ちゃん、今空港で明日にはこっちに着くとさっき連絡が入ったんですー」 |
雫 | 「そうなんですね〜」 |
菜帆 | 「だから明日は迎えに行ったらゆっくり宿題の確認とー、新学期の準備ですねー」 |
くるみ | 「あわわ、もう夏休み終わりだからぁ…」 |
雫 | 「くるみちゃん、宿題はお仕事の前にもう一緒に終わらせましたよ〜?」 |
くるみ | 「んーん、ぞうきんが必要だったかもって」 |
雫 | 「それならタオルもいーっぱいありますから作りましょう〜」 |
くるみ | 「うん…ふわーあ」 |
菜帆 | 「あら、くるみちゃんったら大きなあくびですねー。頑張ってましたからー」 |
雫 | 「くるみちゃん、どうでしたか〜?」 |
菜帆 | 「そうですねー…」 |
真奈美 | 「そうだな…くるみは立ち向かって投げ出さない子だというのがよく分かったよ」 |
くるみ | 「ふえ?」 |
雫 | 「真奈美さんもお風呂だったんですね〜」 |
真奈美 | 「ああ。さすがに今日の本番は身体に堪えたものだよ」 |
菜帆 | 「そうですねー。真剣で決めたことはちゃんとやり抜く気概がありましたー」 |
くるみ | 「うう…照れちゃぅ…」 |
真奈美 | 「おっと、まあでも事実を言ったまでさ。私はくるみを見る目が変わったのは事実だよ」 |
菜帆 | 「はいー」 |
二人の言葉に顔を赤らめるしかないくるみであった… |
……… |
そして色々と済ませて部屋へと戻り… |
雫 | 「くるみちゃん、もう眠たそうですね〜」 |
くるみ | 「う…うん…」 |
雫 | 「それなら今日は早めに休んじゃってください〜」 |
くるみ | 「そうするねぇ…」 |
雫 | 「ベッドまで行けそうですか〜?」 |
くるみ | 「…ふわぁぁぁ…むぅぅぅ…」 |
雫 | 「よぉし、それならしちゃいますよぉ〜!」 |
がばっ |
雫はくるみをお姫様抱っこでも持ち上げた。 |
くるみ | 「ふぁれ?雫しゃん…?」 |
雫 | 「このままベッドに運んじゃいますね〜」 |
くるみ | 「ふぁーい…くぅ…」 |
そのまま雫の腕の中で夢の中へと旅立ったくるみ。 |
雫 | 「フフフ、可愛い寝顔です〜…」 |
ぼふんっ |
雫はくるみをそっとベッドに寝かせて… |
雫 | 「よく頑張りましたの印です〜」 |
チュッ |
そっとくるみの唇へと自らの唇を押し当てた… |