Lacteous Surface(乳白色の水面)

ある日の事務所のアイドルルーム…
「私たちがCMの出演者ですか〜?」
「そうなんだ。346プロのアイドル部門にオファーが来てたんだ」
くるみ「どんなCMなんでしゅか?ぷろでゅーしゃー」
ソファにはプロデューサーと向かい合って雫とくるみの姿があった。
「くるみに良さそうな内容でさ、これが資料だよ」
くるみ「くるみになんでしゅか?なんだろぉ…」
プロデューサーは二人に資料を渡した。
「お風呂の入浴剤なんですね〜」
くるみ「くるみ、入浴剤だいしゅきでしゅ」
「他にもアイドルでお風呂好きはいるんだけど、入浴剤だとってことで勝ち取ってきたよ」
くるみ「くるみのためにでしゅか?ありがとうでしゅ、ぷろでゅーしゃー」
「いいんだよ、アイドルのためなら当然のことだ」
「くるみちゃん、お仕事頑張りましょ〜」
くるみ「はいでしゅっ」
「それじゃあ詳しい話をするから聞いてもらえるかな……」
………
撮影当日…
「よし、これで二人ともいいかな。聞きたいこととかは大丈夫?」
雫・くるみ「もぉ〜大丈夫ですよ〜」 「たぶんいいでしゅよぉ」
プロデューサーと雫たちは楽屋で最終的な打ち合わせをしていた。
「それなら撮影用の衣装に着替えてもらえるかな」
「そこの水着とタオルですよね〜?」
「ああ。あと30分しないくらいでメークさんが来るから、それまでに頼むよ」
「分かりました〜」
「二人だけここに残って着替えてもらうから、貴重品だけは後で預かるからちゃんと確認してね」
くるみ「うんっ…」
「じゃあ現場で最終的な打ち合わせしてくるから、もし何かあったら俺の電話に連絡な」
「はい〜」
ガチャっ バタンッ
プロデューサーは撮影現場へと足を進めていった。
「それじゃあくるみちゃん、着替えましょ〜」
くるみ「そうでしゅね」
「…と、その前に〜」
ガチャンッ
雫は部屋の鍵を下ろした。
「見られちゃったらダメですからね〜」
くるみ「雫しゃん、服はここに置いていいんでしゅよね?」
「はい〜。置いたら最後に…あ、この水着の下に敷いてある布を上から掛ければいいんですね〜」
くるみ「あれが見られちゃったら恥ずかしいでしゅよねぇ」
ススススススススス ススススススススス
着てきた服を少しずつ脱いでいく二人。
「あら〜?くるみちゃん、そのブラジャーは〜」
くるみ「エヘヘ…この前、雫しゃんと一緒に買いに行ったのでしゅ」
「そうだったんですか〜。実は私もぉ…」
くるみ「雫しゃんもだったんでしゅかぁ」
「今日はお揃いですね〜」
くるみ「うれしいでしゅねぇ」
「何だか気分良く撮影ができそうです〜」
くるみ「くるみも、楽しくやれると思うでしゅよぉ」
パチンパチンッ ツツツツツツ パチンパチンッ ツツツツツ
「でも今は早く着替えないとですから〜」
くるみ「そうでしゅねぇ」
脱いだお揃いの下着もテーブルの上の衣類に重ねて二人は優しく布を被せていった。
くるみ「んしょ…んしょ…」
「くるみちゃん、大丈夫ですか〜?」
くるみ「んーっ…入…ったでしゅっ…」
「後ろの方直しますね〜」
くるみ「ありがとうでしゅ」
「はい、これでもぉ〜オッケーですよ〜。下も履いたら、私のもお願いです〜」
くるみ「もちろんでしゅよぉ、んしょ…しょっと、うんっいいでしゅよぉ」
「んーっんっ…うんっ…」
くるみ「雫しゃん、引っ張ってもいいでしゅか?」
「はい〜、お願いします〜」
くるみ「よぉい、しょぉっ…んーしょっ、できたぁ」
「ありがとう、くるみちゃん。私も下を履いて…んっと、うんっ、これでいいですね〜」
くるみ「タオルはまだいいでしゅよねぇ?」
「タオルはメークが終わってからでも着れますから〜」
くるみ「じゃあ来るまで…」
ぴとっ
雫の横へと引っ付いたくるみ。
「フフフ、そうですね〜。ソファで待ちましょ〜」
チュッ
雫もくるみの想いを察して、一つ口付けをしてから笑顔でソファへと移動していった…
………
撮影も順調に終わり…
「今日はお風呂に入ってたのに疲れましたね〜」
くるみ「このお風呂も気持ち良いでしゅぅ…」
寮に戻った二人は寮の大浴場へと入っていた。
「あのお風呂も気持ちよかったですけど〜」
くるみ「でもきんちょうしてたでしゅからぁ…」
「撮影する人がいっぱいいましたからね〜」
くるみ「みんなが見ているお風呂はちょっとこわかったでしゅ」
「寮のお風呂はそんな人達はいませんから、気兼ねせずに入れます〜」
そこに…
ガラガラガラガラ ガラガラガラガラ ピシャンッ
早苗「ふぅ〜、お風呂お風呂っ」
裕子「あれっ?そこに居るのは雫ちゃんとくるみちゃん?」
早苗「あらホントじゃない」
「早苗さんに裕子ちゃん、こんにちは〜」
くるみ「こんにちはでしゅ、早苗しゃん、裕子しゃん」
早苗「今日はCMの撮影って聞いてたけど、もう帰ってたのね」
「はい〜、撮影が順調に終わったので早く帰れました〜」
裕子「どんなCMなんですか?」
くるみ「新しい入浴剤のCMでしゅよぉ」
早苗「なるほど、入浴剤ねぇ…くるみちゃんにはピッタリね」
くるみ「そうでしゅかぁ?エヘヘ…」
裕子「雫ちゃんとくるみちゃん…ムムム…凄い映像が浮かびました!」
早苗「確かにそうよねぇ…撮影はどうだった?」
「とても楽しい現場でした〜。良いCMが出来たと思います〜」
くるみ「雫しゃんがいっしょだったからぁ、心づよかったでしゅ」
早苗「それは良かったわね」
雫とくるみは顔を一度見合わせて…
雫・くるみ『はい(〜/でしゅ)』
二人に笑顔でそう答えた…
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あとがき
飛神宮子です。
今月の百合百合枠1本目は、B.Bです。
秋に入りそろそろ温泉にも良い季節、そうなればやはりCMも先取りですからこの時期かなと。
ただこの二人だと…CMより別の部分に注目されちゃうかもしれないですね…。
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2017・09・30SAT
飛神宮子
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