Under the Hometown sky(故郷の空の下で)

年の瀬のとある商店街…
穂乃香「穂乃香…」
まゆ「まゆ…」
美玲「美玲の…」
三人『杜からのさんぽ道 2018冬〜』
穂乃香「テレビの前の皆さんお元気ですか、綾瀬穂乃香です」
まゆ「この番組をするといよいよって思います、佐久間まゆです」
美玲「もうこの番組も10回目なんだってな!早坂美玲だぞ!」
穂乃香「この番組は私たち宮城親善大使の三人が、県内のまだ知られていないスポットや食を紹介する番組です」
まゆ「もう10回目なんですねぇ…まゆ達がユニットになってからもうそんなに経ちましたかぁ」
美玲「毎年4・8・12月とやってるからなー、見てくれてる人たちに感謝だな」
穂乃香「そうですね、今日もどうぞ最後までご覧いただければと思います」
まゆ「お二人はこの1年どうでしたかぁ?」
美玲「ウチはそうだなあ…劇場の周年曲歌わせてもらったのが一番大きかったな」
テロップ【2018年8月末発表 ガールズ・イン・ザ・フロンティア】
まゆ「あの曲の美玲ちゃんはかっこよかったですねぇ…」
穂乃香「盛り上がる曲ですよね。私もコール…でしたかをつい入れちゃいます」
まゆ「穂乃香さんの気持ち、分かりますねぇ」
美玲「ホノカはどうだったんだ?」
穂乃香「私ですか?私は事務所の方でメインのお仕事を頂きました。久しぶりでしたのでハードな練習をしましたね」
テロップ【2018年9月 第43回マッチフェスティバル】
美玲「あー、マッチフェスティバルはウチもマユもやったけど、事務所で一番昔からやってるイベントだもんな」
まゆ「まゆのために頑張ってくれる人たちのためにもって思いがありました」
穂乃香「あまりに練習をし過ぎそうで、夏美さんと『サウナあるある』?になりそうと言われました」
まゆ「サウナあるある…ですか?」
穂乃香「あの…お互いに相手がやめるまで頑張ってしまって共倒れしてしまうという話みたいです」
美玲「そういう話かー、ウチはそう長く入らないけど夏とかに向けて寮で入ってるの見てると過酷って思うぞ」
まゆ「皆さんそれほどでもないと思いますけどねぇ…」
穂乃香「まゆさんはどうでしたか?」
まゆ「まゆですか?まゆはメイドさんとフルーツがテーマのグラビアで、メインの一人をさせてもらいましたよぉ」
テロップ【2018年9月末発売 雑誌『○○○○』 特集:甘味な誘惑♪フルーティオータム】
美玲「あのマユはウチが言うのもだけど、可愛らしい写真だったな」
穂乃香「ベリーに囲まれたまゆさんが女の子していてとても素敵でした」
まゆ「ありがとうございます。プロデューサーさんを前にしての撮影は少し緊張しちゃいました」
穂乃香「あのパンケーキはお手製って本当ですか?」
まゆ「はい、愛情込めて作りましたよぉ」
美玲「帰ってきてから食べさせてもらったけど美味しかったぞ、さすがだったな」
まゆ「美玲ちゃん、ありがとうございます」
穂乃香「さて、今日の1軒目はこちらです。こちらで今回のゲストの方が待ってますよ」
美玲「え、ゲストいたのか?ウチ聞いてないぞ」
まゆ「こっち方面に帰るってことで、番組が始まる前に呼んだらしいですよぉ」
穂乃香「これに関する裏話は、今度ラジオの方でお話ししますね」
テロップ【J○N系列6局ネット フリルドネットワーク 毎週土曜日11時〜 好評放送中】
まゆ「穂乃香さん、ちゃっかり宣伝してますねぇ…」
ガラガラガラガラ
店員『いらっしゃいませー』
まゆ「おじゃましますねぇ…」
美玲「おじゃまするぞ、はぁ温かー」
穂乃香「おじゃまします、今日はよろしくお願いします」
「みんな遅いよー、そんなに外で喋らなくてもいいじゃんか」
まゆ「今回は忍さんでしたかぁ」
穂乃香「というわけで今回のゲストは、工藤忍さんです」
美玲「シノブかー、ホノカと仲いいもんなー」
「青森出身の工藤忍だよ、今日はみんなよろしくね」
穂乃香「よろしくお願いします」
美玲「それでここは何のお店なんだ?ホノカ」
穂乃香「こちらはですね………」
………
番組が終わりここは…
美玲「この時期に人の家におじゃまするって不思議な気分だなー」
まゆ「ゆっくりくつろいでいってくださいね、みーちゃん」
ここはまゆの実家のまゆの部屋である。
美玲「仙台はよく寄ってるけど、そういえばまゆ姉の家は初めてだな」
まゆ「帰る日とかも別々でしたからねぇ…番組も年末もお盆もみんな実家に帰ってから集合でしたから」
美玲「でもいいよなあ、ホノカ達はあのまま温泉に泊まりだって」
まゆ「忍さんを新幹線途中下車させてまで番組に呼んだみたいですからねぇ…」
美玲「青森までって確か指定じゃないとダメだよな…」
まゆ「もしかしてみーちゃんは話を聞いてません?」
美玲「え?」
まゆ「本当はあのはなれ、穂乃香さんとみーちゃん用だったんですよ」
美玲「その話初耳だぞ!」
まゆ「番組が終わった後、車でぐっすり寝てましたもんね」
美玲「疲れちゃって寝ちゃったんだよなー」
まゆ「スタッフさんの話を総合するとそういうことだったみたいなんです」
美玲「変だとは思ったんだよ。今日だけの番組のはずなのに泊まり用セット持って来いだなんて今まで無かったのにさ」
まゆ「でもスタッフさん、こっちでもホテルは取っててくれてましたけどそっちじゃなくて良かったんですか?」
美玲「んー、ウチは別にそれでも良かったんだけど…」
ぽふっ
美玲はまゆのベッドへと寝転んだ。
美玲「まゆ姉が良いって言ってくれたからそうしようかなって」
まゆ「まゆはみーちゃんなら特に大歓迎なくらいですよ」
美玲「お泊まりセットもあるし、もともと明日まで押さえられてたから帰らないことになってたしさー」
まゆ「そうですねぇ」
美玲「はあ…何だかやっぱり落ち着くなあ」
まゆ「そうですか?」
美玲「薫りっていうか、雰囲気っていうかさ、この部屋はまゆ姉らしさがすっごくあるぞ」
まゆ「そう言ってもらえるとちょっぴり恥ずかしいですけど…ウフフ、ありがとうみーちゃん」
美玲「落ち着けるっていうかさ、寮と同じくらい気持ちいい空間だなって」
まゆ「みーちゃんったらもう…」
ぽふっ
まゆも美玲の横へと寝転んだ。
まゆ「みーちゃんとまさか実家でこうして過ごせるなんて思いませんでした」
美玲「ウチだって、勢いでこういうことになっちゃったけどさ…」
まゆ「今日はゆっくり…」
チュッ
まゆ「地元トークしましょ、みーちゃん」
美玲「まゆ姉…でもそうだな…」
チュウッ
美玲「こっちでしか話せないこと、いっぱいしようまゆ姉」
二人で一つのベッドの中、故郷の空の下で二つの気持ちが溶け合っていく…
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あとがき
飛神宮子です。
Lily枠9発目は、まゆみれです。2本ずつ掲載は今日で今年は最後です。
毎年4・8・12月に収録する地元での番組としました。こういう番組が全国にあってもいいかなって思います。
それで忍は穂乃香からの連絡で急遽仙台で下車することにしてもらったようで…この話は明日のSSに続く予定です。
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2018・12・30SUN
飛神宮子
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