| ♪〜 |
| 三人の聖なる歌が教会に響き渡る… |
| パチパチパチパチパチ |
| その歌へとミサに参加した人から拍手が送られた。 |
| クラリス | 「皆さん、Holy Night Wishへの温かい拍手をありがとうございます」 |
| 聖 | 「皆さん…良いクリスマスを…」 |
| イヴ | 「良い子にはサンタさんがきっと来ますよ〜」 |
| クラリス | 「イヴさん、自分でおっしゃるのはいいのですが…」 |
| 聖 | 「きっと来てくれます…」 |
| イヴ | 「そうですよ〜……」 |
| |
| ここは、楽屋として確保してもらっている教会の一室… |
| クラリス | 「ではイヴさん、聖さんのことをよろしくお願いします」 |
| イヴ | 「はい〜、何時くらいに戻ってこられます?」 |
| クラリス | 「日が回らないくらいには帰って来たいのですが…最後のミサの時間次第ですね」 |
| 聖 | 「もしクラリスさんが帰れないようなら、イヴさんの部屋に居ますね…」 |
| クラリス | 「分かりました。今日が点呼の無い土曜日なのが幸いでした」 |
| イヴ | 「じゃあ行きましょう〜聖ちゃん」 |
| 聖 | 「はい…」 |
| これからミサのお手伝いのあるクラリスを残し、聖とイヴの二人は教会から次のステージへの移動を始めた。 |
| イヴ | 「クラリスさんは今日は夜まで帰って来れないみたいですね〜」 |
| 聖 | 「今日は特に…朝から忙しいみたいで…」 |
| イヴ | 「次のステージはクラリスさんいませんけど頑張りましょうね」 |
| 聖 | 「イヴさんと一緒なら…きっと大丈夫です…」 |
| イヴ | 「寝るまで一緒だと、なお良いんですけど〜」 |
| 聖 | 「…実はさっき教会の人が話してるのを聞きました…」 |
| イヴ | 「聖ちゃん?」 |
| 聖 | 「今日はクラリスさんに…かなり遅くなるから教会に泊まってもらう予定だって…」 |
| イヴ | 「そんな大事なことを言わない悪い子さんにサンタさんはどうしましょうか」 |
| 聖 | 「…あう…」 |
| イヴ | 「さっき聖ちゃんが言ったじゃないですか〜、『良い子の所には来る』って」 |
| 聖 | 「だって…その…」 |
| イヴ | 「その?」 |
| 聖 | 「一緒に過ごせるって…思ったら…」 |
| イヴ | 「でも今日は、私もそんな悪い子と一緒に過ごせるのを楽しみにしてましたから〜」 |
| 聖 | 「イヴさん…」 |
| イヴ | 「一緒に悪魔になっちゃいましょう」 |
| 聖 | 「…はい…!」 |
| ギュっ |
| 二人は手を繋いで次のステージに向かうためにタクシーを拾った… |
| |
| 寮でのクリスマスパーティを終えたその夜… |
| イヴ | 「皆さん喜んでくれましたね〜」 |
| 聖 | 「薫ちゃんや仁奈ちゃんとか小さい子も…凄く笑顔でした…」 |
| イヴ | 「聖ちゃんも手伝ってくれて、ありがとうございます〜」 |
| 聖 | 「それは…イヴさんのためでしたから…ふわぁ…」 |
| イヴ | 「今日は疲れましたね〜」 |
| 聖 | 「お仕事もありましたから…」 |
| イヴ | 「それならお楽しみは今日は無しにしますか〜?」 |
| 聖 | 「…いやです…」 |
| 鍵も閉じられたここはもう二人だけに用意された空間… |
| 聖 | 「誰にも邪魔されない…滅多にない機会だから…」 |
| イヴ | 「聖ちゃん…」 |
| 聖 | 「今日頑張れたのも…このプレゼントがあったからです…」 |
| イヴ | 「それは…」 |
| ギュっ |
| イヴは同じベッドの中にいた聖を抱きしめた。 |
| イヴ | 「私も同じです」 |
| 聖 | 「わたしとイヴさんの…クリスマスプレゼント…」 |
| イヴ | 「そして…」 |
| チュッ |
| 聖の唇にイヴの唇が乗せられた。 |
| イヴ | 「私と聖ちゃんの誕生日プレゼントですから…」 |
| 聖 | 「はい…わたしには少しだけ…早いですけれど…」 |
| イヴ | 「それじゃあ、私のことはいらないですか〜?」 |
| 聖 | 「…イヴさん、意地悪です…」 |
| イヴ | 「分かってますよ〜」 |
| 聖 | 「そんな意地悪な人には…誕生日プレゼントはいらないですよね…」 |
| イヴ | 「うぅ…ゴメンなさい」 |
| 聖 | 「もう一回…」 |
| イヴ | 「もう一回?」 |
| 聖 | 「もう一回、チューしてくれたら許します…」 |
| イヴ | 「…それくらいなら…」 |
| チュッ |
| イヴ | 「何度でもしてあげまs…んんっ!」 |
| チュゥッッ |
| イヴがもう一度唇を預けて離した刹那、今度は聖の方から、それも深い口付けが浴びせられる… |
| 聖 | 「……ふぅ…イヴさんの唇、感触、薫り、味、他もみんな好き…」 |
| イヴ | 「聖ちゃん、いきなりは反則です〜…もうそんな悪い子ちゃんには…」 |
| ツンツン |
| 聖 | 「ひゃんっ…!」 |
| イヴは背中へ回していた腕を少し下ろして、とある場所を突いた。 |
| 聖 | 「あうぅ…意地悪です…」 |
| さわさわさわ ぎゅっぎゅっ |
| イヴ | 「私より大きくて…柔らかくて…いつまでも触っていたくなるんです〜」 |
| 聖 | 「ひゃうぅぅ…そんなされると…気持ちよくて…」 |
| イヴ | 「フフフ、ここ弱いですもんね〜」 |
| 聖 | 「でも…イヴさんに触られるのは…悪い気分じゃないですから」 |
| イヴ | 「あら〜、そうだったんですか〜?」 |
| 聖 | 「そうじゃなかったら…ここまで心許しません…」 |
| イヴ | 「聖ちゃん…」 |
| 聖 | 「イヴさん、大好きっ…」 |
| イヴ | 「私も、聖ちゃんのこと大好きですよ〜」 |
| 聖 | 「その…わたしもイヴさんの…温かいのを感じても…」 |
| イヴ | 「いいですよ〜、もっと聖ちゃんの熱を感じさせてください」 |
| 聖 | 「…イヴさんの温もり…いただきます…」 |
| ぎゅっ |
| 口付けのためにイヴの顔の後ろにあった聖の腕もイヴの脇の下へと挟まれていった。 |
| 聖 | 「イヴさん、誕生日おめでとうございます…それから…メリークリスマスです…」 |
| イヴ | 「メリークリスマス…アンドハッピーバースデー、聖ちゃん」 |
| 二人がそう言葉を交わす頃、時計の針はちょうど0時を指していたという… |