今宵、白い恋の天使が降りてくる… |
聖 | 「やっと終わりましたね、イヴさん」 |
イヴ | 「そうですねー、聖ちゃん」 |
P | 「おつかれさま、今日の仕事はこれで終わりだから楽屋で着替えてね」 |
二人 | 「はーい」 |
ガチャっ |
二人は夕方のテレビ生出演を終え、楽屋へと戻ってきた。 |
イヴ | 「プロデューサーさん、この衣装はどうすればー?」 |
P | 「それは事務所の物だからそのテーブルにある紙袋を一つずつ持って行って脱いだらそれに入れてくれ」 |
聖 | 「イヴさん、紙袋です。あっちの更衣スペースで早く着替えましょう」 |
イヴ | 「そうですねー、今日はまだ別のお仕事もありますし」 |
P | 「他の仕事?」 |
イヴ | 「寮でも頼まれてるんです、楽しいお仕事ですけれどね」 |
P | 「まあそうか。それなら衣装はそのまま貸しておこうか?」 |
聖 | 「いいんですか?」 |
P | 「明日中に返してもらえれば借りて行っても構わないよ。もしだったらここで着替えずにそのまま着て行ってもいいし」 |
聖 | 「どうしますか、イヴさん」 |
イヴ | 「それならお言葉に甘えさせてもらいますー。向こうで着替える手間も省けますしー」 |
P | 「くれぐれも他の人も着るかもしれない衣装だから汚さないようにだけ頼む」 |
イヴ | 「分かりましたー」 |
聖 | 「良かったです…本当に…」 |
イヴ | 「聖ちゃん…この衣装が無かったら…でしたからねぇ…」 |
P | 「ん?」 |
聖 | 「あ、何でも何でもないですっ」 |
P | 「まあそれならいいけど。じゃあ帰れる準備してもらえるかな?」 |
二人 | 「はーい」 |
……… |
そして寮でのパーティを終えて部屋に戻ってきた二人… |
イヴ | 「衣装が借りられて本当に良かったですね、聖ちゃん」 |
聖 | 「はい…去年の衣装が取り出す時にこんななっちゃうなんて…」 |
二人の目の先のテーブルには… |
聖 | 「まさか引っ張ったら真っ二つに裂けちゃうなんて思いませんでした…」 |
イヴ | 「何かに引っかかっていたんでしょうか」 |
見るも無残に二つに引き裂かれた上着があった。どうやら聖用の物らしい。 |
聖 | 「ボタンがタンスの奥の方に引っかかっちゃったみたいで…」 |
イヴ | 「まあもう終わったことは仕方ないですからー、気を落とさないで聖ちゃん」 |
聖 | 「はい…」 |
イヴ | 「もう、そんな顔してたら…」 |
ちゅっ |
イヴは聖の頬へとそっと口付けをした。 |
イヴ | 「この聖夜が台無しですよ」 |
聖 | 「はい…」 |
イヴ | 「フフフ、良い顔です。じゃあ今年もプレゼント配り、頑張りましょうね」 |
聖 | 「今年も頑張ります…」 |
|
最後の部屋まで配り終わり… |
バタンッ ガチャっ |
イヴ | 「聖ちゃん、おつかれさまでした〜」 |
聖 | 「お疲れさまでした、イヴさん」 |
寮の自室へと戻ってきた二人。 |
イヴ | 「今年も皆さんに良いプレゼントが渡せました」 |
聖 | 「サンタからの贈り物、みんな毎年楽しみにしてくれているんですよね…」 |
イヴ | 「はい。明日の笑顔が今から楽しみです〜」 |
聖 | 「そうですね…」 |
イヴ | 「さて、お仕事も終わりましたし、この衣装脱いじゃいましょうか」 |
聖 | 「あ、そうでした。それにこの衣装は借り物だからきちんと片付けないとですね」 |
イヴ | 「さっきもらった紙袋ってどこでしたか〜?」 |
聖 | 「確かこたつの向こうのカバンの所に…それです」 |
イヴ | 「それじゃあ着替えちゃいましょう」 |
聖 | 「じゃあ寝室に行って一緒にイヴさんのパジャマも持ってきますね」 |
イヴ | 「お願いしますー」 |
聖は自身とイヴの寝室へ寝間着を取りに行った。 |
イヴ | 「はあ…この時期が過ぎるとやっと一年が終わった感じがしますね〜…」 |
服を脱ぎながら一心地つくイヴ。 |
イヴ | 「また一年、頑張らないと…ですね」 |
聖 | 「イヴさん、この赤のモコモコでいいですか?」 |
イヴ | 「はいー。今日は寒いですし温かくして眠らないとですねー」 |
聖 | 「そうですね…今日の夜は一段と冷えてますから…」 |
イヴ | 「聖ちゃんも温かそうな緑のモコモコですね〜」 |
聖 | 「はい…今日はクリスマスカラーがいいかなって…」 |
イヴ | 「フフフ、そうですね〜」 |
聖 | 「…でも緑や赤だけじゃなくなるかもですけど…」 |
イヴ | 「…はい?」 |
聖 | 「えっ…?」 |
イヴ | 「聖…ちゃん?」 |
聖 | 「だって…あ、何でもないですイヴさん…」 |
イヴ | 「…聖ちゃん、一緒に寝ましょうね〜(そういうことだったんですね〜)」 |
聖 | 「…はい(分かってくれたんだよね…きっと)」 |
|
そして二人一緒のイヴのベッドの中… |
ぎゅうっ |
イヴ | 「聖ちゃんの身体温かいですよ〜…」 |
聖 | 「はあ…イヴさんの身体も暖かいです…」 |
二人は布団と毛布の中で抱きしめ合って身を寄せていた。 |
聖 | 「あの…イヴさん」 |
イヴ | 「何でしょうか〜聖ちゃん」 |
聖 | 「遅くなっちゃいましたけど…誕生日おめでとうございます…」 |
イヴ | 「フフッ、ありがとうございます聖ちゃん」 |
聖 | 「そういえば言ってなかったなって…何か引っかかってたんです」 |
イヴ | 「でもこうやって言ってもらえるの、本当に嬉しいんですよ」 |
聖 | 「本当はプレゼントも用意してました…でももう遅い時間になっちゃったんで明日渡します」 |
イヴ | 「じゃあ明日はプレゼント交換ですね〜」 |
聖 | 「そうなっちゃいますね…フフッ」 |
イヴ | 「楽しみにしてますからね〜」 |
聖 | 「だからとりあえず今は、この温もりとかをプレゼントです…」 |
イヴ | 「そうですか、それなら…」 |
スルスルスル ツツツ… |
イヴの手が聖の寝間着の隙間へ、そしてその柔肌へと少しずつ滑らせていく… |
聖 | 「イヴさん…」 |
イヴ | 「聖ちゃんも…これもプレゼント交換ですから〜…聖ちゃん自身を…ね」 |
聖 | 「はい…それなら私もイヴさんを…いっぱい…」 |
スルスルスル |
聖もイヴの寝間着の隙間へと、そして素肌へと手を忍ばせて行った。 |
チュゥッ… |
二人だけのクリスマス、天使の営みはまだしばらく終わりそうにない… |