とある日のこと… |
ちゅぷ…ちゅう…ちゅっ…ちゅっ… |
唇の触れ合った場所から放たれる粘性のある水音… |
加奈 | 「美羽…そろそろ起きようよ…」 |
美羽 | 「ええー…でもまだ加奈を十分に補給出来てないもんっ…」 |
加奈 | 「そんなこと言ったって、もう7時を過ぎちゃってるんだよ」 |
美羽 | 「もうそんな時間なんだぁ。名残惜しいけど…」 |
ちゅっ…ちゅうっ… |
美羽は加奈の唇をもう一吸いだけしてやっと放す決心をつけた。 |
加奈 | 「もういい?」 |
美羽 | 「うんっ…」 |
加奈 | 「あらためて…おはよう、美羽ちゃん」 |
美羽 | 「おはよう、加奈ちゃん」 |
抱き付かれていた腕からようやく解放された加奈は一足早くベッドから抜け出した。 |
サーーーーッ |
加奈 | 「ん、んーっ!今日も寒いけどいい天気だなぁ」 |
美羽 | 「んんっ!いきなり眩しいっ!」 |
加奈 | 「ゴメンね、カーテン開けない方が良かったかな?」 |
美羽 | 「ううん、大丈夫だけどちょっとびっくりしただけだからっ」 |
加奈 | 「美羽ちゃんは学校が4連休なんて羨ましいなあ」 |
今日は祝日と土曜日に挟まれた平日であった。 |
美羽 | 「先週の土曜の参観日の振り替えだもん。いいでしょー」 |
加奈 | 「そうじゃなければ昨日から泊まりに来れないもんね」 |
美羽 | 「その分、今日はレッスンとかあるけどねっ。先週の分は今日久美子さんとやることになってるから」 |
加奈 | 「そうなんだ。そっか、大人の人が一緒のユニットだとそうなるんだね」 |
美羽 | 「あ、でも時間大丈夫かな」 |
加奈 | 「レッスンは何時から?」 |
美羽 | 「午後一から2コマだから、3時前には終わるくらいだよ」 |
加奈 | 「それなら鍵は預けておくね。今日は5時前には帰ってくるよ」 |
美羽 | 「了解っ」 |
加奈 | 「それじゃあそろそろ美羽ちゃんも起きてっ」 |
美羽 | 「えー、加奈ちゃんがちゅーしてくれたら起きるっ」 |
加奈 | 「…しょうがない…」 |
ちゅぷっ |
美羽が思ったより長めのキスが美羽の唇を襲った。 |
加奈 | 「これでいいよね」 |
美羽 | 「う、うん…」 |
加奈 | 「ご飯は冷蔵庫に入ってるから、適当に温めて食べてね。私は今から食べに行ってくるよ」 |
美羽 | 「はーい」 |
……… |
加奈 | 「それじゃあ行ってくるから。鍵だけはちゃんとお願いっ」 |
美羽 | 「行ってらっしゃーい…の」 |
チュッ |
加奈 | 「エヘヘ、何だか新婚さんみたいだね」 |
美羽 | 「アハッ、そんな感じだよ」 |
加奈 | 「よし、その心に免じて何か買ってから帰ってくるよ」 |
美羽 | 「いいの?嬉しいなっ」 |
加奈 | 「うん。じゃああらためて行ってくるね」 |
美羽 | 「はーい、行ってらっしゃーい」 |
ガチャっ バタンッ |
美羽は加奈を見送って寝室へと戻り… |
美羽 | 「もうちょっと寝ててもいいよねっ」 |
ぼふんっ |
ベッドへとダイブした。 |
美羽 | 「加奈の薫りがするぅ…」 |
その香りに次第に蕩けていく美羽。 |
美羽 | 「なんか…んっ…ちょっと…どうしよう…」 |
前の日のことを思い出したのか、次第に気持ちが高ぶってきたようだ。 |
美羽 | 「少しだけ…少しだけだから…」 |
ベッドの上、美羽の手は感じるところへと伸びていった… |
……… |
ガチャっ バタンッ |
加奈 | 「美羽ちゃんただいまー」 |
美羽 | 「加奈ちゃんおかえりー」 |
美羽の待っている部屋へと加奈が帰ってきたようだ。 |
加奈 | 「はい、これ約束してたお土産だよ」 |
美羽 | 「え、本当に買ってきてくれたの?ありがとー」 |
加奈 | 「これから着替えてくるから、そのテーブルに置いておいてくれるかな」 |
美羽 | 「うんっ」 |
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美羽 | 「ふー…こうやって脚を伸ばせるのってやっぱりいいなあ」 |
加奈 | 「これはこういうところに住んでいる特権だよ」 |
二人は一緒に大浴場の浴槽へと浸かっていた。 |
美羽 | 「レッスンで疲れたから身体に沁みて気持ちいいよ」 |
加奈 | 「フフフ、本当に気持ちよさそうだね」 |
美羽 | 「今日のレッスンは厳しかったんだっ。久美子さんも負けず嫌いなところあるからね」 |
加奈 | 「そっかあ。明日は私とだけど大丈夫?」 |
美羽 | 「それは…今日の加奈ちゃんしだいかなっ」 |
加奈 | 「それなら今日は…ゆっくり休んでもらうよ」 |
美羽 | 「えっ…」 |
加奈 | 「いつものアレは無しだからね」 |
美羽 | 「ええーっ…」 |
加奈 | 「だって美羽ちゃんが休みたいって言ったんだよ」 |
美羽 | 「でもちょっとくらい…ダメ?」 |
加奈 | 「そうやって上目遣いしてもダーメ」 |
美羽 | 「加奈ちゃんの意地悪ぅ…」 |
加奈 | 「知ってるんだよ。さっき寝室に入ったときに…」 |
美羽 | 「…加奈ちゃん…やっぱりバレてた?」 |
加奈 | 「やっぱり…きっとそうだと思ってたんだ」 |
美羽 | 「うえっ!?もしかして…私にカマかけてたのっ?」 |
加奈 | 「何もしないわけないと思ってたもん」 |
美羽 | 「アハハ、加奈ちゃんには勝てないなっ」 |
加奈 | 「エヘヘ…よし、じゃあお風呂上がったら一緒にご飯にしよう」 |
美羽 | 「うんっ」 |
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二人一緒のベッドの中… |
美羽 | 「明日でこのお泊り会もお終いなんだね…」 |
加奈 | 「いつでも待ってるよ。今度は私が美羽ちゃんの家に行こうかな」 |
美羽 | 「私もいつでも待ってるからっ」 |
加奈 | 「それじゃあおやすみ、美羽」 |
美羽 | 「おやすみ、加奈」 |
チュッ |
二つの唇が触れて数分後…二つの寝息は徐々にシンクロしていく… |