及川雫(24):グラビアアイドル/大沼くるみ(21):グラビアアイドル |
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6月、ハワイにあるとあるプライベートビーチ… |
パシャパシャパシャ… |
夕刻の被写体二人に向けてシャッター音が響き渡っていた。 |
雫 | 「あのー、次はどんな風にすればー」 |
カメラマン | 『そうねー。及川さん、大沼さんのこと持ち上げられるかしら?』 |
雫 | 「どうでしょうかー、よい…しょっと」 |
くるみ | 「ふわあっ、雫さんに抱っこされて…恥ずかしいです…」 |
カメラマン | 『さすがの力持ちねー』 |
くるみ | 「くるみはどうすればいいですかー?」 |
カメラマン | 『大沼さんは胸に顔を寄せる感じで…そうそうちょっと撮るわー』 |
雫 | 「フフフ、かーわいいくるみちゃん」 |
くるみ | 「んん…雫さんにそう言われると顔が紅くなっちゃいますよぉ…」 |
カメラマン | 『ああっ、その表情!いただくわー』 |
くるみ | 「でも雫さんの胸、気持ちいいんですよぉ…」 |
雫 | 「くるみちゃん、気持ち良さそうですー」 |
カメラマン | 『本当に二人とも仲が良いわねー』 |
雫 | 「はいー、昔から一緒に活動してましたからねー」 |
くるみ | 「そうですよねー」 |
カメラマン | 『フフっ、ごちそうさま…かしら。よし、これでグラビアの分は充分ね。二人とも三日間おつかれさま』 |
雫 | 「おつかれさまですー」 |
くるみ | 「おつかれさまでしたー」 |
カメラマン | 『これから二人はどうするの?』 |
雫 | 「○○日から東京で撮影なので、明日の便で帰りますー」 |
くるみ | 「今日はこれから着替えたらお土産を買いに行くんですよぉ」 |
カメラマン | 『外国だから気を付けてね、特に及川さん達は狙われそうな容姿だから』 |
雫 | 「はい、マネージャーにお願いして安全には配慮してもらいます」 |
くるみ | 「今回は何をお土産にしましょうか雫さん」 |
雫 | 「そうですねー…」 |
雫とくるみは仲良く談笑をしながら、マネージャーの許へと向かって行った。 |
マネージャー | 「二人ともおつかれさま、これで海外での撮影は…9月まで無いな」 |
雫 | 「おつかれさまですー。やっと日本に帰れるんですねー」 |
くるみ | 「長かったですー…えっと沖縄と台湾とハノイとぉ…」 |
雫 | 「バリとグアムとここハワイとですから結構回りましたね」 |
マネージャー | 「写真集のためだから色々と撮らないとだしなあ」 |
雫 | 「んーっ!明日には2週間ぶりの日本ですよくるみちゃん」 |
くるみ | 「んんっ!そうですね雫さん」 |
マネージャー | 「二人ともこの服を上に来たらホテルに帰るから。シャワーと着替えはそっちで頼む」 |
二人 | 「はーい」 |
……… |
その後帰国した二人、そしてここは… |
くるみ | 「んんーっ!帰ってきましたねーっ」 |
雫 | 「そうですねー、くるみちゃん」 |
ぼふんっ ぼふっ |
二人はベッドへと身体を投げ出した。 |
くるみ | 「はあ、久しぶりのお家だあ」 |
雫 | 「今日はもう何もしたくないですー」 |
二人は現在事務所が管理のマンションで二人暮らし。一緒のお仕事でもあり一番気心も知れている仲ゆえである。 |
くるみ | 「雫さん、ちゃんと片付けしないとダメですよ」 |
雫 | 「少しはいいじゃないですかー、ちょっとゆっくりしましょー」 |
くるみ | 「だーめーですよぉー…雫さぁん」 |
長年一緒にいたせいか、雫よりもくるみの方がよりしっかり者になってしまったようだ。 |
雫 | 「それならちゅーしてくださーい」 |
くるみ | 「もー…雫さんったらぁ…」 |
ちゅっ |
くるみの唇が雫の唇へと乗っかった。 |
雫 | 「んんっ…んんーっ!よぉし、じゃあ片付けしましょうかー」 |
くるみ | 「しちゃいましょぉ」 |
雫 | 「まずは洗濯物を…」 |
ぼふんっ がちゃっ |
雫はスーツケースの一つをベッドに上げて鍵を開けた。 |
雫 | 「くるみちゃん、籠とネットを持ってきてくださいー」 |
くるみ | 「はーい」 |
雫 | 「これとこれと…この袋と…」 |
くるみ | 「持ってきましたよぉ」 |
雫 | 「ネットくださいー」 |
くるみ | 「何袋くらいですかぁ?」 |
雫 | 「3つ…ううん、5つくらいに分けましょー」 |
くるみ | 「はい、雫さん。ネットに入れないのは洗濯籠に入れちゃいますねぇ」 |
雫 | 「お願いねー…これとこれとこれと…」 |
くるみ | 「水着はどうしますかぁ?」 |
雫 | 「水着も大切に洗いたいからネットに入れますよー」 |
くるみ | 「分かりましたぁ。じゃあ普通の服だけで…もう1回目回しちゃいますよぉ」 |
雫 | 「今日は3回くらいにしましょうか。部屋が下着や水着で運動会になっちゃいますから」 |
くるみ | 「外では干せないですからねぇ、はーい」 |
雫 | 「さてと、これとこれで全部…かな。ふぅー…もぉずーっと行ってたから大変でしたー」 |
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時は流れて夕ご飯の頃… |
雫 | 「くるみちゃーん、ご飯はどうしますか?」 |
くるみ | 「冷蔵庫の中は何も無いですよねぇ」 |
雫 | 「撮影で旅立つ前にみんな空にしちゃって電源も落としちゃいましたからー」 |
くるみ | 「牛乳も豆乳も無いですねぇ…」 |
雫 | 「んー、どうしましょう。外に行くのも今からだと…」 |
くるみ | 「もう午後8時だから難しいですねぇ」 |
雫 | 「栄養も考えないといけないから…ちょっとダメ元で掛けてみましょうかー」 |
雫はスマホである場所へと連絡を取り始めた。 |
雫 | 「もしもしー、今日までお疲れさまでしたー。あの夕ご飯なんですけどー…えっ!?はいー、分かりましたー」 |
くるみ | 「どうしたんですか?」 |
雫 | 「マネージャーさんが別の用事でもうすぐここに来るから、それで一緒に食べに連れて行ってくれるそうですよー」 |
くるみ | 「良かったですー。何を準備すればいいですかぁ?」 |
雫 | 「外に出られる服を着て、後は食事と帰りに買い物に行くからお財布も持っていきましょう」 |
くるみ | 「久しぶりに日本のご飯、楽しみですねぇ」 |
雫 | 「沖縄を発ってからしばらく食べてませんでしたからねー」 |
くるみ | 「和食だったらいいですねぇ」 |
雫 | 「天ぷらとかお寿司とかお刺身とか…」 |
くるみ | 「雫さん、飲み過ぎはダメですよぉ」 |
雫 | 「ちょっとくらい…ダメ?」 |
くるみ | 「せめて買い物終わって家に戻ってからにしてください。運ぶの大変なんですからぁ」 |
雫 | 「はーい。じゃあ帰ってきたらちょっとだけ…ね」 |
くるみ | 「…1本までですからねぇ」 |
雫 | 「もう、くるみちゃん優しくてだーい好きっ」 |
くるみ | 「…うう、ほら雫さん、着替えますよぉ」 |
雫 | 「フフフ、はーい」 |
やっぱりいつまで経っても雫さんには敵わない、そう思うくるみなのであった… |