Inadvertently Forgotten Homework(うっかり忘れた宿題)

時は少し遡り、1月5日土曜日のこと…
「柚と」
あずき「あずきの」
二人『フリルドクロッシング!!』
♪〜
音楽とともにパーソナリティの柚とあずきが喋り始めた。
「時刻は11時だよ。みんなこんにちは、喜多見柚だぞー」
あずき「こんにちは、桃井あずきだよっ。そして…」
二人『明けましておめでとうございます!』
「新年最初の放送だね」
あずき「去年は29日まで放送したから、結局お休み無しだったよ」
「さすがに先週だけは録音だったけどねー」
あずき「あずきが帰省で帰っちゃったもん」
「アタシがゲスト呼んで放送しても良かったんだけどね」
あずき「もー、柚ちゃんそういうこと言うし」
「というわけでまず今週のテーマはフリーだよ」
あずき「リスナーのみんなの年末年始について聞かせて欲しいなっ」
「メールは〜〜〜、FAXの方は埼玉048の〜〜〜まで待ってるよー」
あずき「ツイッ●ーのハッシュタグは#〜〜〜〜、呟いた内容も読むかもしれないからねっ」
「今日はいつものコーナーはお休みにして、ぜーんぶお便りとフリートークだよ」
あずき「でも今日はフリネットが録音放送だからクロストークはお休みなんだー、ゴメンねっ」
「週の調整の関係でどうしてもね」
あずき「その分あずき達も話したい事いっぱいあるからたっぷり喋るよ」
「そうだね、クリスマスも年末年始も色々あったからねー」
あずき「あ、リスナーのみんなお便り送るのちょっとストーップ!」
「どうしたの?あずきチャン」
あずき「今日はプレゼントもあるから、それについても話さなきゃでしょ柚ちゃん」
「あー、そうだった。じゃあ今日の1曲とCMの後に、アタシとあずきチャンからの豪華お年玉プレゼントの説明をするよ」
あずき「そろそろ今日の1曲行こうかっ」
「うんっ。今日の1曲はこの23日に発売の曲…」
あずき「島村卯月、渋谷凛、本田未央、佐藤心、三村かな子で『Happy New Yeah!』をどうぞっ!」
♪〜
………
番組の放送を終えて…
あずき「さて柚ちゃん、寮に行こっか」
「みんなのお土産楽しみだなー」
あずき「あずきのは昨日家に行った時に渡したけど、忍ちゃんと穂乃香ちゃんのはまだだもんね」
「あずきチャンが持ってきても良かったんだよ?」
あずき「だってあずき、4日に帰ってきてすぐに柚ちゃんのトコなんだよ」
「そうだっけかー」
あずき「だからさすがに全部持ってくる大作戦は無理なのー」
「そっか、それならしょうがない」
あずき「柚ちゃんは今日は大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。宿題がなんとあと…」
あずき「あと?」
「たったのプリント2枚だけだもん」
あずき「柚ちゃんらしくないよそれ…」
「あずきチャン、昨日アタシがやってたの見てたでしょー」
あずき「あずきも一緒に柚ちゃん家で宿題大作戦やってたけどね」
「だからあとは明日家に戻ってからで充分だよ」
あずき「そんなこと言ってるあずきも、もう明日で片付けられるくらいだけどね」
「あれ?ねえあずきチャン、明日ってもしかして…」
あずき「どうしたの?柚ちゃん」
「レッスンって明日だっけ?」
あずき「へ?明日は6日…6日!?」
「トレーナーサン、年末のレッスンでアタシ達に宿題出してなかったっけ…」
あずき「えっと…ステップだけでも最低限完璧にって…」
「ど、どどど、どうしよう…アタシほとんどやってないよ…」
あずき「あずきもだ…う…今日は特訓だね…」
「うわーん、宿題もう無いと思ってたのにー」
あずき「あずきもー…」
………
そして寮に戻ってあずきの部屋…
♪〜
「1、2、3、45!1、2、34、56!」
あずき「1、2、3、45!12、34、5、6!」
二人『はいっ!』
二人は振付のビデオを見ながらダンスのチェックをしていた。
「…はあ…はあ…これくらいで大丈夫だよね…」
あずき「あずきは大丈夫だとおもうけど…」
「アタシ達…明日動けるかな…」
あずき「筋肉痛になってなければいいねっ…」
「お風呂って開いてる?」
あずき「開いてるよ、この汗はさすがに行かないとだよ」
「筋肉もほぐしたいから、ストレッチしたら早めに行こうよ」
あずき「そうだね…」
 
そのまま着替え等を持って大浴場へと来た二人。
あずき「ああ…生き返るー…」
「さすがに急な運動は…痛たた…」
あずき「あずき達、どうして今まで忘れてたんだろうね」
「年末年始ですっかり頭から抜けてるなんてね」
あずき「忍ちゃんに聞いたら、もうできてるって言ってたし」
「穂乃香チャンに至っては『え?通しで忍ちゃんと二人で一度合わせましたよ』とかさー」
あずき「あの二人には勝てないよ…」
「うんうん…はあ、でも気持ちいいなー」
あずき「今日はゆっくり休んだ方がいいねっ」
「そうだね…せっかくのお泊まりだけど」
あずき「でも今日がお仕事だったから、アイドルがまた始まった感じがするっ」
「それ分かるかも。久しぶりに気が引き締まってきたよ」
あずき「今年もまた色々とやりたいね」
「あずきチャンとも穂乃香チャンとも忍チャンとも、もちろん他のみんなとも一緒に色んな事出来たらいいな」
あずき「うんっ!」
 
「ねえあずきチャン」
あずき「どうしたの?柚ちゃん」
二人は疲れからかお風呂から戻って即ベッドへと直行した。
「今年はどんな年になるかな…?」
あずき「うーん、まだ分からないよね。平成じゃなくなるくらいしか」
「どんな一年でも楽しい一年になるといいな」
あずき「なる…じゃなくて、しようっ。一緒ならできる気がするよ」
「そだね。あずきチャンと一緒ならできる気がしてきたぞー」
あずき「その意気だよ、柚ちゃん」
「今年も一年一緒に頑張ろうね」
あずき「うんっ」
チュッ
二人の想いは誓いの口付けによって固い約束へと変わっていく…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あとがき
飛神宮子です。
フリルドスクエアの42本目兼今月のLily枠13発目のゆずあずです。
年末年始、アイドルとしての宿題も出される子は出される…でしょう。
何事も計画立ててやらないと…後で痛い目に逢いますから(確信)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2019・01・08TUE
飛神宮子
短編小説に戻る