My Gumbah -Azuki-(親友:あずき編)

今日は知ってた?七夕(しちせき)の節句って言うんだよ。七夕(たなばた)って言うのが一般的だけどねっ!
………
フーーー
三人『おめでとう、あずきちゃん!!』
あずき「ありがとっ、柚ちゃん、忍ちゃん、穂乃香ちゃん」
穂乃香「今日は晴れて良かったですね。朝方が曇りだったので心配でしたけれど」
あずき「あずきの誕生日は七夕だもん。晴れてくれなくちゃ困るっ」
「そうだネっ」
「でも良かったの?柚ちゃんの家使ってさー」
「いいのいいの。あずきチャンは元々今日はココに泊まりの予定だったし、二人くらい増えてもいいモン」
「アタシ達は今週が収録週で助かったよ」
穂乃香「そうですね。一日が土曜日で良かったです」
あずき「忍ちゃん達は明日はどうするのっ?」
穂乃香「私達は明日の午前中に寮に戻ってから…どうしましょう、忍ちゃん」
「宿題をやってから…明日って人少ないからレッスンもできないよねー」
穂乃香「特に昼間はライブ出演される方々がいませんからね」
「それじゃあ明日はアタシが寮に行こうカナっ」
あずき「それもいいかもねっ。今度は寮でお泊まり大作戦っ!」
こういうのがすぐできるのも友達っていいよねっ。
「まず家族に確認とってからだけどねー」
「あーそうだ。明日の夜はアタシと穂乃香ちゃんNGの時間があるからね」
あずき「えっ、何かあったっけ?」
穂乃香「はい。私も忍ちゃんも明日の夜は館の会合に出ないとですので」
「あずきチャンは寮の階長じゃないんだっけ?」
あずき「うんっ。忍ちゃんと同じグループだったから選ばれなかったっ」
穂乃香「あずきちゃんの階の階長さんは笑美さんですね」
「これがまた騒がしくてさあ、うちの館の会計も関西弁使いだからねー」
「ふーん、寮って色々大変なんだネ」
「だからそれに掛からない時間帯に…あずきちゃんの部屋集合にする?」
あずき「そうだねっ。あずきの部屋で待ってることにするよっ」
穂乃香「では明日は寮であらためてあずきちゃんをお祝いしましょう」
あずき「あずきだけそんなにしてもらっていいのかな?」
「いいのいいの、嬉しいことは何回でもしてあげたいものだモン」
「そうだね。急だけど愛梨さんって頼めるかな?」
穂乃香「ちょっと待ってくださいね。今電話掛けてみます」
「その前に…今日は今日でプレゼントだヨ」
あずき「ありがとっ柚ちゃん」
「柚ちゃんは何にしたの?」
穂乃香「もしもし、綾瀬です。あ、はい、この前はありがとうございました。それでですね…」
「アタシはね…開けてみればわかるゾ」
あずき「何かな……あ!ヘアアクセだっ」
「あずきチャンいつも髪まとめたりするのに色々と付けてるからネ」
「さっすが分かってるね、あずきちゃんの一番の相方さんはさ」
「それはネ…って忍チャンそれどういう意味で言ってるのカナー?」
「さあねー、それはご想像にお任せするけど?」
あずき「もう、からかわないでよーっ忍ちゃん」
これもうあずきの顔、きっと少し紅くなってるよね。
穂乃香「…あ、はい。急なんですけど…大丈夫ですか!?ありがとうございます…」
「穂乃香ちゃんまだ電話中だから、次はアタシかな…と言ってもアタシと穂乃香ちゃんは一緒なんだ」
あずき「そうなんだっ、忍ちゃんも穂乃香ちゃんもありがとっ」
「忍ちゃん達は何なのカナ?」
「アタシ達のも開けてくれれば分かるよー」
あずき「えっと…これってアクセサリー?しかもイヤリングとネックレスだっ」
「おー、なかなか豪華だネ」
「本当はネックレスだけになる予定だったんだけど、思ったより安く買えたからオマケに付けたんだ」
穂乃香「…はい、ではよろしくお願いします。失礼します…」
穂乃香ちゃんの電話もようやく終わったみたい。
あずき「これって…パワーストーンか何かなのっ?」
「うん。と言ってもペンダントの方がルビーでイヤリングの方がカーネリアンだったかな」
あずき「あっ、ということはどっちも誕生石だっ」
穂乃香「せっかくですから良い物をと思って選びました」
あずき「みんな本当にありがとうねっ!」
こんな良い物もらって喜ばないわけにはいかないよっ…
………
夜も更けてきて…
「もういい時間だし、そろそろ寝よっか」
「そだネ。明日のラジオに響いちゃダメだし」
穂乃香「もう7月ですけど、夜はまだちょっと冷えますから…さすがに長居は禁物ですね」
あずき「でもやっぱり綺麗だなあ、この星空っ」
あずき達はちょっと柚ちゃんの部屋のベランダに出てたんだ。
「天気はあずきちゃんに味方してくれたみたいだね」
あずき「あずきにだけじゃないよ。きっとみんなに味方してくれたんだっ」
穂乃香「フフフ、そうかもしれません」
「そっちの方がいいカナ。じゃあ閉めるから入って入ってー」
ガラガラガラガラ ピシャンッ ガチャっ
「そういえば床の布団が二つしかないけど…」
あずき「あずきはいいよー、こっちで寝るからっ」
穂乃香「そっちって…柚ちゃんのベッドですよね…」
「まあいいけど、柚ちゃんも嫌がってる様子がないしさー」
「今日くらいはあずきチャンのワガママを聞かないとバチが当たるジャン」
あずき「じゃあ寝よっ。今日は楽しかったなー」
穂乃香「そうですね、おやすみなさい皆さん」
「うん。おやすみー」
「それじゃおやすみっ、電気はいつもの通り豆球でいいネ」
あずき「あずきもそれでいいよ、おやすみっ」
 
それからちょっとだけ時間が進んだ頃だけど…
隣に好きな人…もちろんあずきも柚ちゃんも、そんな状況で寝付けるなんて最初から思ってなかったんだっ。
あずき「…ねえ、柚ちゃん」
「…何カナ?あずきチャン」
あずき「…もらってもいい?」
「…いいよ」
お互いにこうなるのは分かってたよね。柚ちゃんの唇、もらっちゃった。
あずき「………毎週やってるのにどうしてかな…いつもよりドキドキしてる」
「………今日は穂乃香チャンや忍チャンもいるからネ」
そんな中だと小さい衣擦れの音でも聞き逃すわけがないよね。
あずき「忍ちゃん、起きてるでしょ」
「………くー………」
「そうやって寝息立て狸寝入りしててもバレてるゾ」
「う…だってそっちから急に動く音がしたからさ…薄暗くてちゃんとは見えてなかったけどね」
あずき「見られちゃったものは仕方ないっ…このことはくれぐれも穂乃香ちゃんには内緒ね」
「うん…(穂乃香ちゃんも本当は一緒に起きてたけど、寝たふり上手すぎだよ…)」
穂乃香「(忍ちゃん、犠牲にしちゃってゴメンなさい…)」
あずき「それじゃあ今度こそ本当におやすみっ、忍ちゃん」
「おやすみ、二人ともほどほどにしときなよ」
忍ちゃんに怒られちゃったけど…こうやって親友が近くにいる心地よさ…ずっと大切にしていたいなっ。
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あとがき
飛神宮子です。
月刊フリルドスクエアの27本目。2017年版のあずきの誕生日SSです。
今年は誕生日SSに限って一人称SSにします。七夕の夜の四人です。
余談ですがルビーは情熱や女性らしさ、カーネリアンは仕事系で特に学業のパワーストーンらしいですよ。
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2017・07・07FRI
飛神宮子
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