春の季節が終わりゆき初夏の頃、そんな季節が私の… |
……… |
フーーー |
三人 | 『おめでとう、穂乃香ちゃん!!』 |
穂乃香 | 「ありがとうございます、忍ちゃん、柚ちゃん、あずきちゃん」 |
こんなにお祝いをして貰えるなんて幸せですよね。 |
柚 | 「本当の誕生日は明日だけどネ」 |
忍 | 「穂乃香ちゃんの誕生日は平日だからしょうがないよ」 |
穂乃香 | 「でもこのケーキ凄いねっ。これって特製でしょ?」 |
柚 | 「愛梨さんにお願いして作ってもらったヨ」 |
忍 | 「柚ちゃん、ぐさーっは穂乃香ちゃんの許可が出てからね」 |
穂乃香 | 「食べるのは…勿体無い出来ですけれど、食べない方が勿体無いですから…」 |
あずき | 「じゃあ切っていい?穂乃香ちゃん」 |
穂乃香 | 「お願いします、あずきちゃん」 |
あずき | 「いくよっ、等分大作戦…えいっ!」 |
忍 | 「あずきちゃん、アップルパイの時から腕を上げてるよね」 |
柚 | 「あの時は偶然だと思ってたけどネ」 |
あずき | 「もー、あずきの大作戦はいつも成功してるでしょーっ」 |
柚 | 「これって掛かってるのは抹茶カナ?」 |
忍 | 「クリームは何だったっけ?何かの豆って言ってた気がするよ」 |
あずき | 「穂乃香ちゃん、どれにするっ?」 |
穂乃香 | 「そうですね…それならこの右上のリボンが入ったものでいいですか?」 |
忍 | 「いいんじゃない?…ここからはジャンケンだからね」 |
あずき | 「はい、穂乃香ちゃん」 |
穂乃香 | 「ありがとうございます、あずきちゃん」 |
あずき | 「まー、前は早い者勝ちだったしねっ」 |
柚 | 「じゃあいくヨー。ジャーンケーンポンっ」 |
……… |
それからしばらく経って、みんなでお喋りしているとこんな話になりました… |
あずき | 「そういえば、昨日って穂乃香ちゃん何してたのっ?」 |
穂乃香 | 「えっ、私ですか?」 |
柚 | 「昨日って穂乃香チャン達のラジオは録音週だよネ」 |
忍 | 「そういえば朝早くに、上の部屋から音がしてたけど…」 |
穂乃香 | 「あ、忍ちゃん聞こえてました?五月蝿くしちゃってごめんなさい」 |
忍 | 「いや、いいんだけどさ。何してるのかなって思った」 |
穂乃香 | 「あの…その…」 |
柚 | 「これはもしかして…」 |
あずき | 「穂乃香ちゃん、悪いことは言わないからねっ」 |
穂乃香 | 「し、忍ちゃん…二人が怖いです…」 |
忍 | 「これはアタシも穂乃香ちゃんの味方にはなれないかなあ」 |
穂乃香 | 「そ、そんな…」 |
どうやら私、袋の鼠になってしまったようです。でも本当は… |
柚 | 「そこのところどうなのカナ?穂乃香チャン」 |
穂乃香 | 「その…皆さんが期待するような疚しいことはしていませんよ」 |
柚 | 「えっ…」 |
穂乃香 | 「こちらに昔のバレエの先生が来られるので、朝早く駅まで出迎えに行くことになっていたんです」 |
忍 | 「なーんだ、そうだったんだ」 |
穂乃香 | 「今の生徒さんの合同発表会が東京であるということで、こっちでの付き添いをしてたんです」 |
あずき | 「あー、どうりで昨日は疲れてたんだっ」 |
忍 | 「じゃああの音って?」 |
穂乃香 | 「準備してた物が一つ入っていなくて探してたんです」 |
柚 | 「あー、そういうことなんだ。何だか期待してたのと違ったネ」 |
穂乃香 | 「も、もう…」 |
忍 | 「でもさ、穂乃香ちゃんってそういうのに一番縁が無さそうな気がする」 |
あずき | 「柚ちゃんはっ?」 |
柚 | 「プロデューサーサンと?アタシはクイズ番組の特訓の時にデザート一緒に食べに行ったカナ」 |
あずき | 「あの時そんなことしてたんだっ。ズルーい」 |
柚 | 「番組のためだモンっ」 |
忍 | 「それじゃあそう言うあずきちゃんはどうなの?」 |
あずき | 「あずきはねー…中華街の時にちょこっと一緒にデートっぽいのしたかなっ」 |
忍 | 「そういえばあの撮影の日、遅かったもんね」 |
柚 | 「ラジオ大変だったんだぞー。あずきチャンもそんな楽しいことをしてたのかー」 |
あずき | 「今話したのでおあいこでしょーっ」 |
穂乃香 | 「忍ちゃんはどうなんですか?」 |
忍 | 「アタシ?アタシは、あっ…柚ちゃんは知ってるよね?」 |
柚 | 「え?」 |
忍 | 「ほら、見立ててもらったのがあったじゃんか」 |
柚 | 「あー、あの時かー。うん、憶えてるヨ」 |
忍 | 「二人はたぶん知らないと思うけど、あのお忍びっぽい服装の撮影の時にさ…」 |
穂乃香 | 「確か秋でしたっけ。あの確かお忍びデートな感じのグラビアって」 |
忍 | 「そうそう。それする時に、ちょっと気持ちが上手く掴めなくってね…」 |
あずき | 「そのままプロデューサーさんに押し切ったんだっ」 |
忍 | 「いい気分転換にもなって、今思い出しても良かったなー」 |
穂乃香 | 「皆さんそういう機会があるんですね」 |
柚 | 「あれ?穂乃香チャンは?」 |
穂乃香 | 「へ?」 |
あずき | 「そうやって自分だけ話さないつもりだったんでしょっ?」 |
穂乃香 | 「そんなことは…」 |
恥ずかしいです…上手く誤魔化せませんでしたね… |
忍 | 「穂乃香ちゃん、ここは正直に話しておいた方がいいよ」 |
穂乃香 | 「あ、えっと…私は」 |
私はスマホのフォルダからある写真を出しました。 |
穂乃香 | 「これが全てです…」 |
その写真…私が大きなぴにゃに抱きついている写真でした。 |
柚 | 「そういえばこの写真、誰が撮ったか聞いてなかったケド…」 |
あずき | 「そういうことだったんだっ」 |
忍 | 「アタシは柚ちゃんかあずきちゃんだと思ってたー」 |
あずき | 「あずきはてっきり忍ちゃんだと思ってたっ」 |
柚 | 「アタシとあずきチャンは土曜日だからラジオだゾ」 |
忍 | 「そう考えたら確かにプロデューサーさん以外の選択肢はなかったか」 |
あずき | 「でも穂乃香ちゃん、人目もはばからずによく抱きつけたねっ」 |
忍 | 「もうちょっとアイドルの自覚は持とうよ…」 |
柚 | 「これ騒ぎにならなかったの?穂乃香チャン」 |
穂乃香 | 「それが実は…その後に30分ほど写真の行列が…」 |
あずき | 「穂乃香ちゃんらしいといえばらしいんだけどねっ」 |
忍 | 「それは分かる気がする」 |
柚 | 「アタシもあずきチャン達に同意するネ」 |
穂乃香 | 「えっ…ええっ!?私ってそんなでしょうか?」 |
三人 | 『うんっ』 |
声を揃えてまで言われてしまいました。でもこういう忠告をしてくれるのも親友だからこそですよね… |