Bosom Friends -Shinobu-(親友:忍編)

3月9日…何年前だっけ、そんな卒業ソングあったよね。
でもアタシにとっての3月9日は…
………
フーーー
3人『おめでとう、忍ちゃん!!』
「ありがとう穂乃香ちゃん、あずきちゃん、柚ちゃん」
「んー、明日が休みで良かったー。こうしてゆっくりお祝いに参加できるモン」
「柚ちゃん、そういえば学校は?」
「明日はお休みだよ。合格発表の日なのだー」
あずき「それだと明日から柚ちゃん三連休なんだっ」
穂乃香「はい、切れましたよ。忍ちゃん、どれにします?」
「ありがとう穂乃香ちゃん、コレにするよ」
「あれ?あずきチャン達も明日お休みじゃないの?」
穂乃香「私は普通に学校ですよ。忍ちゃんもですよね?」
「うん。アタシのとこも卒業式予行だけどね」
あずき「やっぱりみんなそうだよねっ、良かったー」
「アタシはあずきチャンが出る時に合わせて帰ろうかなって思ってるヨ」
あずき「明日はあずきが柚ちゃん家に行く日だけどねっ」
「明日はいつもよりゆっくり準備が出来そうだナー」
穂乃香「柚ちゃんとあずきちゃんはどれを食べます?」
「あ、穂乃香チャン。アタシこっちにするー」
あずき「あー、柚ちゃんズルいっ。それならあずきはこっちもらっていい?穂乃香ちゃん」
穂乃香「はい、それじゃあこれが私ので…では食べましょうか」
ここはアタシの部屋。点呼の前じゃないとこうは騒げないよね。
「美味ー。いつ食べても愛梨サンのケーキは美味しいネー」
「うん。頼んだのって穂乃香ちゃんだっけ?ありがとね」
穂乃香「いえいえ、昔に交友があったからですから、お礼を言われるほどでもないです忍ちゃん」
あずき「そういえばさっ、食べたいって言ったのって忍ちゃんだっけ?」
「去年も食べたけど、やっぱりまた食べたくなってねー」
「分かるなー。ちょうどいいバランスだからいくらでも入りそうでネ」
あずき「だから食べ過ぎちゃいそうになって…っていうのはみんなよく言ってるよねっ」
穂乃香「食べたらその分動けば良いのでは?」
「穂乃香ちゃん、それを言ったら元も子もないんだよ…」
穂乃香「???」
あー、穂乃香ちゃんこういう天然なところが…まあ可愛いんだけどね。
「あ、そうだ。穂乃香ちゃん明日はどんな感じ?もう早いんだよね?」
穂乃香「明日ですか?はい、15時には帰ってこれるかと思いますが」
「それならさ、夕方のレッスン一緒にどう?予約してあるんだけどさ」
穂乃香「いいんですか忍ちゃん」
「穂乃香ちゃんのパートと合わせなきゃって思ってたし」
穂乃香「それならそうですね。今週末は放送ありませんし」
「穂乃香ちゃんの方ってまゆちゃんと美玲ちゃんだっけ?」
穂乃香「はい。2人枠なのでまゆちゃんと美玲ちゃんの同室コンビで行くことがすぐに決まりました」
「アタシの方は愛海ちゃんと七海ちゃんだよ」
「そういえばそっちの番組は特別番組でお休みだっけ」
あずき「長野も12日だったらお休みだったって言ってたねっ」
「そっか…今年もあの日が来るんだね…」
穂乃香「そうですね…」
「…ってそんなしんみりしてちゃダメだね。アタシ達は明後日別の大事なお仕事だしさ」
穂乃香「一緒に頑張りましょう。こういう地元に関わるお仕事も大事ですからね」
「うん」
明後日はイベント会場で地元の商品の物販。これも震災関連のイベントだから大切だよね。
「ねえねえ、それってどこでやるの?忍チャン」
「えっと、○○○駅近くのほら、あの…」
「あー、分かったカモ。あずきちゃん、ラジオ終わったら行こうヨ」
あずき「そうだねっ。せっかくだしこういうイベントでの二人も見てみたいなぁ」
「面白いものでもない気がするけどね…」
穂乃香「たぶん物販スペースの方にいると思います」
あずき「ステージはやらないのっ?」
「あずきちゃん達が来れる頃だと14時半頃にメインステージに立つよ」
「そうなんだー。プロデューサーサンもそっちだよネー?」
穂乃香「はい。あ、そういえば…」
あずき「どうしたの?穂乃香ちゃん」
穂乃香「柚ちゃん達が間に合うようなら一緒に立たないかって言ってましたよ」
「えっ?アタシその話初耳なんだけど…」
穂乃香「さっき預かってもらっていたケーキを取りに行った時に伝えてくれと言われまして」
あずき「うわー、これ間に合った方がいいのかなっ」
穂乃香「その辺りはあずきちゃん達にお任せします。司会の方にはプロデューサーから連絡するそうです」
「あずきチャンはステージ上がりたい?」
あずき「んー、せっかくだし上がっとこうかなっ。柚ちゃんこそどう?」
「実はアタシが一番震災とは関係性が薄いんだよね。アタシはあずきチャンに任せるヨ」
あずき「じゃあそれはその時に決めようね。衣装とかってどうなってるのかな」
穂乃香「私服で構わないそうですが、4人揃いの衣装も持ってきてくれるそうです」
「それなら心配ないかー。『○○○』と『×××』歌う予定だけど二人とも大丈夫だよね?」
「アタシ達の代表曲ジャン。モっチのロンっ」
あずき「だよねー、あずきも久々に歌いたいなっ」
「本格的に歌えるのは春休みライブまでお預けだし、ここは気持ちよく一度歌いたいなー」
穂乃香「春休みライブに向けて…今日食べた分もきっちり消化しないとですね」
「あう…確かにそれじゃなくともちょっと冬に貯め過ぎたかも…」
「あ、アタシはそんなことしなくても…せくしーぼでーだからー」
あずき「あれっ、でも柚ちゃんこの前お腹がちょ…むぐっ!」
「わーわー!皆まで皆まで言うでない!あずきチャンだってそうだって言ってたのにっ!」
「柚ちゃん、それ以上するとあずきちゃんが息絶えちゃう」
あずき「…はあ…はあ…苦しかったっ…」
穂乃香「これは皆さん…特訓コース…した方が良さそうですね」
「あっ…」
これ…穂乃香ちゃん本気モードの眼になっちゃった…
「穂乃香チャン、それだけは、それだけはー!」
あずき「お願いっ、穂乃香ちゃん、いや穂乃香様ー!」
穂乃香「聞いたからにはもうダメです。来週の三連休の日と月はみっちりと…フフフ、逃がしませんから」
「柚ちゃん、あずきちゃん、もう諦めた方がいいよ」
柚・あずき『そんなぁ…』
穂乃香「明日のレッスンの時にトレーナーさんにも相談しておきますね」
こうなった穂乃香ちゃんは、てこでも動かないからね…
「よぉし、今だけはそれを忘れてもう食べちゃうことにするっ!」
あずき「あずきもっ!もう諦めたっ!」
「あ、開き直った。じゃあアタシも食べちゃおうっと」
穂乃香「もちろん忍ちゃんも特訓ですよ」
「分かってるよ穂乃香ちゃん。あの二人よりまだマシだと思うけどね…アハハハハ…」
これからもこの四人で親友同士でいたいな…だってここが幸せな空間だと思えてるもんっ。
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あとがき
飛神宮子です。
月刊フリルドスクエアの22本目。
2017年版の忍の誕生日SSです。自分にしては珍しく一人称です。
忍の誕生日ということは…近いですからね。いつまでも心に刻んでおきたいです。
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2017・03・09THU
飛神宮子
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