They Want Right Size(正しさを求めて)

穂乃香「あずきちゃんとって珍しいかもしれないですね」
あずき「そういえばそうだねっ」
二人の少女がある場所へと向かって歩みを進めていた。
穂乃香「でもどうしたんですか?寮には忍ちゃんもいるのに私だけなんて」
あずき「うーん、忍ちゃんに聞くのも酷な気がしたことかな」
穂乃香「よくは分かりませんが…」
あずき「ほら、この前言ってたアレのことっ」
穂乃香「…はい、そういうことでしたか。それでどこに行く予定なんでしょう?」
あずき「それで穂乃香ちゃんが知っている良いお店がないかなって思ったんだよ」
穂乃香「そうですか…私もそういうことは詳しくないものですから」
あずき「そっかー。どうしよっかなーってちょっと待って、LINE来た音してない?」
♪〜 ♪〜
あずきと穂乃香のスマホが同時に鳴動した。
穂乃香・あずき「「あっ…」」
二人はそれを見て同時に驚いた。
《しのぶ 穂乃香ちゃんもあずきちゃんもアタシを置いてどこ行ったのかな?》
《ゆず あれあれ?忍チャン置いてかれちゃったの?》
《しのぶ そうみたい。柚ちゃん、何か聞いてない?》
《ゆず んー、柚は何も聞いてないカナー》
穂乃香「これはどうしましょうか。一度戻って事情を話した方が良さそうですが」
あずき「んー、ここは敢えて悪い子大作戦しちゃおう。連絡が来ても受け答えしないっ」
穂乃香「えっ…それはどうなのでしょうか…」
あずき「いいのいいのっ。たまにはこんなお休みもアリかなって思ってたんだ」
穂乃香「わ、分かりました。でも、責任は取ってくださいね」
あずき「うっ…そういうこと、穂乃香ちゃんは抜け目ないんだね」
穂乃香「今回のことは私のせいではないですから」
………
二人は駅に着いて…
穂乃香「あずきちゃんは可愛い系が良いですか?それともセクシー系が良いですか?」
あずき「穂乃香ちゃんはあずきにはどっちが似合うって思うっ?」
穂乃香「そうですね…あまりユニット組む前から見ていたわけではないですが、セクシー系も多くやっていますよね」
あずき「確かにそうだったかなー。可愛い系も多くやってたけどね」
穂乃香「ここは一つ可愛い系で攻めてみるのもいいのではないかと」
あずき「そう言う穂乃香ちゃんは今日はどうする?」
穂乃香「私もよくは分からないのですが…」
あずき「穂乃香ちゃんはお仕事の傾向が意外に掴めないんだよね」
穂乃香「言われればそうなのかもしれません」
あずき「でもクールタイプとか言われるけど割と可愛い系のお仕事多いかなってあずきは思うけど」
穂乃香「確かに黒猫などもやらせていただきましたし、お仕事はクール系とは言い難いですね」
あずき「だから今回はセクシー系でどうかなっ?」
穂乃香「そうですね、一つそういうのを持ってみるのもいいかもしれません」
あずき「さて…ここからだとどこがいいかな?」
穂乃香「ちょっと待ってくださいね」
穂乃香はスマホを操作して…
穂乃香「………もしもし突然すみません。今大丈夫でしょうか?綾瀬です………」
どこかに電話を入れているようだ。
穂乃香「………はい、おすすめはそちらですか。ありがとうございます、では地図の方をお願いします…ではまた」
あずき「誰に電話掛けてたの?」
穂乃香「こういうことなら詳しそうな城ヶ崎さんのお姉さんです。以前オフの時に妹さんと共にお会いした機会があったので」
あずき「そうだったんだね、それでどこまで電車乗っていく?」
穂乃香「とりあえず渋谷だそうですのでそちらまで行きましょう」
あずき「ここからだと…まあ適当に行けばいいかな」
穂乃香「今日は時間がありますしゆっくり伺いましょう」
 
その頃…
《しのぶ 柚ちゃん今日は予定何かあるかな?》
《ゆず んー、今日は特にやることないから暇だよー》
《しのぶ 柚ちゃん今から寮に来れる?》
《ゆず どして?》
《しのぶ 二人に連絡取れないし暇だからアタシも出かけようって思ったんだ》
《ゆず そっかー。仕方ない、柚がお付き合いしてあげよう》
「さってと、寂しがりの忍チャンに会いに行ってあげようカナ」
柚が準備していると…
♪〜
「あれ?どっか別のとこからLINEだぞ」
柚がスマホを見入るとそこには…
《みか 柚ちゃんは穂乃香ちゃん達と一緒?》
《ゆず そうじゃないけど、どしたの?》
《みか さっき電話でお店紹介してって言われて紹介したんだけど》
《ゆず そういうことかー。それ詳しく教えてー》
《みか どこかに………》
「なるほど、そういうことだったんダナー」
柚は何かを企んだ笑顔になりながら…
「穂乃香チャンも柚と同じ埼玉出身の人に聞くなんて迂闊だったねー」
出かける準備を進めていた。
 
穂乃香「地図によるとここですね」
あずき「本当だ。やっぱりこういうところだと店が一つ一つ大きいねっ」
穂乃香「まずは入りましょう。こちらに立っているのもなんですから」
あずき「そうだねっ。どんなのがあるか楽しみだなー」
そう、ここはとある普段は見せることのない衣装の専門店である。
穂乃香「さて、あずきちゃんのからにしましょうか。それとも私のからにしましょうか」
あずき「それは考えなくてもいいんじゃない。コレって思ったものが良い物だと思うよっ」
穂乃香「それならちょっと店の奥のほうで気になった物が見えまして…」
あずき「どれどれ?」
穂乃香「こちらです、そのそこに掛かっている…」
あずき「あー、これ確かに…でも柚ちゃんに似合いそうかも」
穂乃香「ちょっと元気すぎでしょうか。確かに柚ちゃんが一番似合いそうです」
あずき「でも穂乃香ちゃんもこれくらい冒険してみてもいいかもねっ」
………
数十分後
あずき「これどうかなっ?」
穂乃香「キュートポップなのにセクシーな感じで…これなら私もあずきちゃんもきっと合いますよ」
そんな二人の後ろに二人の人影が…
「そうだねー。それにカラーも色々あるからいいねー」
「うんうん。サイズも豊富でアタシに合うのもちゃんとあるみたいだし」
穂乃香「はい…って忍ちゃん?!」
あずき「柚ちゃんまでっ!?どうしてここが分かったのっ!?」
「え?穂乃香チャンからの話はぜーんぶ美嘉さんに聞かせてもらったんだケド」
穂乃香「あっ、もしかして同じ埼玉出身だったから…筒抜けだったんですか」
「別にアタシこういうの気にしないって言ったのに…」
穂乃香「忍ちゃん…ゴメンなさいっ!」
あずき「本当に秘密裏にしようかって思ってたのに、今日の大作戦は失敗かな」
穂乃香「そうみたいですね」
「ところでこれ買っていくのカナ?」
穂乃香とあずきは顔を一度見合わせてから
あずき「あずきはこれでいいんじゃないかなって、値段も手頃でいいかなっ」
穂乃香「そうですね、それでは私はこのブルーとそのパープルのを」
「…穂乃香ちゃん…」
あずき「それならあずきはこのレッドとそのオレンジのだねっ」
「…あずきチャン…」
あずき「これ、今日のお詫びだからっ…今度お泊り会の時にお揃い大作戦ってどうかなっ」
穂乃香「私も、今日は二人まで巻き込んでしまって申し訳なくて…何かの機会にこれも衣装合わせできたらなって思ったんです」
「ありがとう穂乃香ちゃん…その気持ちだけでアタシ達は嬉しいんだよ」
「そうだよ。柚もあずきチャン達に巻き込まれたのは確かだケド、それでも今日は楽しくなれたからね」
あずき「…うん。よしっ、これ買ったらみんなでどっか行こっ!」
穂乃香「はい。会計済ませてきますから忍ちゃんと柚ちゃんは外で待っていてもらえますか」
その後、昼食の仲良しな光景が事務所の誰かさんに見つかったとかそうでないとかいうのはまた別のお話である…
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あとがき
飛神宮子です。
フリルドスクエアでの4本目。なかなか組まない穂乃香とあずきをメインに。
この4人ですが予測カップ自体は穂乃香とあずきが同じくらいだったりするんですよね。
実はこの手のネタは他ジャンル含めて3度目だったりします。来年こそは全員の水着姿が拝めればいいなー(単なる願望)
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2015・09・30WED
飛神宮子
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