Color of Summer(夏の色)

夏のある日のこと…
ガチャっ
「おつかれさまっ!」
あずき「今日も暑かったねー」
「穂乃香ちゃん、長袖で本当に大丈夫なの?」
穂乃香「はい。昔からよほどの事がなければ私服の時はそうでしたから」
バタンッ
お仕事を終えた四人が事務所へと帰ってきたようだ。
「うー…このエアコン入った部屋、生き返るー」
「柚ちゃん、だらけ過ぎでしょ。これから宿題やるんだよ」
あずき「宿題大作戦は明日がいいなっ…今日は休みたいよね」
穂乃香「せっかくこのテーブル借りられたんですから、早く今日の分を終わらせましょう」
あずき「穂乃香ちゃんが真面目モードになっちゃったし、柚ちゃんやるしかないよっ」
「しょうがないかー。じゃあ穂乃香チャン、終わったらぐさーっさせてくれるならやるよっ」
穂乃香「だ、ダメですっ!むー…」
「さあどうする?穂乃香チャン」
穂乃香「それなら…ぴにゃこら太がされるくらいなら私が代わりに…!」
「こーら、柚ちゃんはからかい過ぎ!穂乃香ちゃんもそこまで思いつめなくていいから」
あずき「柚ちゃんもそろそろ宿題大作戦しよっ」
「うあー、柚の味方はもういないのかー」
穂乃香「ぴにゃこら太にされるくらいなら私が…ぴにゃこら太にされるくらいなら私が…」
「ほら、穂乃香ちゃんもやるんだから戻ってって」
穂乃香「はっ…!もう、柚ちゃん。今日は終わるまで帰らせないですからね」
「あれ?もしかして柚、穂乃香チャンのスイッチ入れちゃったのカナ?」
あずき「そうみたいだねっ、頑張ってー」
「あずきちゃんも今日は時間いっぱいだからね」
あずき「あずきもー!?」
 
「そういえば今度のお仕事の水着って、みんな用意してある?」
「アタシはこっちに持ってきてないから買わないとかな。あずきちゃんは?」
あずき「あずきもこの前お仕事に着たのしかないかなっ。でも友達と海だと久しぶりかもっ」
「あー、やっぱりあずきチャンもかー」
あずき「ねー、柚ちゃん」
「柚はプールならよく行ってたけど海は柚も久しぶりかなー」
穂乃香「それってどういう…」
あずき「穂乃香ちゃんには分かんないかなっ、穂乃香ちゃんと忍ちゃんのとこにはあるけど、あずきや柚ちゃんのとこには無いんだよっ」
「そういえばそうだね。穂乃香ちゃん、東北出身のアタシ達は当然だと思ってるから意外と盲点かな」
穂乃香「うーん…」
考え込んでいる穂乃香の横にあるものに忍び寄る魔の手…
「ぐさーっ!」
穂乃香「ぴにゃこら太ー!」
「油断していちゃダメだよ、穂乃香チャン」
穂乃香「それとこれとは話が別ですっ、もう…」
あずき「それで分かったかなっ?」
穂乃香「うーん、何のことでしょう…」
あずき「あずき達、答え言ってたんだよね」
「あー、確かに言ってたね。確かに4人バラバラの出身地で2人もいるのは珍しいけど」
「分からないならもう一回ぐさーっ!かなー」
「やめよう柚ちゃん、本気で穂乃香ちゃん悩んでるみたいだし」
穂乃香「もう降参します。それで答えって…」
あずき「ほら、長野も埼玉も海が無いってことっ。あずきも柚ちゃんも海が久しぶりって言ってたんだけどね」
穂乃香「ああっ!そういうことですか…」
「それでそういう柚ちゃんは?」
「柚はこの前のお仕事の使おうかなって思ってるけど…みんなが新しいのにするならどうしようかなー」
あずき「あずきもお仕事のでもいいかなって思ったけど、二人に合わせたいかもっ」
穂乃香「私は水着の仕事となると…貰えてはいないですね」
「じゃあ穂乃香ちゃんも無いってこと?」
穂乃香「こっちに来てからは学校の授業くらいで、あとはほとんど泳いでいませんでしたから」
「それなら今度いっしょに買いに行こうよー。柚も新しいのにしようっと」
あずき「そうだねっ。一緒に買いに行けば柄とか被らなくていいもんね」
「でも夏休みなのはいいとしてもいつにする?」
穂乃香「そうですね…あっ、今度の火曜日にある取材の後はどうですか?」
「ああ、そっか。月末発売の雑誌のがあったっけ」
「みんなお盆休みは実家に帰るんだよね?」
あずき「つかの間の休みって感じだね」
穂乃香「そうゆっくりはしていられませんけれど、そうそう地元の空気は吸えませんからね」
「みんな遠くていいなー。柚なんてみんなを見送る立場だし」
「ちょうどあずきちゃんと分かれる大宮で見送りお願いしようかな」
あずき「あっ、それいいかも」
穂乃香「そうですね、同じくらいの時間の便でそうしましょうか」
「うう、みんなが意地悪言うよー」
あずき「まあそれは冗談としても、みんな火曜日でいいの?」
「取材って何時くらいに終われるカナ?」
「確か…13時からだから14時前には終わるくらいじゃない?」
穂乃香「…そうですね、予定変更が無ければ」
「それにしても誰だっけ、水着は自前で用意しますって言っちゃったの」
あずき「えーっと…柚ちゃん?」
「え?そ、ソウダッタカナー?」
「了承したプロデューサーさんもプロデューサーさんだけど、無責任に言っちゃうのはちょっとね」
「だって、柚はもうお仕事決まってたんだモン。みんなも持ってるって思ってた」
穂乃香「もうそれはいいじゃないですか。水着、どんな柄にしようかな」
三人「「「(絶対ぴにゃこら太柄でしょ…)」」」
穂乃香「あれ?皆さん、どうしたんですか?」
あずき「ううん、何でもないよっ。あずきは…」
「アタシは落ち着いた感じのでいいかな。派手なのとかは恥ずかしいし、たぶんNGでしょ」
あずき「そっか。それならセクシーなのはやめておいた方がいいねっ」
「柚は元気っぽいのになるカナ。この前のお仕事のに似た感じにしたいな」
穂乃香「私は…………」
「どうしたの?穂乃香チャン」
穂乃香「こういうのってあんまり考えたことがなくって…」
「これは…みんなで…カナ?」
「ほどほどにしてあげよう、こういうの慣れてないかもしれないから」
あずき「よしっ、穂乃香ちゃんの水着選び大作戦も決定かなっ」
穂乃香「皆さんに選んで貰えるんでしょうか?」
「うん。穂乃香チャンのために選んであげちゃおう」
「ちゃんとアタシが抑えるところは抑えるから心配はしなくていいと思うからさ」
あずき「当日が楽しみになってきたね」
「穂乃香チャン、スタイルいいからねー」
「それはアタシも羨ましく思ってる」
穂乃香「え?あの、あの…」
買い物当日、穂乃香が着せ替え人形にされたことは最早言うまでもなかったという…
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あとがき
飛神宮子です。
フリルドスクエアでの2本目。
ほのぼの日常系、やっぱり好きかなって。
プロデューサーを出さないというのも、日常系だとラジオや秋のま〜ち以外だと久々だったかもしれないですね。
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2015・07・31FRI
飛神宮子
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